1998年のクラシック音楽鑑賞日記

12月19日
オーディオの端子のクリーニングをする。幼児用の細い綿棒を購入し、RCAプラグの穴やスピーカーのターミナルを綺麗に。スピーカー・ケーブルも末端処理をやり直す。で、結果は・・・素晴らしいです。これがこのオーディオの本来の力なのだなあ。解像度が大幅に改善。歪みも減ったみたい。弦がとっても綺麗。やはり、最低でも半年に一回こういった掃除をする必要がありますね。

12月8日
久し振りにCDの話。Solti/BPOのGlinka: "Ruslan and Lyudmira" Ov.は実に良い。この曲の究極の演奏の一つ。オケ上手すぎ。一緒に入っている、パリ音学院管弦楽団とのTchaikovskyの5番は最悪。オケ下手すぎ。

12月2日
引き続きCDプレーヤーの話。録音の良いCDは勿論綺麗に聴けるのだが、聴き難いほど録音の悪いCDが聴きやすくなるのには驚いた。解像度の違いだろうか。

11月26日
今月の頭に購入したCDプレーヤーの音は実に素晴らしい。一言で言うと、音に現実味がある。残響などの細かい音も綺麗に描写してくれるし、金管もパワフル。音の定位も明確。ケーブルのエージングもだいぶ進んで、かなり気持ちいい。Mahlerの「復活」で不覚にも感動してしまった。あまりにも音が良いので・・・。

10月30日
最近、よく聴いてる曲。Solti/CSOのBrahms:交響曲第3番。フィナーレが凄い。強烈なリズムの刻みに完璧に応えるオケ。トゥッティでもとても見通しが良く、曲の構造がよく分かる。でも、第4番の方はもう一つ。まあ、向き不向きということなのかな。

10月22日
先日の廃盤セールで買った中から。Gulda, Stein/VPOのBeethoven:ピアノ協奏曲第3、4、5番。バックのオケが非常に重みがある。こういうのが好きな人にはたまらないのだろう。私はどうもGuldaのピアノの音が苦手。もう少し綺麗に響いて欲しい。

10月20日
どうやらこのページを見てくださっている方がいるらしい。もう少し更新頻度を上げようと思う。
で、久し振りにCDの話。先日、東京ビッグ・サイトで行われた廃盤セールでCDを少々購入したので、そのお話でも。Salonen指揮のStravinsky:「春の祭典」。速い。某先輩曰く、「ロックン・ロールみたいなハルサイ」。結構気持ち良いが、もう少しズドンと来るような重みが欲しいところ。Knappertsbusch/VPOのBruckner:交響曲第5番(改訂版)。もう大変。聞いたことないような音があっちでもこっちでも。トライアングルが入ってたりするし。テンポもめちゃくちゃ。もう評論家U氏はこの人が好きらしいが、私にはどこが良いのかさっぱり。Stokovsky/New Philharmonic OrchestraのTchaikovsky:交響曲第5番、「1812年」。交響曲の方は、カットあり、めちゃくちゃなテンポ変化ありでもう大変。「1812年」の方はもっと大変で、最後に合唱が入る。一応間違いではないらしいが、普通の指揮者はかっこ悪いからやらないとは某先輩の言。笑えることこの上ない。

10月9日
N響のコンサート。指揮はBlomstedt。曲はJ.S.Bach:「ロ短調ミサ」。合唱があのスウェーデン放送合唱団。とりあえず合唱は期待できそう。で、やはり合唱の良さが目だった。N響は、まあこんなもんかなという程度。朝比奈の悪夢の後だけに、これでも好意的な評価。独唱、特にaltoが良かった。寝不足でこんな曲を聴いて、よく眠らずにいられたものだ。

10月1日
朝比奈隆/都響のBruckner:交響曲第8番のコンサート。3日ほど前の定期演奏会の時はブーイングが出たという話。不安は的中。実にひどかった。金管や木管がフライングしまくったり、弦がずれまくったり・・・。しかし、何と言ってもびっくりしたのは、第4楽章冒頭のティンパニの音が狂っていたこと。普通、楽章が始まる前に合わせておくものでしょう。ブーイングが出てもおかしくない演奏だった。それでも、朝比奈教(?)の方々は演奏終了後にステージの前に集結するというお馴染の儀式を行っていらした。やれやれ。

5月27日
待ちに待ったJansons/Pittsburgh SOのコンサート。曲はBeethoven:交響曲第5番とShostakovich:交響曲第5番。Beethovenの方は、あまり練習をしていなかったようで、オケが粗く、解釈もずいぶんと強引に感じた。もともと、この組合わせで聴かなければならないような曲でもないので、あまりがっかりはしなかった。でも、ティンパニのうまさと金管の音量がすごいことは十分に感じられた。さて、お楽しみのShostakovichは、席を移って、前の席で聴く。結論から言うと、こんなにすごいShostakovichの演奏は初めて聴いた。まさにライヴならでは。第1楽章から、響きはまさにShostakovichのもの。途中の強烈な加速も、十分な説得力があり、不自然とは感じなかったものの、驚いてしまった。第2楽章もよく練られており、曲の良さを引き出している。ここの弾き方でその人がShostakovichをどう考えているかが大体分かる。ただふざけたように弾いたのでも、思いっ切り深刻に弾いたのでも、ここはダメ。バランスがひどく難しいのだ。第3楽章は、弦のアンサンブルがやや粗いこのオケにしては良く弾いた方だと思うが、やはりもっと透明感が欲しい。でも、叫びのような悲痛な響きは十分出していた。そして第4楽章。VPOとの録音と同じように、最初は遅く始め、途中で強烈な加速をかける。しかし、その加速の度合いがVPOのものとは比べ物にならないほど強烈。オケもフル回転。金管も強烈な咆哮を連発。ティンパニも叩きまくり。最後の大太鼓など、大太鼓が揺れるほど叩いていた。さすが現存する最高のShostakovich指揮者である。本当のShostakovichを初めて聴いたような気すらした。

5月15日
またまたN響。曲はHaydn:交響曲第102番とBeethoven:弦楽四重奏曲第14番(arr. Mitropoulos)。指揮はPrevin。結論から言うと、ま、こんなもんか。やはりPrevinはオケに「弾いて頂く」指揮をする人なので、Schirmerの時のような楽しさがなかった。分かったこと:N響はやはり管楽器に足を引っ張られているらしいことと、ヴィオラが結構良いこと。

4月23日
今日もN響。曲はWebern: Passacaglia、Mozart:ピアノ協奏曲K.271、Bartok:管弦楽のための協奏曲。指揮者はAlan GilbertというCleveland Orchestraで副指揮者をやっていた人。ピアニストは・・・忘れました。Dohnanyiの弟子らしく、弦はとても良く揃っていた。金管もとても良く鳴っていた。でも、個人的には先週のSchirmerの方が好き。

4月17日
N響のコンサート。曲は、Mozart:「魔笛」序曲、Saint-Saens:ピアノ協奏曲第2番、R. Strauss:家庭交響曲。指揮はUlf Schirmerというまだ39才のドイツの人。ピアノはJean-Phillippe Collard(スペル違うかも)。最初の「魔笛」から、今日は何か違うと感じた。弦がいつにも増してよく揃う。ピアノ協奏曲で、その予感がどうやら当たっているらしいことを確信した。第2楽章までいつものように指揮から少し遅れて音が出ていたのが、第3楽章では指揮者と同時に音が出るようになった。指揮者もオケを煽り立て、ぐいぐいとドライヴしていく。そして、家庭交響曲ではSchirmerがその本領を発揮。「これは本当にN響か?」と思うほどオケが鳴る。ホルンも8本全てが綺麗に揃う。信じがたい状態である。これで曲が良ければ言うこと無しだったのだが・・・。家庭交響曲・・・どうしようもない曲だ。曲以外は全てが完璧という、おかしな演奏会だった。

3月19日
Richter, Leinsdorf/CSOのBrahms:ピアノ協奏曲第2番を買う。とても良い。ピアノだけならGilels盤より好き。ただ、弦のアンサンブルが甘いのと、ピアノの響きが多すぎるのがちょっと頂けない。でも、フィナーレの高揚感は好き。カップリングの「熱情」もなかなかいい演奏だが、やはりモスクワでのライヴの方がいいと思う。でも、録音はこっちのほうがはるかに良い。このCDを買うとき、Russian DiscでRamon Colとかいう人の演奏を見つけた。ちょっと気になった。このピアニストについて何かご存じの方は、是非教えてくださいまし。

3月12日
試験が終り、久しぶりにCDを買う。まずは、Russian DiscのShostakovich:交響曲第5、6番(Mravinsky/Leningrad PO)。まあ、音質はあまり期待していなかったのだが、案外聴ける。6番は置いておいて、5番はなかなか良い演奏。1965年の録音らしい。彼の5番の解釈の移り変わりがまた少し分かった。他にもRussian Discから出ているのがあるので、今度買ってみよう。これで5番は12枚目。次に、Gilels, Reiner/CSOのBrahms:ピアノ協奏曲第2番。第1楽章がいいねえ。フィナーレは、最後、もっと高揚感があった方が良いのでは?先輩曰く、「体育会系」。あとは、Mravinsky/Leningrad POのHindemith:交響曲「世界の調和」、Stravinsky:「ミューズの神を率いるアポロ」。Hindemithの曲は初めて聴くけど、結構聴きやすい。もう少し聴き込んでみよう。「アポロ」は弦だけなので、ちょっと寂しい。

2月23日
今日は、友人が所属している慶應大学ワグネル・ソサィエティのコンサート。曲目は、Berlioz:「ローマの謝肉祭」序曲、R.Strauss:「死と変容」、Berlioz:幻想交響曲。「謝肉祭」からいきなり燃えまくってた。「死と変容」は最後少し寝てしまった。どうも静かに終わる曲は苦手。「幻想」も最後の盛り上がりがすごかった。ただ、第4楽章のリピートはちょっと・・・僕は省略すべきだと思うのだが。曲の流れが不自然になるでしょ。時々ヤバイ音出してたけど、金管もなかなか。学生オケでこんだけ弾けりゃ大したもんでしょう。

2月21日
昨日、アダム・フィッシャー/都響でMahler6を聴いた。素晴らしい!まず、ホールに入ると、打楽器がズラーリ。演奏も、すごかった。第1楽章は、速からず遅からずといったところだが、随所でテンポの揺らぎがあり、かなり濃い内容だった。第2、第3楽章も良かったが、やはりこの曲のメインは終楽章。これ以上ないくらい燃えまくってた。オケも指揮者も。都響は弦のアンサンブルもすごく良い。金管もとても良くなってた。最後の方になると、さすがにアンサンブルは乱れてきたが、物凄い勢いがそれを気にする余裕すら与えない。ハンマーもすごかった。腹のそこまで響く、地響きのような音だった。やはり「生」は違うねえ。演奏終了後、アダム・フィッシャーがオケのメンバーと握手しまくってた。彼にとっても会心の演奏だったのだろう。このくらいになると、「オケを聴いた」って感じもかなりのものがあった。今度新交響楽団がこの曲をやるらしい。行こうかな?

2月20日
最近、Mravinsky/Leningrad POのShostakovich:交響曲第5番をよく聴いている。1954年録音はモノラルなので、必然的に84年のを聴くことが多い。84年のは、オケの統率力が落ちているとは言え、圧倒的な緊張感はやはり他の演奏の比ではない。しかし、最近色んなのを聴いてるなあ。以前はもっと片寄った聴き方をしてたのに。やはり、仲道祐子さんの力だろうか?いや、正確に言うと、彼女への愛の力・・・キャッ、恥ずかしい(←バカ?)!

2月19日
先日購入した仲道祐子さんの2枚目のCD、「トルコ行進曲」について。曲目は、Mozart: Rondo in D, Sonata No.11 "Alla turca", Fantasia in d, Sonata No.16, Rondo in a。すばらしい演奏。きれいな人が、きれいな曲を、きれいな音で弾く。これ以上のことがあるだろうか?美しさの中にも力強さとはかなさを感じさせる。ライヴで聴いた感動が再び蘇るようだ。それにしても、この僕がモーツァルトのピアノ曲を聴くようになるとは・・・・愛って偉大だ(?)。

2月16日
13日のN響:なかなか良かった。ピアノのVorgtはかなり弾けていた。Sibeliusの7番も、弦がきっちり揃い、ホルン以外の金管も頑張ってた。ホルンがやばいのは相変わらず。
14日の仲道祐子さんのコンサート:演奏についてはすでに「非公式ページ」に書いているので、ここではそれ以外のことについて。まず客だが、子連れが異常に多かった。大方ピアノを習わせているのだろうが、コンサートへ連れてくるには教育不足のガキばっかり。僕のとなりもガキで、ごちゃごちゃ動いて参った。日本人は形式にうるさいと言われるけど、こういうとこは欧米より遥かに下だな。連れてくるからには大人しく座らせておくべきだし、それができないのなら連れてくるべきではないだろう。他の客に迷惑なだけでなく、演奏者にも失礼だ。でも、仲道祐子さんの笑顔に免じて、今回は許す。

2月13日
今日はこれからN響のコンサート。曲目は、Sibelius: Karelia Suite、Grieg: ピアノ協奏曲、Sibelius:交響曲第7番ほか。どれがメインなんだろう?明日は仲道祐子さんのピアノ・リサイタルの日。すでにチケットは予約済み。ああ楽しみ。

2月10日
先日オリンピックの開会式を見た。起きたらちょうど「第9」が始まるところだった。途中でテンポがもたれたり、コーダの金管が汚かったりと文句をつけたいところはたくさんあるが、ティンパニがよく鳴っていたので、まあ許すとしましょう(偉そう)。ま、お祭りということで、このくらいでも十分盛り上がるでしょう。

2月6日
今日はN響の日。曲目は、Bartok:ヴァイオリン協奏曲第2番、Liszt: Mephisto Waltz, "Le Prelude"。Bartokは第3楽章が良かった(というより、そこしか集中して聴いてなかった)。先輩によると、第1から第2楽章の途中までは良くなかったとのこと。ということは、僕は正しい聴き方をしていたということか?Mephistoはオケ版だと華やかさが加わる代わりに、悪魔的な要素が薄れてしまう気がする。"Le Prelude"はKarajanが好きそうな曲だった。それにしても、Horst Steinはそろそろやばいのでは?手術したらしいが、足も悪いようで、指揮台の横に踏み台があった。歩くのも超スロー。大丈夫かね?

2月5日
ここのところ、ずっと仲道祐子さんのCDを聴いている。特にLisztが絶品。Sonataの消え入るような終わり方も、彼女の演奏なら正しいと思える。そのうえ、最期にLiebestraum No.3が待ってるとあっちゃあ。今では、彼女の演奏が僕のLiszt: Sonataの基準になってしまっていて、Boletを聴くと「忙しいなあ」、Gilelsは「重いなあ」、Richterは「やれやれ」と思ってしまう。多分、我が家で唯一心の休まるCDだと思う。

1月31日
池袋のHMVにて仲道祐子さんのMini Live。MozartのRondo, March ala Turca, FantasyとLisztの「愛の夢」を弾いてくれた。可愛いお姉さんって感じの人だが、いざピアノの前に座ると雰囲気が一変。力強さと言うか、たくましさと言うか、気迫を感じた。演奏もなかなか。「トルコ行進曲」は久々に聴くが、かなり推進力のある演奏。しかし、彼女の清らかな音色は、Fantasyに一番合っているかも知れない。その後サイン会があったが、僕は彼女の1枚目のCD(Schumann:「子供の情景」、Liszt: Sonata、「愛の夢」)を買い、サインしてもらった。握手までしてもらった。もう感激。僕は彼女のファンである。

1月30日
コンパの帰りにHMVによったところ、GilelsのLiszt: Sonataを発見。もちろんその場で買う。演奏は、彼にしては安全運転と思えないでもないが、随所に彼らしさがあり、なかなか。でも、やっぱりもうちょっと速い方がいいかな?

1月27日
Solti/CSOのBrahms:交響曲第2番、悲劇的序曲、大学祝典序曲を聴く。2番は、鋭いリズムの刻みがこの曲に相応しいか、やや疑問の残るところだが、それでもパワフルな名演。序曲はどちらも素晴らしい出来。特に悲劇的序曲は最高。

1月26日
アメリカに住んでいる友人が、CDを送ってきてくれた。HeifetzのBruch:ヴァイオリン協奏曲第1番、スコットランド幻想曲、Vieuxtemps:ヴァイオリン協奏曲第5番。どの曲にも、Heifetzのヴィルトゥオーゾぶりが遺憾なく発揮されていた。ところで、バックのNew Symphony Orchestra of Londonって何?そんなおけ、聞いたことない。

1月12日
先日教育TVでやっていたAbbado/BPOのBruckner:交響曲第9番を聴く。はなから馬鹿にして聴いていたら、見事期待通り。Abbadoファンの方には申し訳ないが、この上ないヘボ演。せっかくBPOという一流のオケを振っていながら、彼の指揮ぶりは実に情けない。まず、彼にはオケのアンサンブルをそろえようという意思がない。各奏者を指して、「はい、君お願い」という感じの指揮。これでは、とてもいい演奏など期待できるはずもない。はっきり言ってしまえば、彼にはオケを統率する能力がない。客演指揮者ならともかく、音楽監督がそんなんでは、だめでしょう。WandがBPOに気にいられているのも、分かる気がする。
昨日、友人のコンサートへ行った。曲は、Saint-Saensのピアノ協奏曲第2番。予想以上に良くて驚いた。友人のピアノは、十分合格点。ただ、オケ、特に指揮者にやる気がなかったのはいただけない。まあ、その分ピアノが引き立ったということか。

1月9日
Solti/CSOのBrahms:交響曲第1番を聴く。今までこの曲は好きではなかったが、この演奏を聴いて一気に大好きになってしまった。とにかく、弦は揃う、金管は良く鳴る、録音は優秀、もう言うこと無し。特に両端楽章は完璧。素晴らしい!

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