NIGHT RANGER
Brad Gillis & Jeff Watson

1983.12.3

Hi, this is Brad Gillis from Night Ranger saying
Happy New Year to all in Japan!

This is Jeff Watson wishing you all a Happy New Year.
Happy New Year Japan!!


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インタビューのRealPlayerFileです。(あくまで個人用としてお楽しみ下さい)

Q Don't Tell Me You Love Me のソロの弾き方を教えて下さい。特にハーモニックについて。
Brad

あれはね・・・よくきこえないかな? 弦を押し上げる時、ピックの端をつまんでハーモニックを出すんだ。それから元に戻す、これは本式のハーモニックではなくて、ピックで弦に噛みつくようにしてハーモニックを出すのさ。
(註: 英語ではArtificial Harmonic-造りもののハーモニックと言うので、本式のハーモニックではないと言っている)

その後はずっとピッキングしていく。
それから僕は上がっていくパターンをやってる・・・一音づつ上がっていくんだ。とにかくまっすぐ上までね。

その後に、トリルのセクションに入るんだけど、このギターは僕のフロイド・ローズ付きのギターじゃないので、これだとできないかもしれない。
まぁ、とにかく弦を弾いて、バーの端を指先ではじく・・・コオロギのような音(クリケット・サウンド)を出すためにね、またはギターをぶったたく・・・でもこのギターじゃできないと思うけど・・・
あれ! できちゃったよ!

もし君のギターがフロイド・ローズかフローティング・タイプのブリッジか、まぁこのギターでもうまくいったから、他のブリッジでもうまくいくみたいだけど・・・ブリッジのすぐ上のちょっと後ろのあたりをガンガンたたくと、クリケット・サウンドが出るよ。

で、最後は3番線の3フレットのすぐ上のハーモニックを鳴らし、バーを目一杯下まで下げる。
ハーモニックを鳴らして・・・
聞こえた? ちょっと聞き取りにくいけど。
とにかくその音を鳴らして・・・
(Jeffに)もうちょっと音量を上げてくれ。
つまり3フレットのすぐ上のハーモニックを鳴らして、その前にバーを押し下げて、ハーモニックを鳴らしてからバーを上げる。
それからバーを揺らして最後の音に行く、そしてジェフ・ワトソンのソロへと続く。
ジェフ・ワトソンの登場です! 拍手を!
どうもジェフ。さぁ、俺たちはすんだよ。



Jeff 僕がやってるのは、全部ピッキングのソロだよ、コードの音を弾いていくんだ。
ゆっくりやると・・・
そして低い音から段々に上がっていく・・・
そしてすごく速く・・・
これを倍の速さで弾くと・・・
本当はもっと速いんだけど、さっきのはスローダウンしたバージョンだよ。
Q アルバムをレコーディングした時のクリケット・サウンドはどっちでやったの?
B 実際にアルバムのレコーディング時は、バーの端を指先ではじいていたよ。だけどライブだとげんこつでボディーをバンバン叩くんだ。ショーアップのためにね。
で、ライブの時はいくつかの曲でもやるんだ。まぁ、3-4曲に使うかな。バーをはじいたり、ボディーをバンバン叩いたりその時によりけりだけど。
Q 何年ギターを弾いているの?
B 18年弾いてるよ。
J 7才位からだけど、弾いたり弾かなかったりだね。
つまり2-3年は他の事に興味をもったりして弾かなかったよ。例えばボートとか歌うウェイターをやったり、他にいろいろ・・・
だからトータルすると12-3年てとこかな。
Q 若い頃どのぐらい練習した?
J 一日何時間も。ずう〜っと。
B たいてい飽きるまでずっと。それから食事に行って戻ってきて、さらに弾く。父にはよく "何で外に出て子どもたちとフットボールやらないんだ?" と言われたよ。
すると僕は "ジミ・ヘンドリックスを練習したいんだ" って言うんだ。
Q 弦について。
J GHS Boomers、カスタム・ライト・ゲージ。
僕が使うのは、009、011、016、026、036、046。君のゲージは?
B 僕も同じ弦を使うけど、009、011、016、024、032、042 だと思う。そんな感じだよね、そう。
Q ピックについて。
B ヘビー・メタル。
J 僕はピックについてエンドース契約している。
それは、テキサスのアマリロで作っているデビッド・リーズナー・ソリッド・ステンレススティール・ピック。
このピックについては、近々ギター・ブレーヤー・マガジンの広告で見られるよ。どこでも買えるし、ソリッド・ステンレススティールで、曲がらないし、先がとても尖っている。僕が唯一使えるピックだよ。これ以外だと僕の音はクズ同然さ。
[デビッド・リーズナー・ソリッド・ステンレススティール・ピック(真ん中がへこんでいる)]
B 僕は日本製のピックを使ってる。
それはスプライトと呼ばれているメタル・ピックで、3つのゲージがある。
僕はヘビー・ゲージを使っているけど、イマイチヘビーじゃないんで、できればここでスプライトの人をつかまえて、同じ形で、もう少し厚みのあるピックを僕のために作れるかどうか聞きたいんだ。僕はもうちょっと分厚いのがいいと思うんだ。
Q アンブについて。
B 僕はメサブギーのアンプをスタジオでもライブでも使う。で、ジェフはハイワット、マーシャルとボールダーのアンプ。
J その通り!
Q ボールダーはアメリカ製のアンプですか?
J ボールダーはアメリカ・・・じゃなかった、スウェーデンだったかな?

B
ヨーロッパだよ。

J
そう、ヨーロッパ製のアンプで僕用にアメリカで改造してもらったんだ。
それからハイワットは、プリ・アンプのゲインをうんと高くしてもらってある。
[註: ボールダーはモニター用で、演奏には使わなかった]

Q
ディストーションやオーバードライブについて。

B
ああ、小さなペダル式の奴?

J
君のアンプがちゃんと歪まない場合は、そういうものを使わなきゃしょうがないよね。
ブラッドと僕の場合は、アンプのVOL.を上げて歪ませてるんだ。

B
そう、僕たちプリ・アンプやディストーションは一切使わないよ。

J
ディストーション系のエフェクターはなし。
ただ、アンプのVOL.を十分に上げられないような場合は、そういうディストーション系のエフェクターを使わざるを得ないこともあるよ。
僕も最初にギターを始めた頃は、ビッグ・マフかなんかのファズを使ってたね。

Q
チューブ・アンプとトランジスター・アンプについて。

B
もちろんチューブ・アンプの方が断然いいよ。チューブ・アンプだと自然の歪み(ナチュラル・ディストーション)が得られるけど、トランジスター・アンプだとインチキの歪み(フェイク・タイプ・ディストーション)になっちゃう。
これって本物のディストーションじゃないんだよね。自分の部屋ですごく小さな音で練習するんでもない限り、一番いいのはチューブ・アンプだよ。
まぁ、もし家で小さい音で練習するだけなら、トランジスター・アンプでもいいよ、(ペダルを使えば)ディストーションやサステインも得られるしね。
でも大きな音にすると、チューブ・アンプの音とは全然違うんだ。

Q
ギターの改造について。

J
僕のギターはそれほど変わってないよ。
1956年のギブソン・レス・ポールで、"ソープバー"という小さなシングルコイルが付いてたのを外して、穴を削ってシーモア・ダンカンのジェフ・ベック・モデル・ピックアップを入れたんだ。
基本的にやったことはそれだけさ。
あと、大きな、巨大なジム・ダンロップのフレットを打った。

B
線路みたいな奴!

J
そう、線路みたいなフレットを打って、シャーラーのペグに替えて、ピックアップを強力なのにした。それだけだよ。普通のレスポールとそれほど変わってないよ。

B
僕はシアーズ・アンド・ローバックで買ったギターを使ってるよ。
[通販で買ったというジョーク]

J
シュローバックだろ!

B
冗談だよ!
僕は1962年のフェンダー・ストラトキャスターを使ってるけど、兄の友人がバラバラになったギターを箱にいれたのをくれて、"これ何とかなる?" て聞くから、"もちろん!" と答えた。
で、ネックは黒にペイントして新しいフレットを打って、指板を長くして22Fを打って、ボディーはダットサン240Zに使った残りのペンキで塗って、赤いラッカーをかけたんだ。それから、兄と僕とでワイヤレス・システムとダンカンのJB のハムバッキングと2個のクォーター・パウンダー のシングルコイル・ピツクアップを取り付けた。

J
ビッグ・マックだろ? [ハンバーガーに引っかけたジョーク]

B
そして、フロイド・ローズ。
僕の使っているフロイド・ローズは古い奴で、彼がシアトルのガレージで作っていた頃のオリジナル・タイプだよ。

Q
フロイド・ローズがなかった頃はどうしてたの?

J
そりゃあひどいもんだったよ。[ジョーク]

B
以前はトレモロ・アームにあまり興味はなかったんだ!
フロイド・ローズを使うようになってもう3年位だから、アームをよく使うようになったのもそれぐらいじゃないかな。
で、それ以前は、あの古いゴールドのスターズ・ギターだっけ?

J
スターズ・ギターズ・ブラス・ブリッジ!

B
そう、スターズ・ギターズ・ブラス・ブリッジを使ってたけど、あれはアームを下げることはできたけど、フロイドローズのように上げる事はできなかった。

Q
最近レスポールにアームにアームを着けてる奴がいるけど、僕は着けない方がいいと思うんだけど・・・。

J
同感。もし君が自分のプレイ・スタイルを持っているなら、トレモロ・アームはいらないと思う。余計な物はないのが一番だよ。

B
僕はフロイドローズ着きの黒いレスポールを持っているけど、すばらしいギターだよ。

J
しょうもないギターだぜ!

B
いや、本当にすばらしいギターで、音はすごくいいんだ。
だけどストラトを長い間弾いていた僕にとって、レスポールはとても扱いにくい。
ステージの間も、ストラトで何曲かやってからレスポールに持ち替えるとすごく弾きにくくてね。
特に上部にあるピックアップ切り替えスイッチにはしょっちゅう引っかかっちゃう。だからあのギターには慣れてないんだよ。

Q
赤いストラトに付いているスイッチについて。

B
ライト付きの? 下部にあるあのスイッチ?
あれはワイヤレス・システムのだよ。
つまり、僕のギターはワイヤレスが組込済みで、背中にコード付きのパックを付けなくていいんだ。
すべてギターに組込済みで、小さな赤いLEDが付いている。
これでシステムがオンなのを知らせてくれるし、もし暗くなってきたら、バッテリーがなくなってきた証拠なので、電源に差し込んで充電する。バッテリーはニッカドの再充電できるやつで、ギターに組み込まれている。

Q
日本の若手ギタリストたちにアドバイスを。

J
自分自身のサウンドを見つけるように努力すること。
他のギタリストのようなサウンドにならないようにすること。
だってすでにエディ・ヴァン・ヘイレンやブラッド・ギルス、ジェフ・ワトソンやニール・ショーン、それにジミ・ヘンドリックスもいるんだから。
だから自分のサウンドを見つけるように、さもないと単なるコピー・ギタリストと言われて終わっちゃうよ。

B
その通り! 自分自身のスタイルを作り上げて、自分自身のアイデンティティを見つけなきゃいけないというのには賛成だよ。
でも自分が学んでいる時に他人のスタイルを真似することも必要だと思う。だってそうやって学んでいくんだから。
で、そこから自分自身のスタイルに分かれていって、自分自身のイメージを創り出していくことさ。

J
そうそう! 誰かの弾き方を学んで、それをいろいろ変えていって、自分の個性や指に合うようにしていくんだよ。

Q
どうもありがとう。