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SONY NW-E10

SONY NW-E10

 クールなアルミボディが所有感をそそる逸品だ。SONYならではの造形美がある。

 いつでもどこでも好きな音楽を聴けるというのは良いことだ。モバイルPC機ではSONY嫌いのIBM好きだが、携帯音楽再生機ではSONYを選択する。以前はWMD-DT1というDATウォークマンを持っていたこともあったが、現在はMDウォークマンの方が一般的だろう。再生専用機を持っているが、録音機がないため引き出しの肥やしになっている。(実家では妹の録再機を借りていた)

 さて、最近の携帯音楽再生機にはもうひとつの流れがある。MP3ファイルなどを再生するシリコンポータブルプレイヤーだ。といってもシリコンメモリーに限らず、CD-R、HDDなど様々な製品が生まれている。'99年12月にRio500を買ってしばらく使っていたが、プラスティッキーな質感やシャツのポケットに入れるには少々大きい筐体が気になりだし、これもMD共々引き出しの肥やしになっている。安っぽくても小さいのであれば使うし、大きくても所有感がそそられれば持ち歩こうとも思うのだが、どちらも欠けていたのだ。

 そんな中、SONYから新しいネットワーク・ウォークマンが発表された。Web広告を見たとたんに購入を決意し、発売日の会社帰りはSofmapに直行した。前置きが長くなったが、今回はこのネットワーク・ウォークマンNW-E10をご紹介しよう。

 一番印象的なのはそのサイズと軽さだ。100円ライターとほぼ同じで、重さはわずか55g。Rio500との体積比はなんと3分の1だ。これで128MBのメモリーとニッケル水素充電池を内蔵し、連続再生時間は11時間を誇る。ストラップを通せる穴があり、そこに携帯ストラップに良くついている脱落防止のクリップを取り付け、シャツやアウターにぶら下げて聴くのが私流のNW-E10でのリスニングスタイルだ。

 このNW-E10は造形的にも特徴がある。ボディはアルミモノコックで一見特徴が無いように思えるが、ここには日本の伝統技術が生きている。盛り上がりのある形状で簡単には型を引き抜けないため、“圧延深絞技術”という日本独自の技術を使って成形されている。これはヤカン作りの職人芸だそうだ。他には液晶表示部はダイヤモンドコーティングのガラスを用いたり、E10では見る角度によって色が変わるホログラム液晶が使われている。操作部を見てみると、ジョグレバーが特徴的だ。押してPLAY、もう一度押すとSTOP。上にスライドさせてFF、下にスライドでREW。親指一本で確実に操作できる。他のスイッチ共々ボディの側面にあるため、ポケットの中で誤操作することも少ない。ただ、HOLDボタンだけはいただけない。45度ほど回転させてONにするのだが、片手ではとても操作できない。

 NW-E10ではクレードルが採用されている。これに載せるだけで内蔵充電池への充電や、PCへのUSB接続が可能だが、このクレードルにも気合いが入っている。NW-E10を置く部分にはスウェード調素材が張られ、ヘアライン仕上げのアルミパネルが奢られている。難点はフェライトコア付きのゴツイUSBケーブルやACケーブルなどでクレードル周りが乱雑になる点だろうか。ここはPalmのクレードルを見習って、PC側のUSBコネクタ部分からACケーブルを分岐して欲しかった。そうすればもっとすっきりしたはずだ。

 さて、ハードウェア的には大満足のNW-E10だが、添付ソフトウェアの出来は落第点をつけたい。NW-E10で音楽を聴くにはOpenMG形式のファイルを転送する必要があり、添付CD-ROMにはこのファイル形式が扱えるREAL Jukebox for SONYとOpenMG Jukeboxの二種類のソフトウェアが用意されている。(REAL Jukebox for SONYとは、REAL Jukebox BasicのOEM版だ)

 REAL Jukebox for SONYを使った場合、録音形式はMP3やATRAC3が選択できる。MP3のビットレートは96Kbpsまでだ。ATRAC3だと更に高ビットレートが選択できるが、最大の問題点はOpenMG形式のファイルを直接扱えないため、NW-E10に転送する時にOpenMG形式への変換作業が発生する点だ。変換は自動で行われるのだが、変換速度は非常に遅く、別ファイルで保存されるので倍のディスク容量が必要だ。OpenMG Jukeboxを使った場合は、直接OpenMGファイルが扱えるためディスク容量や変換作業の問題は発生しない。ただし、ソフトとしての出来はREAL Jukeboxの方が上だ。エンコード中に再生を行おうものなら音飛びが発生し、作成されたファイルにはノイズが発生する。画面の再描画も遅く、かなり使い勝手は悪い。そしてOpenMGファイル形式での保存となるため、エンコードされたPC以外での再生は不可能となる。

 ソフトとしての出来を取るならREAL Jukebox、NW-E10との連携を重要視するならOpenMG Jukeboxという選択をせまられたわけだが、今回はNW-E10が主役なので、しぶしぶOpenMG Jukeboxを選択した。それにしてもSONYはもっとアプリケーションを洗練させて欲しい。あるいは、REAL Jukebox for SONYでOpenMGファイルを直接扱えるようにして欲しかった。妻のiMacでiTuneを触らせてもらったが、ビジュアライゼーション機能などはAppleらしく、非常に洗練されていた。

100円ライターサイズ

 100円ライターとの比較。見事に同じサイズだ。クリップでシャツにぶら下げて聴いているが、まったく邪魔にならない。

必要最小限の液晶ディスプレイ

 写真ではわかりにくいが、角度によって色の変わるホログラム液晶が採用されている。表示内容は必要最小限で、曲名は表示されない。

誤作動の少ないスイッチ類

 側面の操作部。左からUSB接続時のアクセスランプ、BASSモード、リピートモード、ボリューム、ジョグレバー

使いやすいジョグレバー

 角にあるジョグレバー。親指一本で自由自在に操作できる。

クレードルとの接合部

 クレードルとの接合部。差し込むたびに接点が清掃される構造になっているそうだ。NW-E10を置く部分には、スウェード調素材が張られている。

USBクレードルで充電とチェックイン・アウト

 クレードルに置いた状態。斜めに屹立する。

使いにくいホールドスイッチ

 唯一使いにくい操作スイッチである、HOLDスイッチ。片手ではとても回せない。

内蔵のニッケル水素充電地

 内蔵されているニッケル水素充電池。型番はNH-14WM-Hとなっている。プラスネジでカバーが固定されていて、基本的にはユーザーによる交換は不可。

Rio500との対比

 Rio500との比較。MP3ファイルを直接聴けるのは魅力なのだが…。

最近の携帯品

 最近の携帯品一式。次は携帯電話をもう少し小さく軽くしたいところだ。

2001/11/11

 

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