参議院  外務・法務委員会連合審査  昭和28年03月05日


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○團伊能君 竹島問題は一種の岩礁の人のいない島の問題でございますけれども、こういうことが起つて来ると仮定いたしますと、日本国民がその領土として住んでおるところの地域に対して国民といたしまして、一種の大きな不安を抱かせられる問題だと思います。事、竹島のみならず、日本は御承知のごとく周辺海をめぐらしておりまして、数多の島がございます。ポツダム宣言その他で書いてある極みて大ざつぱな四大島及びそれに附属する島嶋というようような観念で日本の領土を考えることができない。もつと非常に正確な微細に亘る地域の決定を何らかの方法においてして頂かなければこれは我々として安心できないような印象を持ちます。殊に歯舞群島のごときがこれが果していわゆる条約にございますキユーリル・アイランドであるかどうか、即ち千島であるかどうか。若しも千島でない、北海道附属島嶋であるといたしましたとき、それは国籍は日本にあつて只今ソ連軍の占領下にあるという状態になりますが、ほかのいろいろそういう島嶋もございますが、併し先ずこれに連関して歯舞群島のステータスはどうか。キユーリル・アイランドと申されますのは日本の領土であるかないか、その地域は。日本の現状の姿を簡単に、できたら併せて御説明を伺つておきたいと思います。

○政府委員(下田武三君) 平和条約の規定によりましてそういう不明確な問題は発生しないわけなんでありますけれども、誠に根拠のない韓国のような横紙破りを主張するから問題が起るのであります。現在のところ只今御指摘の歯舞、色丹両島とこの竹島以外に何ら紛争の発生が現実にございませんし、又ありそうな島もないわけでございまするから、その点は御懸念が不要ではないかと存じます。なお先ほどの政務次官の御説明を補足さして頂きますと、この間の国防部の発表のありました直後に私アメリカ大使館員と会いましたのですが、念のため聞きますと、米大使館は一笑に付しておりました。これは余りにも明白な問題であつて取るに足らんという態度であつたのであります。それで米軍の関係者と伝えられておりますのも軍の人間でありますし、韓国の国防部の発表でありまして、両政府の立場を代表する立場にある者が言つたことではないのでございまして、アメリカ自体が一笑に付しているような問題を日本が余りに大きく取上げて行くということは均衝を失しているのではないか。そういう考慮もありまして単に調査を求めて、そうしてその回答を待つておりましたが昨日回答がございました。内容はこれはただ軍で爆撃の演習を停止したというだけの事実の回答でありますので、迫つて米国政府の見解はアメリカ大使館から正式にあることと存じます。

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