1999年のクラシック音楽鑑賞日記

12月29日
YudinaのBeethoven: Piano Sonata No.32。よく指が回ってるなあと思っていると、急ブレーキ。28番に引き続き、気まぐれで自由奔放。聴いている方は少々振り回され気味になる。第2楽章は、久し振りに聴くのだが、この曲に対して持っていたイメージと少し違っていた。あれ?Polliniのをあとで聴いてみないと。
RostropovichのDvorak: Cello ConcertoとSaint-Saens: Cello Concerto No.1。TESTAMENTから出ているもの。Dvorakはあまり聴いていない曲なので、まあこんなものかという感じだが、もっと弾き倒しているかと思った。Saint-Saensも同じような感想になった。50年代ということで、バリバリ弾き倒しかと思えば、そうでもない。Maの方がよほど弾き倒し系。まがりなりにもステレオなのがうれしい。

12月27日
NHK-FMのTemirkanov/St. Petersburg POを聴く。Wienでのコンサートから。曲は、ロシアの現代音楽家(名前忘れた)の大オーケストラのための交響曲第4番「ミケンランジェロの思い出に」、Prokofiev: Violin Concerto No.1、Tchaikovsky: Symphony No.6。最初の曲は料理を作りながら立ったので、あまり聴けなかった。部分的には聴いていてよいと思った。ProkofievはRepinと。Repinは素晴らしかった。少し細身の音色が鋭さを伴い、切れがある。そんなにヴァイオリンを聴かない私でも、彼が素晴らしくうまいことは分かる。Vengerovより私好みかも。Tchaikovskyはこのコンビらしい演奏。きびきびとしたスピード感と、振幅の大きなダイナミズム。ただ、以前の来日公演の際にも思ったのだが、金管が音を抑えたところで汚くなることが多い。思い切り吹き鳴らさせれば素晴らしいのだが…。第3楽章の疾走感は絶品。また生で聴いてみたい。ところで、この放送、左右のチャンネルが逆になってた。古典配置なので低弦は左、そして金管は全部右というのがこのオケの通常の配置。第1ヴァイオリンがどちらかが分かれば一発で分かることなのだが…。解説していた評論家の人は気付かなかったのか?そんなことでは「日本の音楽評論家はBudapestの聴衆より劣る」なんて言われても文句言えません。
Inbal/Philharmonia OのStravinsky: 春の祭典。実は、この指揮者のCDを聴くのは初めてかも知れない。何となく聴く機会がなかった。演奏はなかなか良かった。細部までコントロールが行き届いており、打楽器で強烈なアクセントをつける。楽器のバランスも絶妙。リズムの処理に少し癖を感じた。
Asahina/NDR SOのShostakovich: Symphony No.5。非常に遅いテンポで重々しく進んでいくが、終楽章コーダへ来てびっくり仰天。何じゃこの銅鑼は!「何で?何で?」と思っているうちに終わった。開いた口がふさがらない。演奏は全体的に遅めながら、緊張感は損なわず、堂々とした感じだが、終楽章冒頭などはこのテンポでは響きの薄さが気になる。ここで緊迫感を持たせるためには、それなりのスピードが必要だと常々思っているところでもある。録音は、モノラルだがなかなかの音質。昨日聴いたTennstedtのいんちきデジタル録音よりよほど聴きやすい。

12月26日
Tennstedt/CSOのMahler 1。第1楽章から非常に粘っこい演奏。第4楽章もやはり終始粘っこい。CSOの金管が結構雑な音がするのが意外。録音のせいもあるのだが、特に弦の音が痩せ気味に聴こえる。打楽器はなかなか叩きまくっていて爽快。それにしても、これでデジタル録音とは!
YudinaのBeethoven: Piano Sonata No.28。なかなか面白い演奏だった。第2楽章は、最初指がうまく回っていないのかと思うほど、拍子が変にぶつ切り。第4楽章はかなりのスピードで始まるので、これはいいぞ、と期待していると、突如スピードダウン。その後も激烈なテンポ変化の嵐で、聴いていて少々疲れた。感情の波なんだろうか。この曲は一気に快速を飛ばした方が格好いいと思うのは私だけ?フーガの処理の仕方は割と好き。どの声部もないがしろにされたり、変に強調されたりしていない。

12月24日
別にクリスマスイヴだからというわけではなく、仲道祐子さんの3枚目のCDを聴く。とりあえず、"Moonlight"と"Waldstein"。"Moonlight"は第1楽章をかなりゆっくりと、一歩ずつ確かめるように進む。第2楽章も決してテンポは速くなく、優しく響かせる。終楽章も遅いかと思えば、そうでもなく、普通に速い。限界ぎりぎりの速さというわけでもないようで、指は安定しているが、おそらく故意に、テンポが揺れる。少々甘ったるい感じもするが、ジャケット写真に免じて許してしまいそう。"Waldstein"もそれほどでもないテンポで柔らかく、優しい演奏。ちなみに、録音はすばらしく良い。我が家のピアノのCDの中でもダントツかも。あと、ジャケット写真はこのCDのものが実物に一番近いと思う。一枚目のものはヘアスタイルがだいぶ変わってしまわれたので、いうまでもなく、二枚目は少々イメージが違う。二枚目のジャケット写真だと、色でイメージすると真っ白もしくは透明という感じだが、実物はもっと暖色系の色の印象を受けた(何とも分かりにくい表現だ)。三枚目のものも全体のイメージは寒色系だが、仲道祐子さんだけとればやや暖色系ともとれないでもない。私のイメージとしては、雰囲気のいい喫茶店のカーテンに使われるような赤色。どうにもならんな。
Kyung Wha ChungのBruch: Violin Concerto No.1。Tennstedt/LPOとの新録の方。全体的にテンポの遅さが気になった。私はこの曲にもっと颯爽とした感じを求めているので、これだけねちっこい演奏ではちょっときつい。そういうことをTennstedtに求めても無い物ねだりかも知れないが。

12月22日
六本木WAVEのセール。11時を少し回ったくらいに着いたが、既に焼け野原。ろくなものがないと言いつつ11枚で8000円ちょっと。殆んど国内版の5割引。さあ、いつ聴くんだ?仲道祐子さんの3枚目のCDも遂に購入してしまった。半額で置いてあるんだもん。

12月21日
Solti/LPO, etc.のBizet: Carmen (Scenes and Arias)を聴く。出だしの轟音はなんだ?かなりのショックを受ける。ちと低音が出すぎてやせんか?組曲とHorowitz編は聴いているので、新鮮味はあまりない。やっぱりオペラは賑やかすぎてどうも苦手。ってMahlerのどんじゃか交響曲ばかり聴いていたこともあるくせによく言うな。

12月14日
一回聴いたくらいでは最終的な判断が下せるほど耳に自信がないので、LicadのRachmaninovをもう一度。やはりだめ。第一楽章再現部のズンドコ節はなんだ?好きな曲ではないが、これではさすがに曲が可哀想に思える。Kapellで聴くと、まだ推進力があり、多少なりともまっとうな曲に聴こえる。

12月13日
Licad, Abbado/CSOのRachmaninov: Piano Concerto No.2。始めに言っておくと、あまり好きな曲ではない。甘ったるすぎて、全部聴くと食傷気味になる。Licadはこれがデビュー盤。最後はなかなか頑張っていたし、全体的にも特に問題はなかったが、そもそもピアノにどれだけのことを期待してよいやら。オケはやや甘めな感じだが、意図的なのか、それとも…。少なくとも、この曲を好きにしてくれるほどの演奏ではなかった。

12月12日
裏ビデオ見まくり。ここに書くくらいだから、当然アダルト・ビデオのたぐいではない。音が多い、音がでかい、テンポが速い。ああ、とんでもない。帰宅後、何を聴いても音が足りない。やば。

12月10日
N響のコンサート。曲目はBeethoven: Piano Concerto No.5, Sibelius: Symphony No.1。指揮はDutoit、ピアノはAndsnes。ピアノはキラキラと綺麗な音がしていて、それなりに良かったのだが、オケが…。Dutoitは極めて窮屈そうだった。彼にはもっと機動力や運動性の求められる曲でないと合わないと思う。オケは綺麗な音がするし、リズムも少々いじってみせたり、アクセントを工夫したりしているのはよく分かるが、どれもこれも曲とすれ違う。Sibeliusでも最初の2楽章は曲が居心地悪そうだった。後半の盛り上がるところではようやく本領の一端が発揮できた感じだが、これだけでは全体のギクシャクした感じを補うのは難しい。絶えず、何かが違うということを意識させられてしまう演奏会になってしまった。

12月8日
LaneのSaint-Saens: Etude集。Op.52-6を聴きながらLibettaを思い出してみたりする。もっと凄い曲に聴こえたなあ。Op.52-3のPreludeやOp.111-6が気に入った。
で、Left-Hand Virtuoso: Sosaのコンサート。前半もThe Firebirdも良かったのだが、Moszkowskiが特に良かった。素晴らしく綺麗に響いた。協賛の日本ベーゼンドルファーがその名にかけて持ち込んだと見られる、素晴らしい音のピアノが特に生きた曲だったように思われる。The Firebirdはオケで聴くよりいいかも。アンコールでは2曲とも右手を使った。右手にだいぶ気を使っているのが私の席からでも分かったが、どうやらまだ完全回復にはいたっていないらしい。ちなみに、サインは右手でしていた。

12月7日
Dohnanyi/The Cleveland OのBruckner: Symphony No.5。以前から凄いことになると評判の演奏。非常にきびきびとした機動力のあるBruckner。独自の路線ではある。それはさておき、アンサンブルが凄いのはさすが。ただ、Szellの頃のようなともすればぎすぎすとした、時折窮屈ささえ感じかねないようなものではなく、もっとしなやか。あまり音のエッジを立てすぎないと言えばいいだろうか。金管はややふっくらとしているが、各楽器間の時間的誤差がきちんと処理されているのが見事。音の出の遅い楽器を少し早めに出させているようである。ややこじんまりとした感じを受けなくもないが、さくさく進むBrucknerというのも面白いかも。

12月6日
Temirkanov/Leningrad POのStravinsky: Petrouchka。1975年の録音。ということで、オケは絶好調。やや骨太な感じがする以外は音自体はMravinskyの音。で、演奏だが、Russian Danceにびっくり。大変な勢い。このあとではSalonenの演奏が遅いように聴こえてしまう。しかし、それ以外は案外普通のテンポを取っているというのが謎。引き締まったいい演奏である。

11月30日
昨夜、Mahler: Sym. No.7を聴いていたら、どうも金管が寸詰まりのように聴こえてきた。どうやらスピーカー・ケーブルの末端の酸化のせいらしい。ということで、帰宅早々にケーブルを剥く、剥く。バイワイヤ接続なので、+-8本づつ、計16回剥いた。1時間がかりのちょっとした大仕事になった。早速音を出してみると、あきれるほど改善された。しかし、2ヶ月に一回はちと面倒。やはり末端処理すべきかな?剥き直して接続した直後は定期的に増し締めして、しっかりケーブルをかませないといけないので、本来の音が出るのはもう少し先かも。スピーカー・ケーブルもそろそろ買い換えようかな。ラインケーブルに比べてやや見劣りがするし。

11月26日
Salonen/Swedish RSOのNielsen: Symphonies Nos.3 & 6。3番の第1楽章はさすがに若々しい溌剌とした演奏。跳ねるようなリズムの中すっきりと綺麗に響く。終楽章はテンポこそ遅いが、ずるずると引き摺るような感じではないので、体感速度はそれほど遅くない。ティンパニが少々うすっぺらな音がするのが少し気にはなる。6番はやはり私には理解不能な曲。2番もよく分からなかった記憶がある。

11月25日
スピーカーの設置方法を少々変更。これまで、スピーカーに付属のスパイクを金属製プレートで受け、その下に手製のブチルゴム・インシュレーターを入れて、18mm厚のMDFボードの上に設置していたものを、プレートとインシュレーターを外して、スパイクを直接ボードに刺すようにした。何となく雰囲気で聴かせていたのが、音がしっかりして実体感が出てきた。低音の量感も増えたように思われる。心配していた高域の濁りもなく、なかなか良い。若干音像が前に出てきた感じになったため、遠近感が前と少し変わった。落ち着くまでもう少しかかるのかも。

11月24日
Szell/ConcergebouwのMozart: Symphony No.41 "Jupiter"。Salzburgでのライヴ。あまり好きになったことのない曲だが、この演奏は好き。特に終楽章。この人のモーツァルトは皆そうなのかも知れないが、全部聴こえる。こんなに情報量のある曲だっけ?と思ってしまう。Concertgebouwも、Erichの"Eroica"でもそうだが、今ではとても出せないような音がする。少しモーツァルトを聴きたいなという気にさせてくれた演奏。
中村のAlkanは実はまだ家で聴いていない。聴くのが怖い。

11月23日
と、下のような印象をはじめて聴いたときに受けたが、どうも冷静に聴くと確かに指がもつれそうになる箇所が頻出する。でも、この勢いはかいたいところ。

11月21日
中村治虫(「おさむ」は手偏に耳が三つ)のAlkan: Concerto for Solo Piano。非常によく弾けている。全く期待していなかっただけに、これはうれしい。特に第1楽章が素晴らしい。第3楽章は少々安全運転という気がするが、Hamelinのような芸当を期待するのはさすがに無理があるか。日本人でこれだけやる人がいたとは驚きの限りである。研究室のパソコンで聴くと音が安っぽいので、早く家で聴きたい。

11月19日
MravinskyのShostakovich: Symphony No.5 (1966 Live)はやはりよい。音質の関係で1984年のものを聴くことが多いが、圧倒的な緊張感と集中力の持続、何よりもオーケストラの抜群の反応の早さは比べ物にならん。こういう演奏を聴くと、「録音がいいといい演奏に聴こえる」なんてのはとんだ勘違いだと改めて思う。
Shostakovich: Music for Organ。殆んどが他人による編曲。最後のPassacaglia from "Lady Macbeth"のみ本人による編曲。他の曲はどれもこれも間抜けと言うか、ペロペロと妙な明るさが鼻につき、演奏が悪いのか、編曲が悪いのか、両方なのか、とにかくこんなものはShostakovichじゃない。最後のPassacagliaは別。深い闇の中へ沈んでいくかのようにひたすら暗い。この作曲家特有の絶望的雰囲気がよく出ている。これは紛れもなくShostakovichである。

11月16日
Arvid Jansons/The Lithuanian RTV Symphony Orchestra, etc.のMozart: Requiem。これは良い。私は感動しました。特にKyrieの女声合唱の透明感が絶品。教会かと思うほど綺麗に響く(実際はMoscow RadioのOrchestra Hall)。こう書くと指揮者とあまり関係のないところで評価してしまっているような気もするが、オケと合唱のバランスの良さは十分評価できると思う。ひょっとしたら息子のMarissよりいい指揮者なのかも。
お父さんものをもう一枚。Erich Kleiber/Concergebouwの"Eroica"。VPOとのものに比べ、やや線が太めで、スケール感がある。第1楽章はこちらの方がきびきびしているかも知れない。緊張感のよく持続した素晴らしい演奏だが、中でも第2楽章が特に良かった。この楽章をあっけらかんとやられるのはどうかと思うが、かと言ってどろどろになってしまうのもどうか。決然とした感じが出ると良い演奏になる気がする。久し振りにこの曲の演奏をあれこれ聴き返してみたくなった。

11月15日
Scherchen/VSOOのMahler 5。お、意外とまともに始まる。まともに進むが、途中でデフォルメの虫が疼き出したのか、突如クチャクチャになる。第2楽章が一番この人らしい?第3、第4楽章と割合まともに進み、終楽章。遅めのテンポで終始あまり乱れずに進む。むしろ、楽器バランスなどで、おっ、と思わせたりとむしろ頭が良さそうにすら聴こえる。Beethovenでのめちゃくちゃなテンポも実はわざとということだし、案外冴えてる人なのかも。

11月12日
石丸電気にてCDのセール。調子に乗って27枚購入。オペラにまで手を出した。いつ聴く?どこに置く?

11月9日
一昨日、白熱灯のスタンドを2つ購入。蛍光灯は音に悪いという結論に達したため。蛍光灯から出る電磁波のせいか、電源ラインに回るノイズのせいか、はたまた視覚的効果は定かではないが、蛍光灯を消すと解像度が結構上がる。ケーブルを換えたくらいの効果がある。白熱灯の光の中というのは雰囲気的にも音楽を聴くのに良い。

11月5日
研究室関連の買い物で秋葉原へ行ったついでに、オーディオ屋さんによった。顔を覚えられていた。30万のスピーカーやアンプをぽんぽん買ってるので、すっかりお得意様なのかも知れない。コントロール・アンプを試聴。今気になっているのが、Pass-LabのX2。これをAccuphase P-265と聴き比べてみた。CDは持っていなかったので、お店のもので。X2だとだいぶ賑やかになる感じ。中高域から上が少しうるさいように思えた。普段聴いているCDではないので、まだ暫定的な判断だが、あまり私の好みではないような気がした。パワー・アンプもPass-Lab X-150にしてみたところ、キレが出てきて、これはこれで良いと思った。今度はちゃんと試聴用のCDを持って行こう。って、それだと買う羽目になるんじゃなかろうか?

11月4日
Rodzinski/NYP, RubinsteinのTchaikovsky: Piano Concerto No.1。演奏は何かに追い掛けられているような焦燥感を伴う、妙な緊張感がある。で、演奏はともかく、大変なのが拍手。第1楽章が終わると拍手喝采。もう曲は終わってしまったのかと思うほど。さらに大変なのが、第3楽章の後の拍手がどうも後からくっつけたものであるようであること。少なくとも、第1楽章後の拍手とは明らかに異質。大丈夫か、このCD?

10月31日
超絶イタリアン、Libettaのコンサート。前半はマイナーなイタリアもの中心。正直なところ、やや退屈。後半はChopin=GodowskiとRavel=Libetta: La Valse。Godowskiもよく弾けていると思ったが、La Valseが大変だった。最初はどうということはないのだが、最後が凄かった。得意技連発。しかも超高速。アンコールにAlkanの20代をやったが、これまた超高速。しかし、大阪でやったときはもっと良かったらしい。Liszt: Rigoletto ParaphraseやSaint-Saens: Waltz Etudeも前日のタワレコでの演奏とはまるで違った。昨日は手を抜いていたのに違いない。しかし、よくこんなピアニストを見付けてくるものだ。

10月25日
家でSolti/CSOの来日公演のビデオを探していたら、偶然にGilelsのBeethoven: Piano Sonata No.28の入ったビデオを発見。こんなものがあったとは。きっと、録画したときはまだこの曲を聴いていなかったのだろう。で、演奏は実に彼らしい。しっかりしたタッチで、一つ一つの音をしっかり大事に弾いていく。そのため、私がこの曲に求める疾走感はやや薄れるが、その分構築感は抜群。真面目な良い演奏です。緩徐楽章もしっとりと聴かせる。

10月24日
ついに来た。Saint-Saens: Piano Concerto No.2の終楽章5分57秒。その名はCecile Licad。って誰?とにかく、よく弾けておられる。研究室のミニスピーカーで聴いているとダイナミックレンジがさっぱりな気がしたが、家のを基準にしていた私の間違い。バックのオケは、Previn先生の薫陶か、メロメロ。はっきり言ってゴミオケ。さあ、l記録はどこまで伸びるのか?!一緒に入っていたMaのCello Concerto No.1もよく弾けている。Cho-Liang LingのViolin Concerto No.3は弾けてはいるが音が野太すぎて、私の好みではない。

10月13日
DuchableのSaint-Saens: Piano Concerto No.2は終楽章6分27秒。Gilelsの6分08秒に及ばす。期待していたのに、残念無念。一緒に入っていた、AmoyalのViolin Concerto No.3がさらっとしていて、「はて、こんなもんだったっけ?」と思い、久しぶりにChungの演奏を聴く。ああ、やはり違った。気合いというか気迫というか、迫り来るものがある。曲のスケールが格段に違うようにすら思える。熱気を含む緊張感がすごい。この演奏を買った当時、ここまでの感受性が自分にはあっただろうか、と考えるとちとお寒い。

10月5日
Gilels, KondrashinのSaint-Saens:ピアノ協奏曲第2番を購入。オール・ロシア陣営によるフランスもの、さて結果は?もちろんエスプリのエの字も感じられない。重戦車のごとく重心が低く重厚。第1楽章こそ出だしがぶつ切りの感があったが、後はひたすら力で押す。ちなみに、終楽章はTESTAMENT盤の方が速い。
St. Petersburg State Philharmonic Academy Symphony Orchestra named after Dmitri Shostakovichのコンサート。要するに、旧Leningrad PO。曲目は、Wagner: Lohengrin Prelude to Act3、Schumann: Piano Concerto、Mahler: Symphony No.1。指揮はTemirkanov、ピアノはVirsaladze、ホールはオペラシティのコンサートホール。Lohengrinでオケの状態が良好なことが判明。ラッパ吹きまくりの部分の出来が良かった。Schumannはややミスがあったが、トータルでは可も不可もなく。オケは立派。で、Mahler。左側、前から10列目という席から、2階席へ移動して聴く。こちらの席の方がVn、特に1stがなめらかに聴こえる。まずは弦楽器の編成。1st Vn: 20, 2nd Vn: 18, Va: 14, Vc: 12, Cb:10。1st Vnが20人って…。そう、金管との音量レベルを合わせるために違いない。で、実際に大変なことになった。移動していなかったら、耳が壊れていたかも知れないほどのパワー。しかし、第1楽章の何か巨大なものが眠りから覚めるような開始など、ただの爆裂大馬鹿演奏ではないのがミソ。オケは非常にまとまっており、木管以外は音も良かった。この編成では、やはりどうしても終楽章が聞き物になってしまうが、期待に違わず素晴らしい演奏。顔を真っ赤にして、肩を入れて叩きまくるティンパニなど思わず吹き出しそうになってしまったりもしたが、ダイナミックレンジはけた違いに広く、決めるところはビシッと決めていて爽快。Temirkanovは、写真でみるよりすらっとしていて、Mravinskyと印象がだぶってしまった。指揮ぶりも近いものがあるように感じられないでもなかった。Temirkanovの方が圧倒的によく動くが…。ちょっと注目したい指揮者である。

10月4日
新パワー・アンプはなかなか好調。思った通り、低音がはっきりと出て、しかもぶわつかない。高音もきれいに伸びる。定位もだいぶ改善。ここぞというときの力強さと、弱音の繊細さが素晴らしい。奥行き感も良好。解像度も良し。さしあたって文句はない。

9月30日
The Baroque BandとL'Archibudelliのコンサート。当然、古楽器。期待のBylsmaは全く駄目、お話にならない。お世辞にも綺麗な演奏ではなかった。一方で、期待もしていなかったBeths(ヴァイオリン)は良かった。弓を上げるときにたまにかすれ気味になるのが気になったが、全体的に音は綺麗。この人は立ち姿が格好良かった。ついでに、初めてハイヒールを格好良いと思った。OLが履いて街中を歩いていても格好良いどころか綺麗だとも思わなかったのだが、あれだけ立ち姿が格好良いと、ハイヒールも映えるというもの。でも、歩いていると不格好に見えたので、やっぱり基本的に私はハイヒールが好きではないらしい。ちなみに、曲目はMozart: "Le Nozze di Figaro" Ouverture / Sinfonia concertante fur Violine, Viola and Orchestra / Haydn: Cello Concerto No.2 / Beethoven: Triple Concertoでした。Sinfonia concertanteのソロを男女でやると、何だかなぁという気分になるのは私だけ?

9月28日
パワー・アンプを購入。AccuphaseのP-450。LuxmanのM-7iと比較試聴の上、決定。M-7iはやや派手すぎるきらいがあって、私の好みとは少し違った。奥行き感とティンパニの気持ちのいい決まり方でP-450に軍配。明後日配達の予定。う〜ん、楽しみ。

9月22日
Fedseev/VSOのBerlioz: Symphonie fantastiqueをラジオで聴く。「春祭」ばりの爆裂演奏を期待していたが、随分と大人しくて拍子抜け。でも、打楽器の叩かせ方はやっぱり結構凄いのかも。この曲もあまりまともな演奏で聴いてないからなぁ。

9月21日
Solti/CSOのStravinsky: The Rite of Spring, Petrushka。AMSIというリマスターもの。「春祭」の方はリマスター前のものも持っているため、音の違いに注目。まずは解像度だが、全体的に上がっている。で、気になる音場は、左右の展開を押さえ、やや奥へ引っ込めた感じで、残響はかなり多め。意図するところはよく分かったが、良いと思うかどうかは個人差があると思う。某雑誌によると、小型スピーカーでの再生を前提としているという話もある。私はこういう、各楽器の動きがつかみにくくなる方法はあまり好きではない。かと言って、BoulezのMahlerの1番のようなあまりにもいんちき臭いリアル感でお届けされるのも困るが…。Petrushkaの方は独特のリズム感が気にはなるが、オケがいたって優秀で、良い演奏。ただ、「春祭」が2トラックにしか別れていないとか、Petrushkaが幕ごとにしか区切られていないのはどうか。

8月24日
Solti/CSOのHungarian ConnectionsというCDを購入。要するにお国もの。とりあえず出だしの2曲が大変。Liszt: Mephisto Waltz No.1 & Hungarian Rhapsody No.2。この2曲をオケで大まじめにやって、しかもオケが巧いとどうなるか。笑ってしまう。なんだかとってもしょうもない。Kodalyなどの方はまだ救いがあった。
先日放映されたMatsuev(スペル怪しい)の映像をようやくみることができた。よく指の動く人で、それに感動したのは勿論だが、この人は実によく動く。顔も動く。表情も動く(?)。自分の演奏に酔いしれたりするのは勿論、そっぽを向いたり、カメラ目線になったりするからさあ大変。しかも結構テクニカルなところでそっぽを向いたりする。見てるこっちは変なところ押しやしないかハラハラどきどき。とりあえず、Prokofievのソナタ第7番の終楽章が3分5秒というのは驚愕に値する。ぜひ頑張ってほしいピアニストだ。

8月18日
部屋が左右非対称な為か、どうも右側、すなわちチェロなどがうまく広がらない。そこで、厚めの座布団を右スピーカーの後ろのコーナーに置いてみる。なかなか良い感じになる。そこで、抱き枕を買ってきて、座布団の代わりに立てかけてみる。高さも丁度いい。これが結構効果があるので驚いてしまう。右側も綺麗に音場が展開するようになった。ルーム・アコースティックの重要性を痛感。でも、部屋の形状上どう置いても左右対称にはならず、またその他諸々の事情ゆえに配置を変えるわけにはいかないので、こういったチューニングが重要になってくる。「パワーストリップ」で壁にオーガンジーを張り付けたりしてみたら良いかも。

8月7日
Great Pianistsから、Gieseking。Beethovenの"Appasionata"。第3楽章は以前聴いて速いのは知っていたが、6分55秒とは…。それ以上に、第1楽章に感動。音の粒が綺麗でいながらハイスピード。良いピアニストです。Debussyも聴かねば。

8月1日
一昨日、院試前の買いおさめと称して9枚購入。その中から。GilelsのSaint-Saens: ピアノ協奏曲第2番。以前、先輩に聴かされて、いつか買おうと思っていた1枚。因縁のある曲。Great Pianistsのシリーズから、Gilels III。Chopin: ピアノ・ソナタ第2、3番など。Chopinを驚異的に聴かない私が、ほぼ唯一進んで聴きたいと思うのが第3番。でも、我が家に初めて入る曲。1978年の録音ということもあって、かなり落ち着いている。第4楽章は、出だしの気合いの入り方からしても、もう少し暴れて欲しい気もする。しかし、しっかり制御が行き届いているのがこの人の良いところ。Saint-Saensの2番といい、Chopinの3番、LisztのRhapsodie espagnole、Ballade No.2…影響は甚大にして深刻である(謎)。Fedoseevの「はるさい」。暴力的と言うよりはもはや狂暴。「生け贄の踊り」はもはや人知を越えた、爆発的な音の塊が襲ってくる。さすがロシア。しかし、これ一曲しか入っていないというのはどうか。

7月22日
再び、先日買ったCDから。Horowitz at the Met。曲目はScarlatti: 6 Sonatas、Chopin: Ballade No.4, Waltz "L'adieu"、Liszt: Ballade No.2、Rachmaninov: Prelude in G minor。目的はLiszt。以前購入したGreat Pianistsにも入っているのだが、このHigh Performanceシリーズのリマスターでどれだけ音が良くなっているか。結果は実に素晴らしい。解像度、特に低音の解像度がかなり良い。ごっちゃになっていたのがより鮮明になっている(音の塊をばらしたのではなく、不透明さの解消である点に注意)。高音も輝かしい。全体的に、かなり生々しく、パースペクティブも良い。低音から高音へ駆け上がるところなど、弦が次々と移っていく様子が見えるよう。このシリーズで、是非Rachmaninovの2番もリマスターして欲しい。

7月19日
先日買ったCDから。GilelsのLiszt: Rhapsodie espagnole, Hungarian Rhapsody No.15, Sonata。Rhapsodie espagnoleはMelodiyaのものと同音源。Rhapsody No.15はこれしかCDは出ていないはず。曲の途中で拍手しそうになった客に周りから「しーっ!」という笑える一幕。演奏自体は良く弾けてると思う。Sonataは指の怪しい場面が頻出。この曲、よく弾いている割にはあまり得意ではないようだ。お次はVengerov, Barenboim/CSOのSibelius:ヴァイオリン協奏曲。重々しく暑苦しい。たしかにVengerovはよく弾けている。しかし、このねちっこい歌い回しにBarenboimの重苦しい伴奏は何?森と湖の国は何処?どこかで大いなる勘違いが生じている気がする。

7月13日
久しぶりに部室へ行く。新しいスピーカーと初対面。DiatoneのDS-1000ZX。古いスピーカーとは比較にならん。高音に少し癖があり、ややきつい感じがする。そのため、女性ソプラノのどぎつい絶唱は思いっ切り伸びるが、ボーイソプラノはそうでもない。低音はややもたつき気味。下の方への伸びもそんなにある方ではない。ピアノは高音が細身の音になる。スケール感よりも、歯切れの良さが先に立つ。音場感よりも解像度、メリハリを重視しているスピーカーのようで、うちのとはちょうど正反対。

7月2日
朝、BSをつけたらBoulez/VPOのBruckner: Sym.8をやっていた。第4楽章の後半から聴く。どうもこの人は好きになれない。金管の音の出が、ソフトと言えば聞こえは良いが、要するにたるみっぱなし。コーダのみょうちきりんなリズムといい、ろくでもない。オケがうまいかどうかとか、まとまっているかどうかとかいう以前の問題。その後には何とSolti大先生登場。とても一年後に死ぬ人とは思えぬほどよく動く。曲はBrucknerの2番。オケが自分の棒と同時にピタッと止まったところでにこっとしてみたり、金管が変な音を出すと顔をしかめたりと表情豊か。その前のBoulezが極度の仏頂面なだけにひどく対照的。第4楽章の出だしは、第1ヴァイオリンを左手でしきりに指差し、「おまえらしっかり揃えんかい!」といったところか。やはりオンタイムで演奏するのはこのオケにはしんどいのか、特に金管が苦しそうだった。

7月1日
Decca Legendsはよい。Mahler: Sym.8 (by Solti/CSO, etc.)を聴いての評価。輸入盤(リマスター済み)も持っているのだが、それとは比較にならんほど音が良い。金管の音の出方にはもう涙が出そう。鐘も素晴らしく綺麗に響き渡る。勿論合唱も臨場感たっぷりに展開される。RCAのHPシリーズといい、96kHz・24bitリマスターの威力は凄い。6番とかも是非出し直してくれ。こんな金管の音はデジタル録音でもなかなか聴けないと思う。

6月25日
スピーカーも、1ヶ月鳴らし込んでいると、だいぶエージングが進む。非常に空間感を豊かに再現してくれる。音もスムーズ。いいねぇ。

6月16日
バイワイヤ接続後、音の調整を一からやり直す。結局アッテネーターの位置は、ツィーター、スコーカーともに0の位置に落ち着く。

6月11日
N響の日。指揮は大植英次。最初はこじばという日本人の「広島レクイエム」。原爆が炸裂し、煌めく閃光、轟く轟音、全てをなぎ倒す暴風の中に身を浸す音楽だと思っていたのだが、どうも違った。いわゆるレクイエム。演奏はなかなか綺麗でよかった。2曲目はBeethoven:ピアノ協奏曲第4番。ピアノはMoravec。ピアノが綺麗でよかった。テンポはやや遅めだが、さほど違和感のある遅さではなかった。最後はBrahms:交響曲第1番。第1楽章はとても聴けたものではなかった。ホルンの下手くそぶりは人知を越えていた。こんな下手くそなホルンは久しぶりに聴いた。3、4番ホルンは最低。素人以下。まともに吹けているところの方が少なかったのではないか。これでは、どんなにほかのセクションが頑張っても台無し。終楽章では、多少改善され、順調に曲を進めていたが、コーダで目を剥く急加速。それまで築いてきたものを完全に叩き壊した。もうぐちゃぐちゃ。安っぽさ大爆発。これで「ブラヴォー」と叫べる奴がいるのがすごい。その中の2人ほどが身内だったというのもすごいが…。前半だけ聴けばよかった。

6月9日
スピーカーをバイワイア接続にしてみる。アンプのA+B端子を利用。ところが、高音が全く出なくなる。周波数レンジでも、上が15kHzまで。それ以上に音量バランスが悪すぎ。耐えきれんので、元に戻す。おそらく、インピーダンスが下がりすぎたのだと思われる。A+B接続だと、直列でつながるらしい。それなら並列に接続すれば良いのだろうが、アンプの端子が小さくてケーブル2本は無理。でも、ケーブルがもったいないので、圧着端子か何かを介して接続してみるといいかも。明日、端子を買いに再び秋葉原orお茶の水行き決定。

6月6日
池袋で45cmX45cmX12mmのベニヤ板3枚を購入し、自転車で輸送。フラフラしまくった。オーディオ・ラックのキャスターを外して直置きにし、CDプレーヤーとアンプの下にベニヤ板を敷く。どちらの影響が大きいかは不明だが、全体的に音の分離が良くなった。低音のこもりの解消が大きい。

6月1日
Rachmaninovの自作自演のピアノ協奏曲第2、3番を聴く。NAXOSのリマスター盤。音はやはり良くない。やっとこさ聴こえてくる。演奏云々を言うには、あまりにもこの曲を聴いていなさ過ぎるので、ノーコメント。スピーカーにスパイクをつけたら、予想通り、下の板に穴が開いた。やはり受け皿を買わねば…。

5月27日
スピーカー到着。部屋が2階なので、運ぶだけで一苦労。で、箱をあけ、配線。スパイクは受け皿がないので、とりあえずは使わない。カーペットの上に厚さ18mmのMDFボードを敷き、その上にブチルゴム・インシュレータで3点支持で置く。早速音を出す。まずはAlkan: Le festin d'Esope (Hamelin)。ピアノに対する感受性があまり鋭くないので、まあこんなもんだろうか。続いてMahlerの8番。オケから合唱、独唱と一通り入っているので、いろんなものを一度にチェックできる。どうも、よろしくない。ツィーターとスコーカーにはアッテネーターがついているので、少しいじってみる。その後、昼御飯を食べたりして、細かい調整は後回し。夜にまた調整を行う。まず、音像がどうもはっきりしないので、少し内側へ振る。音場感を崩さない程度にするのがポイントか。色々なCDを聴きながら、アッテネータの更なる微調整。とりあえず、ツィーター:-0.5、スコーカー:+3.0で落ち着く。考えてみれば、昼の段階では開けたばかりで、いい音がするわけない。エージング以前に、スピーカーが温まっていない。調整の結果としては、高音が澄み切り、伸びが良く、低音は下の方までしっかりと伸びている。解像度も高いが、それ以上に空間が良い。前後、左右の空間的広がりが感じられる。ただ、狭い部屋にこんなでかいスピーカーが佇立している様はちと異様。高さがあるので、椅子の高さを少し上げてやらないと、高音が上から振ってくる。かなりの期間、このスピーカーと付き合うことになるだろうから、じっくりと鳴らし込んでいこう。

5月26日
スピーカーを購入。InfinityのKappa 8.2iというもの。明日届く。でかいので、置くのが大変だが、それ以上に今あるスピーカーをどうするかが大問題。誰か、引き取ってくれないかな?

5月25日
先日、電話で話していたら(後ろで聞こえる音を指して)、「それ、野球?」と聞かれた。そのとき、我が家では控え目にMahlerの8番が鳴っていた…。さすがMahler。

5月20日
昨日でようやくShostakovichの交響曲第5番を16種類聴き比べる企画が終了。あとはインチキ臭くまとめるだけ。結局1ヶ月くらいかかってしまった。Rodzinskiのなどは、久し振りに聴くと面白かった。

5月18日
CDを購入。J.S. Bach:「マタイ受難曲」とMozart: Requiem。「マタイ」はSolti/CSO。RequiemはVPO。受難と言われても、ゲルが固まらなかったり、お湯が沸かなかったり、電気泳動するだけで3日もかかったりと受難だらけの聞き手にゃ大事には思えない。RequiemはMusikvereinでないので、VPOでもまだ聴ける方。キリエが好き。

5月14日
昨日はN響を聴きに行った。曲目は、Beethoven:交響曲第4番、Britten: Spring Symphony。指揮はAndre Previn。悪い意味で期待通り。緊張感を欠くことではもはや人知を越えていた。特に、Beethovenの第3楽章まではもう話にもならなかった。楽器間のバランスはぐっちゃぐちゃ。金管も悪い頃のN響の、特に悪い頃のようにひどかった。第2楽章の第2ヴァイオリンは、もう喧嘩を売っているとしか思えない。Brittenの方は、明らかに合唱を増強していると思われる。本来なら半分で十分だろう。もちろん、合唱が絶唱の限りを尽くしたりしようものならオケの音なぞ微塵も聴こえない。弦は聴こえていた部分の方が少なかっただろう。演奏終了後、拍手が鳴りやまんとするときに再びPrevinが出てきたときは我が目を疑った。そんなに満足の行く演奏をしたつもりなのだろうか。何様。何度も「ブラヴォー」と叫んでいる人がいたが、ただのPrevin信者か、合唱に彼女でもいたか、でなけりゃ子供が少年合唱で歌っていただけに違いない。久しぶりの大外れ。

5月11日
五月祭用原稿のため、Shostakovichの5番を聴きまくり中。もう12枚聴いた。いい加減つらい。あと4枚、頑張るべし。

4月30日
最近入手したCD。Solti/VPOのBeethoven:交響曲第5番とShostakovich:交響曲第9番。買わねばと思いつつもおけがVPOであることを理由になかなか買えずにいたもの。オケのそろわなさは予想通り。BeethovenはCSO盤と異なり、かなりのりのりの演奏。Shostakovichの方は、直球勝負。変化球、それもスロー・ボールの得意なVPOにはきつい。第3楽章では弦の悲鳴が聴こえる。Solti/CSOのBartok:オケコン&弦チェレ。オケコンは金管のパワーにただただ圧倒。やっぱり、このオケは大変。弦チェレは、この曲が打楽器のための曲でもあることを十分に示している。バカスカ鳴るパーカッションがすごい。

4月23日
一昨日の都響のコンサートは良かった。曲は、ホワエルデューって人の白衣の貴婦人序曲と、Ibert:フルート協奏曲、Brahms:交響曲第2番。指揮はFourne。最初の2曲は初めて聴く。曲はともかく、オケの状態が非常に良いことは、サントリーホールのP席からでも分かった。Brahmsは2階席の最前列で聴く。オケを聴いて久々に感動。何と言っても弦がいい。ヴァイオリンは高音が非常に綺麗に伸びており、チェロは朗々と鳴り、そしてコントラ・バスが良かった。量感があるのにも関わらず、非常に歯切れが良く、締まりがあり、弾力感に満ちていた。早い話が、私好みの弦であった。ヴィオラは配置の関係で、よく分からなかった。金管は、4楽章までかなり苦心しているのが分かった。何とかオケから飛び出さないように、少々ビクビクしながら音を出していた。このオケの金管は大音量で鳴らしてはじめて真価が出ると思うので(少なくとも以前マーラーを聴いたときはそうだった)、この曲は合わなかったのかも知れない。もっとも、最後はここぞとばかりに圧倒してくれたが。難点を挙げるなら、第2楽章の後半で、金管がやや強すぎ、弦が掻き消されてしまったことか。ここは弦、特に第一ヴァイオリンを強調してやると非常に悪魔的になるのだが…って、そういう曲か?そういえば、協奏曲を吹いてた独奏の人がアンコールをやったとき、「ブラボー」ってP席で(!)言ってる奴がいた。こんな席で、一体何を聴いたつもりになってるんだろう?指の回り具合いに感動したとか言うのであればともかく、このフルーティストはそういう感じではなかったし…。あんな席では濁った音しか聴こえんよ。後ろから言われて、フルーティストもびっくりしただろう。ちゃんちゃらおかしい話だ。いくら天下の名ホールとはいえ、前と後ろでは全く音が違うのだ。もちろん、値段も。

4月19日
久しぶりの更新。でも、ホームページの登録方法がわからないので、これはしばらく日の目をみない。Rzewskiのコンサートへ行った。The Road part5はなかなか大変な曲だった。いきなり蓋をバターンと閉めてみたり、直後にガーンと開けてみたり、ピアノの両へりを両手の平でビタビタビタと叩いてみたり、蓋を叩いてみたり、ピアノの下を叩いたり引っ掻いたりしてみたり、足踏みしてみたり…。そういえば、"You are stupid!"とか叫んだりもしてたなあ。そりゃ、曲が終わってから調律師も出てくるさ。The People United Will Never be Defeated!の方は自分の書いた楽譜なのに楽譜と違うことをやってみせるなど、うさんくさい感じがしないでもなかったが、いい親父風なので許す。
最近買ったCD: BarereのLiszt。Rhapsodie espagnoleがお気に入り。ぶち切れ具合いが何とも。Great Pianistsのシリーズから、Horowitz II。Hungarian Rhapsody No.6とSonataがいい。RachmaninovのSonata No.2に、初めて彼のきらめくようなタッチを感じた。最近、ピアノのCDが増えてきたなあ。

3月9日
Russian Discから出ているMravinskyのTchaikovsky:胡桃割り人形、交響曲第5番を聴く。胡桃割り人形は恐ろしく切れ味がある。って、そういう曲か?5番の方は、どうも時々左右のバランスがおかしくなる気がする。この辺はもう一度チェックしておきたい。

3月8日
1週間ほど実家へ戻ったら、オーディオ環境の悪さに火を吹きそうだった。前使っていたCDプレーヤーにヘッドフォンをつないでいるのだが、てんで話にならん。東京に戻ってきて、音の良さに感動。もう後には戻れない?
RUSSIA REVELATIONがつぶれたらしい。慌ててShostakovichの自作自演を買い漁る。やれやれ。

2月19日
昨日、試験が終わった勢いでCDを買い漁る。HamelinのAlkan:大ソナタ「4つの時代」、「イソップの饗宴」やHoughのLiszt、SoltiのShostakovich:交響曲第15番、MravinskyのTchaikovsky:交響曲第4、5、6番(1960年)。HoughのLisztはスペイン狂詩曲がお目当て。Mahlerの交響曲第3番の第3楽章と同じ民謡による旋律が使われているらしいが、特定できず。だいたい、Mahlerの3番の第3楽章なんてろくに覚えてない。Tchaikovskyは4番を聴いた。録音のせいか、弦が左右に別れすぎていて、中央の音像が薄い。ステレオ初期ではこういう録音が多かったとか。これが気になって、演奏はあまり集中して聴けなかった。ただ、「こんな音してたっけ?」という個所が結構あった。フィナーレは大変。この後、Shostakovichの15番を聴くと、弦は綺麗に展開される。演奏は非常にまとまりが良いのだが、曲に対する情熱や共感はあまり感じられない。これはこの曲に限らず、彼の他のShostakovichの曲の演奏でも言えると思う。あまり向いてないのかも。
CDを買って、さらにMDFボードなるものも2枚購入。店にある板で一番厚みがあった。で、こいつをスピーカーの下に敷いてやる。なかなか良い。音の分離が良くなり、ヴァイオリンの高音が綺麗にのびる。買ってきたCDを中心に聴いているので、早くリファレンス・ディスクでチェックしたい。

2月15日
スピーカーの角度を30°位にしてみた。低音がボンボンいいだしてたまらなくなったので、元に戻す。オーディオ・ラックの扉の影響もだが、横の壁との角度も関係しているのだろう。夜中になって、左右のスピーカーの配置条件を同じにしたくて、部屋の模様替えを考えるも、そもそも部屋自体が左右非対称なため、どう置いても音が今より良くなるとも思えず、まして使い勝手は今より確実に悪くなる。で、断念。難しいのお。反射板でも買おうか?

2月12日
オーディオの話。スピーカーの配置を少し変更。以前よりさらに内側へ向ける。20°位だったのが23°くらいに。奥行き感が増した。中央の音像の厚みも増した。もっと内側へ向けても良いのかも。思い切って30°位にしてみようか。でも、あまり内側へ向けると、間のオーディオ・ラックのガラス扉との反射で低音が増強され過ぎる気がする。

2月8日
昨夜、教育TVでAbbado/BPOのMahler:交響曲第3番をやっていた。第1楽章だけを電話しながら聴く。オケはさすがに上手いのだが、演奏は・・・。行進曲のところが遅いのはもとより、コーダの遅さは人知を越えていた。堂々とした感じではなく、完全に間が抜けて聴こえる。あれはみっともない。途中でティンパニをワンカットさっと入れるのは格好良かった。電話のこっちと向こうで「おお〜!」と叫ぶ。へんなききかたしてるなあ。

2月5日
最近、Medtner: Sonata Reminiscenzaにはまりまくり。Hamelinも勿論良いのだが、私はGilelsの演奏が好き。Hamelinはあまりに綺麗に弾け過ぎてる(変な日本語)気がして、もう一つ訴えかけるようなものが欲しい。Gilelsのはドラマ性があり、心乱される。この狂おしい感覚が何とも・・・。

2月3日
先日のHamelinのコンサートの後、銀座山野楽器にてMedtnerの自作自演+「熱情」とSolti/Bavarian RSOのMozart:交響曲第40番、Bartok:オケコン、Tchaikovsky:「悲愴」のCDを入手。MedtnerはMarch of PaladinsとDanza Festivaが良かった。「熱情」は爆裂系の演奏が良いと思っている私にはもう一つ。モーツァルトは、おそらくもっとも低弦のゴリゴリいっている演奏。フル・オーケストラをSoltiが振ってMozartをやるとこうなる。オケコンはまだあまり聴いていないのでパス。「悲愴」は勢いがあって良い。ただ、弦のアンサンブルが甘くなりがちなのはいた仕方のないところか。第3楽章では打楽器炸裂。ちなみにSoltiはDeccaではなくFirst Classicsとかいうレーベル。おそらく海賊版。彼の海賊版って珍しい気がする。

1月31日
Hamelin2日目。曲目はHaydn:ソナタ第52番、Godowski:Chopinの「黒鍵」による7つの練習曲、Rzewsky:「不屈の民」変奏曲。まず、Haydnはまあまあ。Godowskiは目の前でやられると凄い。インチキ臭い技巧のオンパレード。よくやる。Rzewskyは予想を遥かに越えた名演。物凄い勢いで弾き倒した。カンデンツァも凄かったが、実は端折っていたとか。紀尾井のピアノなんか壊してかまわないから、全部やってくれりゃ良かったのに。

1月27日
Hamelinライヴの日。曲目はMozart:短調の方のロンド、Alkan:大ソナタ「4つの時代」、Medtner: Sonata Romantica、Rachmaninov: Sonata No.2 (ver. 1931)。曲目、ピアニストの調子ともに前半はもう一つ。盛り上がったのは後半。Medtnerは一番楽しみな曲だったが、期待を裏切らない見事な演奏。第1楽章から実に綺麗。第2楽章の心乱されるような激しさも良かった。楽譜を見ながらだったが、逆に楽譜を見ながら弾く方がかえって大変な気もした。Rachmaninovは、それまでこの曲に対して持っていたイメージを覆す爆演。但し、羽目を外してグチャグチャになるのではなく、弾き倒しながらもバランスを完全に保っているのがHamelinの凄いところ。アンコールでは、曲名を間違えたりするハプニング(?)もあったが、選曲、演奏ともに良かった。

1月19日
Pragaから出ている、Mravinsky/Leningrad POのBeethoven:交響曲第4番とProkofiev:交響曲第6番のCDを購入。どちらもプラハでのライヴで、Beethovenは1955年、Prokofievは1967年の録音。Beethovenはモノラルだが、音は良い。演奏はかなり気合いが入っており、若さ故の勢いを感じる。Prokofievはおそらく唯一のステレオ録音。演奏も録音も良い。

1月9日
日頃お世話になっている、サークルの部室のオーディオのケーブルを交換し、端子のクリーニングとオーディオケーブルの末端処理をやり直した。ケーブルは、以前まで使っていたAudio TechnicaのTITANシリーズの0.7mのもの。1.3mのものは家でビデオ用に使うことにした。約1年間手入れをしていなかったので、大分汚れていた。クリーニングのしがいがあるというもの。大分音の鮮度感が増したと思う。今後ももう少しお世話になります。

1月8日
今年始めの日記。見てくださってる方、もしいらっしゃいましたら、今年もよろしくお願いします。たまに更新していきますので。
先日、またケーブルを買った。SAECのSL-1990というケーブル。長さが0.7mなので、プリ・パワーアンプ間では少し短い。そこで、CDプレーヤー・プリアンプ間に使っていたMonster CableのM1000i(1m)をプリ・パワーアンプ間にし、SAECをプレーヤー・プリアンプ間にすることで問題は解決。M1000iがやや艶のある音がするのでSAECのストレートな音で上手くバランスがとれている。解像度は大幅にアップ。金管の強奏の吹き始めの音の出方がたまらない。バッと空気を吹き込む様子まで分かるほど。弦も実に綺麗に展開され、音場の見通しが良い。うん、いい感じ。
最近買ったCDについて。1978年Wien芸術週間におけるMravinsky/Leningrad POのShostakovich:交響曲第5番をついに入手。廃盤でなかなか落ちてなかったのだが、渋谷のタワレコに何故か落ちていた。この78年Wienの録音はどれも音が悪いが、これも例外に非ず。演奏はなかなか。あと、OgdonのAlkan: Concerto for Solo Piano, etc.を入手。某先輩曰く、「狂奔し、破綻の限りを尽くす」演奏。確かにごちゃごちゃしている。やっぱHamelinの方が好き。27日と31日のコンサートは楽しみ。あと、Mahler:交響曲第6番のピアノ連弾版も入手。楽器がいっぱい鳴るところはピアノだけではやはり無理がある。ハンマーが鳴るところとかつまらないし。

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