ダイナモパンク

 2回目の車検を受けに陸運局に向かっている途中にチャージランプが点灯した。よりによってこんな時にだが、無事車検はパスした。どうせ接触不良だろうと思っていたが、車検を終え家に着いてエンジンをかけようとしたらセルが回らない。バッテリーが上がっていたのだ。
 エンジン回転を上げればチャージランプが消えるので、原因はブラシだろうと決めつけチェックしたがまだ使えそうだった。念のため新品に交換するが、やはり症状は変わらなかった。こうなるとステーターのショート、レギュレーター、レクチファイヤ等の異常しかないので再度ばらしてチェックした。
 まずステーター、ローターのオープンショートを見たが異常なし。すると疑わしきはレクチファイヤブリッジだろう。ダイオードの順方向降下電圧と逆方向のショートがないかチェックした。するとレクチファイヤの中に6個あるダイオードの内下側の1つがグランドとショートしていた。これでは発電しようにもステーターがグランドにショートしてしまい、殆ど発電できないわけだ。
 レクチファイヤをよく見ると、ショートしていたダイオードは基盤から外れぼろぼろになっていた。早速新品に交換したところ正常に戻った。

レクチファイヤー

 オルタネーターが故障する個所は大半の場合、レクチファイヤーダイオード、ICレギュレーター、ブラシの摩耗の3種類が原因だ。その他、ステーター、ローターの断線ショート等のケースもあるが、衝撃を与えたり異常な使い方をしない限り、そのようなことは極めて希なケースと言える。ベアリングの摩耗もあるが、この場合、電圧異常の前にゴロゴロ音を発して異常を知らせてくれるので、すぐにわかるだろう。
 ダイオードはテスターを当ててみれば故障を発見でき、ブラシは摩耗状態とスリップリングの状態を見ればよい。ICレギュレーターだけは、その動作を再現するテストをしてみないと故障を発見することは出来ない。
 ここで、ICレギュレーターのテスト方法を紹介しよう。テスト内容は、発電電圧に応じてローターに流れる電流が制御されているかを検証すればよいので、以下の手順で行う。用意するものは12Vの電球、12V〜15V程度を可変出来る電源、又は12Vのバッテリーと急速タイプの充電器があればよい。それらを図のように接続し、可変電源の場合は12V程度で電球が点灯し、13.8V程度で電球が消えれば、レギュレーターは正常だ。バッテリーと充電器の場合は、バッテリーを繋いだときは電球が点灯し、更に充電器の電源を入れたときに電球が消えればレギュレーターはOKだ。それぞれの場合で、電球が点灯しなかったり、電源電圧を上げたとき、又は充電器の電源を入れたときに電球が消えなければレギュレーターの異常だ。但し、充電器によってはレギュレーターがカットオフする電圧まで上昇しないため、電球が消えない場合もある。

レギュレーターテスト

ローテンプサーモ   室内ランプのネオン化   目次へ   ホームに帰る