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システム紹介

ブラウンボックスは、1972年9月に発売される世界初の家庭用テレビゲーム・オデッセィの試作品にあたるマシンです。現存するテレビゲームの中で最も古いもののひとつです。




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プログラミングスイッチ 光線銃&拡張端子 コントローラー
本体の正面には16個のパッチング(配線)スイッチがあり、これを写真のようにカチ、カチカチ・・・とセットすることで、ゲーム内容を指定します。要はゲームセレクトボタンのもっと原始的なものと考えてください。

その組み合わせをいちいち憶えるのは大変なので、このようにON/OFFのガイドラインがついた紙製のカードをあてがって指定してやるわけです。

ブラウンボックスでは13種類のゲームが用意されたそうですが、このイベント(CGE99)ではベア氏の手の中には8種類のカードがありました。
アミューズメントセンターでおなじみのガンシューティングの原点。試作機の時代からすでに実用化されていたことは特筆されるところです。

ガンは左側の拡張端子にセットするわけですが、それにしても、拡張端子を付ける発想自体、おどろくべきことだと思いませんか?


2組のおべんとう箱型コントローラーが付属。本体からは分離したセパレート型です。
画面に光るパドルを、2つのダイヤルで全方向自由にコントロールすることができます。また、パドルでボールをはね返した場合、そのボールが相手に打ち返されるまで、「ひねる」パドルで、ボールを上下に自由に動かすことができます。



ボールを半自動で動かせることは、ブラウンボックスゲームシステムの最大の特徴と言えます。ゲーム種類に無限の広がりを持たせることができる一方で、テニスゲームでは魔球が投げ放題、インチキがし放題という二律背反(にりつはいはん)を生み出すことになりました。


配線だらけのアナログマシン

なんとブラウンボックスには、マイコンはおろか、ICの類すら搭載されていません。木目フィルムで囲ったシャーシ筐体を開けると、中には、まるで血管のような無数のリード線の姿が・・・(右画像をクリックしてください)。
左側は乾電池ですね。右側の黒いものはトランジスタ。抵抗、ダイオードらしき姿も見られます。

テレビゲームを大量に売り出そうと思ったら、少なくとも量産に適した構造をしていなければなりませんが、このままではとても無理ですよね。そこで、製品版・ODYSSEYでは、ブラウンボックスを解析し、10枚の基板に再構築し、量産しやすいような構造に置き換えられています。





HINT de PINT
  • ここに使われた画像は、1999年にラスベガスで行われたClassic Videogame Expo 99における、製作者・Ralph H.Baer氏の基調講演の模様からセレクトしています。
  • 図にはありませんが、コントローラーの右端には、サーブボタンも見えます。
  • なんと、ブラウンボックスはカラー出力です。ただ、その色生成方法は非常に簡易的なものだったので、現在のテレビではその信号を受けつけません。ゲームページのゲームが白黒なのはそのためです。



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