北方四島はソ連・ロシアが実効支配している


 現実には北方四島はソ連・ロシアが実効支配していますが、日本政府は「実効支配」と言うことを嫌がっているようで、なかなか実効支配とは言いません。
 しかし、国会会議録を調べると、大臣が「実効支配」と説明したこともあります。


平成02年06月01日 参議院 地方行政委員会

奥田敬和・国務大臣(国家公安委員会員長)
 これは私は別に今外交を担当しているわけじゃありませんけれども、私個人が考える形においてです。我々はもう北方四島の一括返還、これは一歩も譲らない、しかし現実を直視した場合に、現実に四島はソ連に実効支配をされておるという事実、また法的には歯舞、色丹は既に根室の市の一部でもありますし、もう国後、択捉は北海道に参入されておる。そういった形の矛盾が現実にあるわけであります。



平成04年04月21日 参議院 外務委員会

渡辺美智雄 国務大臣(外務大臣)
 五六年の共同宣言では、平和条約が結ばれた暁には二島は返しますと、あとの二島はもう交渉ということになっておりますが、それだけではただ五六年に返っただけであって少しも進歩がないということですね。だから、まず五六年のものを認めた上でどうするかということになりますと、現実には三万人の人が住んでおって、その主権を認めて平和条約を結局結んだと仮定をしても、あしたすぐ出て行けということはなかなかできぬだろうと、現実問題としては。そこは柔軟な対応の仕方、引き渡しの条件その他においては柔軟に対応することはしばしばここでも申し上げたわけであります。
 今は不法占拠の状態だけれども、それが認められればそこらの言い方が変わってくるし、また現実にソ連があそこで実効支配を自分でやっているということ、これも事実であって、それは不法なやり方ではあるけれども、残念ながら、武力で追い飛ばすということはできませんから、日本は。したがって、これは話し合い以外にはないということですよね。


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