日本とロシア−海の国境線  中間線



  国連海洋法条約(海洋法に関する国際連合条約 )第十五条では、海の国境となる線を『中間線』としている。『中間線』と書くと、線の向こう側が外国の領土であるとの意味になるため、海上保安庁の説明では、中間線とは言わず、『参考ライン』という。しかし、マスコミ報道や、北方四島交流でも『中間線』の用語が使わている。



日ロ中間線  日ロ中間線 根室半島・納沙布岬沖の拡大



 昭和21年6月22日、GHQはSCAPIN1033を命令して、日本漁船の漁業範囲を定めた(昭和23年12月に千島・歯舞での境界を明確にした改訂がおこなわれている)。いわゆる、マッカーサーラインです。この指令は、サンフランシスコ条約締結直前に取り消され、現在は効力をもっていない。

 しかし、北方四島付近での、日本とロシアの国境は、事実上、マッカーサーラインが踏襲されている。

 図に『中間線』と書いてある青線は、『北海道海面漁業調整規則別表第2の2』で定めらた参考ラインで、この線のロシア側での漁業は原則禁止されており、この海域で密漁をすると日本でも処罰されることが有る。赤×印は、納沙布岬灯台と貝殻島灯台のちょうど中間地点、赤丸印は、マッカーサーラインで定められていた納沙布岬・貝殻島の中間地点。現在の中間線は、マッカーサーラインと、ほぼ同じ位置に引かれている。桃色線で囲まれた所は、日ロで認められた昆布漁海域で、ここで昆布漁をするためには、ロシアに入漁料を支払う必要がある。


貝殻島灯台。納沙布岬の3.4km先にある。
貝殻島は島ではなくて海の中であるが、干潮時には姿を現すことがある。
このような地形は『低潮高地』と言う。
日ロ中間線付近の船
海上保安庁の巡視船だと思うけれど、違うかもしれない。



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