ダイアグノーシス
結構質問の多い81年式及び82年式のコンピューターダイアグノーシス(自己診断)について触れておこう。完全なノーマル車であればこの機能は有効だが、キャブが替えてあったりヘダースを替えてYパイプが違いO2センサーが無くなっていたりすると、この機能には意味が無い。
完全なノーマル車であっても、自己診断の示すトラブル内容は大した内容の情報ではないので、参考程度にしかならない。例えば、コード44が出たとしよう。燃調が薄いという診断内容だが、何が原因で燃調が薄いのかという根本的な部分は人間が判断しないといけない。単にO2センサーが悪いだけであったり、キャブセッティングの問題であったり原因は様々だ。さて、実際の診断方法を説明しよう。灰皿を取り外すと、その下にコネクターが見える。そのコネクターの右の2つに切り欠きが入っているはずだ。その2カ所を電線などで繋ぐ。
次に、イグニッションキーをONの位置まで回す。決してスタートまで回さないこと。すると、キャブのソレノイドがカチカチと音を立て、コンソールのCheck Engineランプが点滅を始めるはずだ。ただ点滅をしているのではなく、意味があって点滅している。診断モードに入ると、コード12を3回出力する。ランプが一回光って次に2回光る。* **と言う感じだ。
コード12
コンピューターにトラブルコードが記録されていると、コード12を3回出力した後にトラブルコードを3回出力する。トラブルコードが複数記録された場合は、続けてコードを出力する。全てのトラブルコードを出力するとコード12を出力する。
コード44がセットされた場合の点滅の仕方を、実際の表示に近づけて示してみた。画像のSTARTという文字は始まりを分かりやすくしたものであり、実際には出力されない。まずコード12を3回、次にコード44を3回、最後にコード12を3回点滅させている。
コード44
81のトラブルコード一覧
コード 故障箇所 チェック箇所 12 異常なし 診断モード。トラブルコードは記録されていない。 13 O2センサー O2センサーの結線。 14 水温センサー インマニ上の水温センサーの結線。結線ショートが正しければセンサーの破損。センサーがある程度の抵抗値を持っているかチェック(90〜500オーム) 15 水温センサー インマニ上の水温センサーの結線オープン。結線が正しければセンサーの破損。センサーがある程度の抵抗値を持っているかチェック(90〜500オーム) 21 スロットルポジションセンサー(TPS) TPSはキャブの加速ポンプレバーの根元に付いている。結線チェック。位置を調整して抵抗値を合わせる。コネクタはキャブの左側。 23 ミクスチャーソレノイド MCソレノイドの結線がオープンまたはショート。ソレノイドはキャブの中。コネクタはキャブの右上。 24 車速センサー(VSS) VSSの結線。メーターケーブル切れ。メーター内のリフレクター&フォトダイオード。VSSはセンターコンソール裏にある。 34 バキュームセンサー(BARO) BAROセンサー。コネクター。センサーへのバキュームホースをチェック。センサーの場所はバルクの左側。 42 EST デスビ内のイグニッションモジュール。デスビのコネクターなど。モジュール交換。 44 燃調薄い バキュームリーク。キャブセッティング。ジェット類の詰まり。O2センサー。MCソレノイドのセッティングが正しくない。 45 燃調濃い エアクリーナーの詰まり、キャブセッティング、O2センサー。MCソレノイドのセッティングが正しくない。 44+45 O2センサー O2センサー交換。 51 ECM ROMの接触不良、破損、メモリー消失。 52 ECM ECMの異常。 53 ECM ECMの異常。 54 MCソレノイド MCソレノイド結線ショート。 55 ECM 8Vのリファレンス電源系ショート。O2センサー。ECM。