2000年読了本リスト(毎月初め頃に更新)

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  2000年お気に入り本


 単なる賑やかしですが、所長が今年読みました本を公開しております。友人、家族から薦めていただいた本も多いですが、所長はこんな趣味をしております、ということで。


1月の読了本
1  『百器徒然袋−雨』       京極夏彦       
2  『妖霧の舌』          竹本健治   
3  『私が捜した少年』       二階堂黎人     
4  『第4の神話』         篠田節子       
5  『魔法飛行』          加納朋子       
6  『迷宮 Labyrinth』        倉阪鬼一郎
7  『クロへの長い道』       二階堂黎人      
8  『聖アウスラ修道院の惨劇』   二階堂黎人
9  『ネヌウェンラーの密室』    小森健太朗      
10 『眼球綺譚』          綾辻行人       
11 『あいにくの雨で』       麻耶雄嵩       
12 『悪を呼ぶ少年』        T・トライオン    
13 『タンブーラの人形つかい』   竹本健治       
14 『不可触領域』         半村良        
15 『忍者六道銭』         山田風太郎      
16 『銀の檻を溶かして』      高里椎菜

 一応、1月は「二階堂黎人強化月間」という目標を立てていたのですが、最初に『渋柿シリーズ』を読んでる時点で、もう何か間違ってますね。


2月の読了本
17 『長い家の殺人』        歌野晶午       
18 『名探偵の掟』         東野圭吾       
19 『戦闘妖精 雪風』       神林長平       
20 『カケスはカケスの森』     竹本健治
21 『ユリ迷宮』          二階堂黎人
22 『こちら幻想探偵社』      清水義範
23 『一八八八 切り裂きジャック』 服部まゆみ      
24 『黄色い目をした猫の幸せ』   高里椎菜
25 『白い家の殺人』        歌野晶午
26 『兇殺のミッシング・リンク』  竹本健治
27 『忍法流水抄』         山田風太郎
28 『オイディプスの刃』      赤江瀑
29 『どちらかが彼女を殺した』   東野圭吾

 新刊は『凶殺の……』しか読んでませんね。主に積読本の消化に当ててました。


3月の読了本
30 『解体諸因』          西澤保彦
31 『魔女の刻』          アン・ライス
32 『鬼』             西村寿行
33 『ボーン・コレクター』     J・ディーヴァー
34 『アナザヘヴン』上巻      飯田譲治
35 『〃』     下巻      梓河人
36 『慟哭』            貫井徳郎
37 『封印再度』          森博嗣

 いくつかへこむ事があったので、ちょいと失速。しかし『ボンコレ』『アナザヘヴン』は私的にヒットでした。熱いです。


4月の読了本
38 『双頭の悪魔』         有栖川有栖
39 『ブラッド』          倉阪鬼一郎
40 『盲獣』            江戸川乱歩
41 『バビロン空中庭園の殺人』   小森健太朗
42 『フリークス』         綾辻行人
43 『架空の王国』         高野史緒
44 『ハンニバル』上巻       トマス・ハリス
45 『〃』    下巻
46 『静寂の叫び』上巻       J・ディーヴァー
47 『〃』    下巻
48 『悪霊の群』          山田風太郎・高木彬光
49 『ぼっけえ、きょうてえ』    岩井志麻子
50 『”魔の四面体”の悪霊』    竹本健治
51 『不安な童話』         恩田陸

 今頃読んだか『双頭の悪魔』、キャラ萌え作品『ハンニバル』、落ち込んでる時に読むとよけいへこみます『ぼっけえ』、『黄昏の囁き』を除いて全て読みましたね綾辻などなど、充実してました。倉阪さんの新刊も読みました。


5月の読了本
52 『鬼流殺生祭』         貫井徳郎
53 『アナン』上巻         飯田譲治
54 『〃』  下巻         梓河人
55 『フレームシフト』       R・J・ソウヤー
56 『UNKNOWN』       古処誠二
57 『修羅の終わり』        貫井徳郎
58 『獣林寺妖変』         赤江瀑
59 『メイフェア家の魔女たち』   アン・ライス
60 『完全無欠の名探偵』      西澤保彦
61 『悪魔と詐欺師』        高里椎菜
62 『SFバカ本 彗星パニック』  アンソロジー
63 『GO』            金城一紀
64 『スイート・リトル・ベイビー』 牧野修
65 『密通』            和田はつ子
66 『眠れぬイヴの夢』       小森健太朗
67 『魔性の棲む家』        アン・ライス
68 『天使の屍』          貫井徳郎
69 『妖奇切断譜』         貫井徳郎
70 『泣き婆伝説』         梶尾真治

 関ミス連に備えて「貫井徳郎強化月間」。文庫、ノベルスを中心に4冊読破で、すっかりファンになりました。次は『プリズム』。

 気候も良かったので、色々と読めましたね。『魔女の刻』シリーズも、2巻以降、俄然面白くなって来て、続きが楽しみです。

 あと、熱出して臥せってる時に『スイート……』と『密通』を読んで、素晴らしくイヤな気分になれました。病気の時はホラーに限ります。


6月の読了本
71 『プリズム』          貫井徳郎
72 『SFバカ本 ペンギン編』   アンソロジー
73 『千里眼』           松岡圭祐
74 『占星術殺人事件』       島田荘司
75 『雪女の棲む館』        森真沙子
76 『化粧槍とんぼ切り』      森雅裕
77 『ある閉ざされた雪の山荘で』  東野圭吾
78 『悪魔の花嫁』         アン・ライス
79 『失踪症候群』         貫井徳郎
80 『眠れぬイヴのために』上巻   J・ディーヴァー
81 『〃』        下巻
82 『変身』            篠田節子
83 『とんち探偵一休さん 金閣寺に密室』 鯨統一郎
84 『さらわれたい女』       歌野晶午
85 『緑衣の牙』          竹本健治
86 『金糸雀が啼く夜』       高里椎菜

 文庫作品を揃えたので、「貫井徳郎強化月間」は7月の『崩れる』発売までお休み。現時点でのお気に入りは『妖奇切断譜』と『修羅の終わり』。活劇要素にしびれるのだ。いや〜、いい! 関ミス連の時に『強化月間やって、すっかりファンになったんですよね』と友人に言われ、自分で書いたことであるにも関わらず絶句してしまいましたが、いやもう完全に貫井好きです。

 『占星術』で島田荘司初体験。小耳に挟んだイメージでは、御手洗ってもっとすかした人かと思ってたのですが、後の作品で変わってくるんでしょうか。

 森雅裕、久々の新刊も読む。ネットを始めるまでは「オレが読まずに誰が読む!」と思っていましたが、意外と熱心なファンの方が多いのがわかって非常に嬉しいですね。しかし今作はいまいち……。いつもの「刀」ではなく「槍」をモチーフにしたあたり、著者的には新しいのだろう。ちゅうか『漂泊戦士』みたいのを期待したオレが間違ってる!?

 『邪馬台国はどこですか』以来、二度と読むかと思っていた鯨統一郎、『一休さん』の嵐山薫氏の書評を読んでやや考えを改める……御厚意で本も貸していただきました(多謝)。やはり好みではなかったのですが、今回は面白く読めました。それにしても静さんって、たったあんだけの出番なのにどうしてあんなにうるさいの!?


7月の読了本
87 『カナリヤは眠れない』     近藤史恵
88 『神曲法廷』          山田正紀
89 『欲望』            小池真理子
90 『死者の学園祭』        赤川次郎
91 『動く家の殺人』        歌野晶午
92 『SFバカ本 リモコン変化』  アンソロジー
93 『茨姫はたたかう』       近藤史恵
94 『蠱』             加門七海
95 『クラインの壷』        岡嶋二人
96 『殺人ダイヤルを捜せ』     島田荘司
97 『幻惑密室』          西澤保彦
98 『崩れる 結婚にまつわる八つの風景』  貫井徳郎
99 『マレー半島すちゃらか紀行』  若竹七海・加門七海・高野宣李
100 『月の裏側』          恩田陸
101 『私が彼を殺した』       東野圭吾
102 『虫送り』           和田はつ子
103 『軽井沢マジック』       二階堂黎人
104 『ナイト』           山本甲士
105 『宿命』            東野圭吾

 静かに、だが確実に忍び寄る「近藤史恵普及委員会」の魔の手! 今月は「近藤史恵強化月間」のはずが二冊止まり……ハードカバー買えんよ(泣)。しかし『カナリヤ』『茨姫』読んで泣きました。ツボ直撃です。小松崎には惜しみないエールを送りたいですね。ところで、僕、最近なんか腰痛いんですが……!

 西澤保彦も三冊目読了……でも、多分これは趣味じゃないですね……。「この超能力の有効時間は60分です」とか言われても、それを踏まえて読む気がしない……なんでそんなにきっちりしてんの!? こういう御都合主義をわかった上で楽しむのもミステリなんでしょうけど。もっと世界観を徹底的に書き込んで、超能力図鑑でも出版してくれたら納得するんですが。

 東野圭吾もチマチマと読んでます。『ある閉ざされた雪の山荘で』『どちらかが彼女を殺した』『私が彼を殺した』は面白かったですな。『私が彼を……』は私には難しすぎて、さっぱりわかんねえけどね! しかし『宿命』は……く、くっさ〜! なに? この主役の男二人のカッコつけまくったキャラクターは? プンプンと臭うようだわ。

 記念すべき100冊目は『月の裏側』。とりあえず冊数だけでは今年の読書量は自己ベストを更新しましたね。『月の裏側』面白かったんですが、もっと書き込めたんじゃないでしょうか。「焼肉を同じ速度で食べる」とか、ああいうのをもっと徹底的に色んなシチュエーションでやって欲しかったな……。話の眼目はそこにないのかも知らんけど。結局最後まで感情移入の対象を見つけられず。他の作品も読んでみよう。


8月の読了本
106 『猫まつりの夜』        森真沙子
107 『悪魔の収穫祭』上巻      T・トライオン
108 『〃』     下巻
109 『木製の王子』         麻耶雄嵩
110 『チョコレートゲーム』     岡嶋二人
111 『メルカトルと美袋のための殺人』麻耶雄嵩
112 『上と外 1素晴らしき休日』  恩田陸
113 『遺品』            若竹七海
114 『まどろみ消去』        森博嗣
115 『ガラスの麒麟』        加納朋子
116 『蚕蛾』            和田はつ子
117 『媚薬』            図子慧
118 『そして二人だけになった』   森博嗣
119 『魔神』            和田はつ子
120 『木乃伊仏』          和田はつ子
121 『墨攻』            酒見賢一
122 『玩具修理者』         小林泰三
123 『ホワイトアウト』       真保裕一

 今月は「妹の本を借りて読んでしまおう月間」。他のミステリ友達諸氏にも本を貸していただく。小野町子、八尾の猫様、さおり様、ありがとうございました。

 最新刊『木製の王子』ついに登場。全然活躍してない如月烏有、しかし主役にのみ許される長々とした葛藤を披露。最後はもうどうでもよくなったようですが、悩み過ぎて疲れたら取りあえず投げやりになってみるのも、まあ悪くはないかな。『メルと美袋』もようやく読む。極悪さに抱腹絶倒。

 日本版『グリーンマイル』(刑務所小説に非ず。出版形式がね)、恩田陸『上と外』一巻。得意の青春ものテイスト溢れた……これって何小説なんだろ? ホラーにもミステリにもなりそうもないし、冒険小説なんでしょうか? 全巻出た後で買うのは辛いから出るごとに買う事にしました。しかし、この一巻……ラスト、素晴らしい引きです。どうしてここで「続く」なんだよ! ああ〜先が気になるう〜!

 なぜか三冊も読んでます、和田はつ子。コーナー作成予定あり。面白いかと言われると、悩んでしまうのですが……。相変わらず女流作家のホラーを中心に読んでますが、何かしっくり来るものがあるのでしょうな。中でも若竹七海の『遺品』はかなり強烈。人物描写が徹底していて、怖いです。

 『墨攻』、すごいです。とてつもなく熱いです。古代中国の辺境の小城を巡る攻防戦。プロ意識に対するプライドにこだわりを持ってられる方、ぜひ読んでみて下さい。ある意味、非常に大人気ない物語ですが、最高です。


9月の読了本

124 『陋巷に在り 1』       酒見賢一
125 『悪魔の涙』          J・ディーヴァー
126 『陋巷に在り 2』       酒見賢一
127 『エド・ウッド 史上最低の映画監督』ルドルフ・グレイ
128 『陋巷に在り 3』       酒見賢一
129 『海賊オッカムの至宝』     D・プレストン&R・チャイルド
130 『陋巷に在り 4』       酒見賢一
131 『漂流街』           馳星周
132 『陋巷に在り 5』       酒見賢一
133 『屍船』            倉阪鬼一郎
134 『陋巷に在り 6』       酒見賢一
135 『見知らぬ扉』         森真沙子
136 『海神の晩餐』         若竹七海
137 『ナース』           山田正紀
138 『ゴールデン・フリース』    R・J・ソウヤー
139 『七年目の脅迫状』       岡嶋二人
140 『晴明。(完全版)』      加門七海
141 『時のアラベスク』       服部まゆみ
142 『美青年アルマンの遍歴』    アン・ライス
143 『ぬばたまの…』        眉村卓
144 『監禁』            J・ディーヴァー
145 『ネバーランド』        恩田陸
146 『美神(ミューズ)』      小池真理子
147 『MOUSE』         牧野修
148 『99%の誘拐』        岡嶋二人
149 『麦の海に沈む果実』      恩田陸
150 『二重生活』          折原一・新津きよみ
151 『ラシャー』上巻        アン・ライス
152 『〃』   下巻
153 『自来也忍法帖』        山田風太郎
154 『吸血の家』          二階堂黎人
155 『川の深さは』         福井晴敏


 今月は32冊読了……どうしてこんなに読んでるんだろう。ヒマだったからか。それとも読書の秋だから? またまた色々な方に色々な本を貸していただく。小野町子、八尾の猫様、嵐山薫様、大熊宏俊様、ありがとうございました。

 今月の絶好調の端緒、ちょっとワイルドな三田村邦彦風(?)超男前作家(いやマジで)酒見賢一の歴史ロマン『陋巷に在り』にいきなりはまりました。熱い! すごいものを読んでしまった……。ついでに後書きも熱い! この人が「小説すばる」に不定期連載しているエッセイ『マンガたたき台』も熱い! 『後宮小説』だけしか読んでなかったら、こんな熱い人だとは気付かなかったですよ。

 とうとう出版、異形コレクション収録作が中心の短編集、倉阪鬼一郎の『屍船』。いや〜待ったかいがありました。表題作と『辞令』に大熱狂! いや〜笑った笑った。「不良品!」とかモノマネしたりして……。

 恩田陸『麦の海に沈む果実』にはかなり恐怖を覚えました。耽美……いや絵的には美しいのですが、美意識と価値観の押し付け、支配欲、学園内の閉塞感、全てがかつて私の憎んだ「学校」そのものではないですか……! ある意味、吐き気がするほどリアル。『月の裏側』もそうでしたが、時々この作家、すっげえいやな話を書いてくれますね。

 アン・ライス『美青年アルマンの遍歴』は良かったのですが、『ラシャー』はいささか……。前作『魔女の刻』四部作から一転して耽美度激減! 『スピーシーズ』っちゅう超おもろないSFホラー映画を思い出してしまった……ああ、あのカッコよかったラシャー様は、いったいどこへ行ったの!?

 「彼女を守る。それがオレの任務だ」……帯のキャッチ・コピーで『新機動戦記ガンダムW』のヒイロ・ユイを思い出した方、福井晴敏の『川の深さは』速攻で買うべし! 「命なんて安いもんだ。特にオレのは」「オレは、任務を了解した」……ヒイロそのまんまなキャラクターが、そのまんまの台詞で大暴れ! 『ガンダムW』ファンは必読! 最後は当然「あの台詞」で決め! や、やられた……。ここまで露骨にパロっていいのか……。さすがは『∀ガンダム』のノベライズやってるだけあるよ……。ラスト70ページのド熱さは最高! 他の作品も思わず読みたくなるじゃないか……!


10月の読了本

156 『女王の百年密室』       森博嗣
157 『王の眠る丘』         牧野修
158 『光の帝国 常野物語』     恩田陸
159 『凍える島』          近藤史恵
160 『病の世紀』          牧野修
161 『解決まではあと6人 5W1H殺人事件』 岡嶋二人
162 『覆面作家』          折原一
163 『忍法黒白草紙』        山田風太郎
164 『朱』             森真沙子
165 『風刃迷宮』          竹本健治
166 『不可解な事件』        倉阪鬼一郎
167 『中井英夫作品集(『虚無への供物』他)』  中井英夫
168 『恐怖の骨』          和田はつ子
169 『パワー・オフ』        井上夢人
170 『アルーマ』          高瀬美恵
171 『マン島物語』         森雅裕
172 『コフィン・ダンサー』     J・ディーヴァー
173 『上と外 2緑の底』      恩田陸
174 『薔薇忌』           皆川博子
175 『究極の美味』         雁屋哲
176 『エクソシスト』        W・P・ブラッディ
177 『ナルキッソスの鏡』      小池真理子
178 『狗神』            坂東眞砂子
179 『迷宮遡行』          貫井徳郎
180 『鬼を斬る』          藤木稟
181 『クール・キャンディ』     若竹七海
182 『水霊 ミズチ』        田中啓文


 今月も好調……って本代がかかってしようがないっちゅうの! 

 牧野修強化月間……二冊止まり。もっと読みたいな〜。『病の世紀』、なかなか面白かったのですが、もう一つ邪悪さが欲しかった。このネタだったら瀬名が書けば……?

 ようやく三大奇書の一角を読破。中井英夫全集『虚無への供物』、さくさくと読めました。いいなあ、推理合戦。短編の『黒鳥譚』も気に入りました。しかし『黒死館』は半分で止まってるし……。

 大昔にホワイトハート文庫で読んで以来の高瀬美恵。相も変わらずの軽妙なキャラクターが懐かしかったです。SFバカ本収録の『エステバカ一代』も最高だったし(笑)。

 森雅裕『マン島物語』に大興奮! これは確実に著者のベスト3には入ります! 熱い! この人の作品、誰も知らないんじゃないかと言いたくなるマニアックなネタが満載で、ジャンルによっては(刀鍛冶ものとか)読みづらいところがあるのですが、これはバイクレースもので、バイクの蘊蓄を延々語ってます。しかしこの大量の蘊蓄が、全部伏線として機能してくるのです! これには参った。読んだら読んだだけ報われます。主人公は例によってバイクバカの不器用な男ですが、レースに賭ける魂、すごく共感を呼びました。ファン必読!

 ディーヴァーの『コフィン・ダンサー』、『ボーン・コレクター』の続編です。今回もサービス満点、キャラクターも楽しいし、大いに楽しめました。そんな無茶な、と思わないでもないところもありましたが、やっぱり面白いです。ちゃんとした映画化希望!


11月の読了本

183 『蔵の中』           小池真理子
184 『弟切草』           長坂秀佳
185 『文字禍の館』         倉阪鬼一郎
186 『ちょっと探偵してみませんか』 岡嶋二人
187 『この島でいちばん高いところ』 近藤史恵
188 『大江山幻鬼行』        加門七海
189 『バルタザールの遍歴』     佐藤亜紀
190 『戦争の法』          佐藤亜紀
191 『製造迷夢』          若竹七海
192 『陀吉尼の紡ぐ糸』       藤木稟
193 『SFバカ本 だるま編』    アンソロジー
194 『生存者、一名』        歌野晶午
195 『八月の降霊会』        若竹七海
196 『百年の恋』          篠田節子
197 『puzzle』        恩田陸
198 『狼神』            和田はつ子
199 『奇憶』            小林泰三
200 『光源』            桐野夏生
201 『死霊婚』           和田はつ子
202 『天使の耳』          東野圭吾
203 『ハーメルンに哭く笛』     藤木稟
204 『喪の宴』           森真沙子
205 『蝶の骨』           赤江瀑
206 『スクランブル』        若竹七海
207 『ドロレス・クレイボーン』   S・キング
208 『忍法双頭の鷲』        山田風太郎
209 『あんただけ死なない』     森奈津子
210 『火刑都市』          島田荘司
211 『薔薇の血を流して』      皆川博子

 う〜ん、今月も絶好調ですねえ。ついに200冊突破です。こんなに読むとは思いませんでした。いかにヒマかがわかりますねえ(爆)。

 話題沸騰(!?)の祥伝社中編400円文庫、まとめ買いした9冊全て読了。歌野、小林、若竹が中編向きのネタでサイズ、密度ともにもっともまとまっていたように思います。バランスは良かったのですがちょいと話がパンチ不足なのが藤木。中編と呼ぶには短い倉阪。書き込みが物足りない小池、近藤、恩田。ネタも語り口も面白みに欠ける加門。中編書くのって、なかなか難しいんでしょうね。

 今月の初読み作家は小野町子オススメの佐藤亜紀。『戦争の法』は激燃え&萌え! レイバンのグラサンをかけて登場する「伍長」と天才美少年狙撃者「千秋」、かっこいいっす。

 密かに藤木稟にもはまりつつあります。しかしこの作者、『鬼を斬る』といい朱雀シリーズといい、よっぽど大日本帝国が嫌いらしいですね。

 今月はいつにも増して女性作家ばかり読んでます。なぜかハルキホラー文庫の某作品とネタがかぶっている森奈津子、キャラクターは面白いし性愛シーンも私的には好みですが(笑)、ストーリーと噛み合ってません。このキャラならもっとぶっ飛んだ話がいいなあ。

 月に一冊ぐらい海外作品も読むかということで読んだ『ドロレス・クレイボーン』はキングベスト作品に付け加えよう……無闇に分厚くないし、かといって密度は充分だし、ドロレスはかっこええし、う〜んどうやったらこんなものが書けるんでしょう。珍しく(!?)爽やかなラストも含めて、しびれました。


12月の読了本

212 『占星師アフサンの遠眼鏡』   R・J・ソウヤー
213 『死者はまどろむ』       小池真理子
214 『ねむりねずみ』        近藤史恵
215 『七日間の身代金』       岡嶋二人
216 『グリーンマイル 1』     S・キング
217 『グリーンマイル 2』
218 『グリーンマイル 3』
219 『グリーンマイル 4』
220 『グリーンマイル 5』
221 『グリーンマイル 6』
222 『首のない鳥』         倉阪鬼一郎
223 『眠りの森』          東野圭吾
224 『陰陽師鬼一法眼 壱之巻』   藤木稟
225 『海贄考』           赤江瀑
226 『鳥追い』           
和田はつ子
227 『ヴィラ・マグノリアの殺人』  若竹七海
228 『ストーカーズ』        友成純一
229 『いちばん初めにあった海』   加納朋子
230 『上と外 3神々と死者の迷宮 上』    恩田陸
231 『バラ迷宮』          二階堂黎人
232 『エロティシズム12幻想』   アンソロジー
233 『放課後の記憶』        森真沙子
234 『うろこの家』         皆川博子
235 『サーキット・メモリー』    森雅裕
236 『サンタクロースのせいにしよう』若竹七海
237 『律子慕情』          小池真理子
238 『処刑の方程式』        V・マクダーミド
239 『乱歩の幻影』         アンソロジー
240 『陰陽師鬼一法眼 弐之巻』   藤木稟
241 『やっとかめ探偵団とゴミ袋の死体』   清水義範
242 『黄泉津比良坂 血祭りの館』  藤木稟
243 『黄泉津比良坂 暗夜行路』   藤木稟
244 『聖母の部隊』         酒見賢一
245 『騙し絵の檻』         ジル・マゴーン
246 『1809 ナポレオン暗殺』  佐藤亜紀
247 『閉ざされた夏』        若竹七海
248 『Twelve Y.O.』   福井晴敏


 今月は……ってもう数えるのも馬鹿馬鹿しくなるぐらい読んでますね。仕事がヒマなのがいかんのだがや。

 今月の初読み作家は友成純一。読んでて『メリーに首ったけ』みたいなオチを期待したオレは、多分間違っていたんだろう。八尾の猫様オススメのジル・マゴーンも初読み。復讐のために推理を重ねる主人公、かっこいい!

 藤木稟もなかなかいい感じ。シリーズを重ねるごとに熱い人へと変貌していく朱雀先生、いいなあ。『鬼一法眼』も悪くないです。軽いタッチで楽しめます。


 しかしほんとに今年はたくさん読みました。以下は今年、特にお気に入りだった20冊です。順不同。一応、一作家につき一作までということで選んでます。やっぱりあんまり本格ミステリは読んでないなあ。

所長の2000年お気に入りの20冊

『私が捜した少年』       二階堂黎人
 新本格ハードボイルド。原寮とか好きな人は決して読まないで下さい。続編『クロへの長い道』と合わせてどうぞ。

『ボーン・コレクター』     J・ディーヴァー
 昨年の『このミス』2位の作品。この人の作品には一年通して随分楽しませていただきました。続編『コフィン・ダンサー』もどうぞ。

『アナザヘヴン』        飯田譲治 梓河人  
 映画化もされましたが、原作の方がはるかに軽妙で楽しめます。『アナン』もいいんですが、ちょいとほのぼのし過ぎ。

『獣林寺妖変』
         赤江瀑
 元ダンサー(?)としては収録作『ニジンスキーの手』は外せません。

『スイート・リトル・ベイビー』 牧野修
 『MOUSE』の方がより傑作だとは思いますが、ラストが好みなのでこれを選んでみました。邪悪! これはハッピーエンドだろ。

『妖奇切断譜』         貫井徳郎
 2000年夏の関ミス連のゲスト。サインもらいました♪ 『慟哭』『修羅の終わり』、シリーズ第一作『鬼流殺生祭』などと合わせてどうぞ。ラスト、山風入ってます。

『茨姫はたたかう』       近藤史恵
 シリーズ第一作『カナリアは眠れない』と合わせてどうぞ。整体師探偵、熱いです。

『悪魔の収穫祭』        T・トライオン
 『悪を呼ぶ少年』もいいですが、怖かったのはこちら。やだなあ、田舎って。

『陋巷に在り』         酒見賢一
 むやみやたらとド熱い超大作、まだ6巻までしか読んでませんが、この熱さはただごとではないです。『墨攻』『聖母の部隊』も圧倒的な熱さ。燃えたければ取りあえずこれ。

『屍船』            倉阪鬼一郎
 色々なクラサカテイストの楽しめる短編集。クラサカ入門書としても最適でしょう。


『美青年アルマンの遍歴』    アン・ライス
 『ヴァンパイア・クロニクルズ』最新作。お馴染みのキャラに萌えまくってしまいました。ビジュアル、密度ともにどんどんパワーアップしてますね。ついでにいうなら、愛について知りたければこのシリーズを読め!

『川の深さは』         福井晴敏
 ガンダムWのパロディだっちゅうだけで、もう満点を上げたいです。

『マン島物語』         森雅裕
 著者最高傑作はバイクレース物!? 美しい……熱い……。

『エクソシスト』        W・P・ブラッディ
 くそっ、映画よりずっと面白いじゃないか! 全然役にたってないメリン神父といい、聖書も十字架も放り出してパンチをお見舞いしているラストといい、この作者は神を信じてませんね。

『戦争の法』          佐藤亜紀
 レイバンです。美少年です。

『八月の降霊会』        若竹七海
 今年、もっとも嫌な気分になった一冊(笑)。


『百年の恋』          篠田節子
 僕もセスナ機ぐらいは乗れるようになっておきたいですね。

『ドロレス・クレイボーン』   S・キング
 キングの割には短いし、珍しく読後感もいいです。映画も観なきゃな……。


『占星師アフサンの遠眼鏡』   R・J・ソウヤー
 「御身のあるところに影を投じます」……熱い! 探究心が熱い! 誰か続編も翻訳して下さい……ソウヤー人気がこの調子で高まれば夢ではないか?

『律子慕情』          小池真理子
 『欲望』か『ナルキッソスの鏡』がベストかと思ってましたが、年末に来て大逆転! 泣けます。



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