「正確な情勢判断能力」を養い高めることを重視し、その一助なることを願っての発信。自身の発言や文章に加え、ウェッブオリジナルの書き下ろしコラムやが公開されている。発言の多くは、日米関係、日中関係、朝鮮半島情勢、そして有事法制など、人や国の関係、かかわりに関するもの。どこか遠くにあるものとしてではなく、身近な、それだけに切実な問題として国際政治を語ってきたこの発信者らしさといえるだろう。
過去の講義資料からは、丸山眞男を扱った講義の跡がうかがえる。現在に対する発言と行動が注目されることが多い発信者にしては、この講義内容は意外と思われる向きもあろう。しかし忘れてはいけない。丸山眞男は日本政治思想史を本業としつつ、それを背景に時勢に対する発言と行動を続けたことを。丸山眞男の時流に対する諸々の抗弁の背景には、思想史への大きな関心が認められることを。恐らくは発信者もまた丸山眞男に象徴されるものへの関心を背景に持ちつつ、現在、そして過去と未来に対する発言と行動を続けているのではないか。
サイト名に掲げられた「21世紀の日本と国際社会」が「これからの世代にとって希望に満ちたものとなることを願い」という誓いにも似た言葉、そしてこれからの世代の一人であるお孫さんの写真から、発信者の強い思いと願いが伝わってくる。（2002-04-14記、2002-04-21補）
［追記］
有事法制と丸山眞男に関する記述について、公開後、浅井基文さんご本人からのアドバイスにより修正した。浅井さんのご厚意に感謝したい。（2002-04-21記）