比良山系 八渕の滝群を経て神爾谷へ

【日 程】 2002年11月24日(日) 曇り
【ルート】 黒谷---八渕の滝群---オガサカ道分岐---北比良スキー場---北比良峠---神爾谷---北比良ロープウェイ前

紅葉のピークも過ぎ雪山にはまだ早い、そんな晩秋の比良は静かな落ち着きを見せている。
前週までの異常気象による寒波がウソのように暖かく湖西線から見える比良も雪らしきもの
はあまり見えない。
北小松から畑行きのバスに乗り黒谷へ。
登山者は私たち3人のみ。
4年ぶりの八渕ルートである。
9時20分黒谷を出発、川沿いの緩やかな林道を進む。
林道から岩のゴロゴロする谷筋の登山道に入ると、鎖やロープを頼りに慎重な歩きが始まる。
今日の先頭は私、2番目は八渕の滝ルート初めてのMさん、リーダーのTさんは最後。
赤いテープを確認しながら進む。
一つ目のポイントである魚止めの滝をクリアー。
まだ先は長い。難所はこれからだ。

魚止めの滝
急な斜面を木の幹を掴みながら、登る。
2つ目のポイントは障子の滝。八渕の滝の最大の難所である。
ここを通過するのは今回で2度目なのだが、やはり足がすくんで、先頭を行くことができない。
しかも、4年前には掛かっていた木の橋が流されてしまったのかなくなっている。
下をみれば滝から落ちる急流が、そして今から越えようとしてる対岸の岩壁に目をむけると緊張で一歩目の足が踏み出せない。
リーダーTさんのアドバイスで意を決して黄色い杭に足をかける。
後は、もう夢中で滑りやすい一枚岩を杭とちょっとした足場を探りながら谷を超える。
対岸の狭い足場の岸壁を黄色い杭とボルトを掴みながらへつっていく。
あー怖かったぁ。(^^;; ヒヤアセ
無事に渡りきったところでちょっと一息。 障子の滝は写真を撮る余裕なし。残念・・・
難所を越えてほっとしたのも束の間で、今度は、また鎖の急斜面への登り。
3つ目は空戸の渕。
4つ目は大摺鉢の滝
ここは、見事な滝壷のある、ゆったり滝を楽しめるポイントである。
Mさんも緊張で喉がカラカラらしく、休憩。
5つ目の小摺鉢も楽勝。

大摺鉢

貴船ヶ渕は 鎖場の連続

6つ目の屏風ヶ渕を横目に
7つ目が第2の難所である貴船ヶ渕。
滝壷まで一気に鎖を持って下降し、対岸に渡って、鎖場の岩をへつりながら岩を這い上がっていかねばならない。
そしてその先には急勾配の梯子を経て鎖の岸壁。
この様子が、ずっと目の前に見える。
障子ヶ渕をエスケープしてきたのだろうか、今日初めて出会う登山者がこの岩場にとりついている。
様子を見てると余計怖くなりそうだが、先程の障子ヶ渕の難所に比べたら慎重に足を運べば大丈夫であろう。

滝壺へ下降するMさん

先頭をMさんに交代し後に続く私

鎖の岩にとりつくMさん

難所を超えたかなぁ〜
この難所を越えれば、後は大したこともなく七偏返しの滝などを横目に登る。

貴船ヶ渕上層部
11時30分 オガサカ道との分岐。
滝群も終え、水を補給し八雲方面から北比良峠へ向け登ることにする。
緊張の連続で体力を消耗しさらに空き腹での急登は、堪える。
やっとの思いで稜線にでる。パッと開けたところが北比良スキー場だ。
約10分ほどで北比良峠に着。
12時40分 遅い昼食。
空は、相変わらずの曇天だが、よくまぁ〜ここまで降らなかったねと胸を撫で降ろす。
温かい野菜たっぷりのラーメンを作り、いつもならちょっとアルコールなのだが、下りのことを考えると、ここはお預け。
13時45分 雨が降らない内に下山するのがベターであろうと早々に下山にかかる。
下山ルートは昨年登ってきた神爾谷。(昨年の春に歩いた神爾谷ルートへリンク
2度と歩きたくないと思った難コースである。
神爾谷は砂がズルズル落ちる直滑降のルートで、まっすぐに落ちた谷のガレ場には掴まる木の幹などもなく、地面にへばりついている長い長い鎖だけが頼りである。
昨夜に雨でも降ったのか、砂にはちょっと湿り気があり、それがストッパーの役目を果してくれる。
身体全体を斜面につけて、砂と格闘しながら、下っていく。
うっかり滑っても、命にかかわることはないだろうなどと、ちょっと気分に余裕。
やはり行きの八渕を超えてきたからだろうか・・・
下りも大変だが、この谷の登りも本当に大変だったなぁ〜と昨年を振り返りながら進む。
砂地獄も過ぎたが、急な谷筋歩きは、まだまだ続く。
何度も鎖やロープの急斜面に、手も足もフル稼働だ。
釈迦岳との分岐を少し下ると神爾の滝があるが、前回の時に見てきたので今回はパス。
ここから下山口までは、気楽な歩き。
15時30分 北比良ロープウェイ前に下山。
タイミングよく到着したバスに乗り、帰宅。
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