衆議院水産委員会 - 17号 昭和26年03月03日

○冨永格五郎君
  歯舞諸島は色丹島及び花咲半島よりわずか三マイルの距離にある水晶島等五つの離島からなり、地理的には花咲半島の延長であり、つとに根室の一部として古来より日本人が居住していたのである。
  行政区域からしても、明治二年(一八六九年)色丹島は根室国花咲郡とせられ、また色丹島以外の五つの離島は、根室国花咲郡歯舞村に含まれ、明らかに北海道本土の一部をなしていたわが国固有の領土であり、南千島においてもこれと同様なる天然的歴史的環境を持つものである。
  これらの諸島はわが国国民特に漁民の永年の努力により開発され、本土と一体不可分のものとして経営されて来た領土である。



衆議院本会議 - 29号 昭和26年03月31日

○冨永格五郎君
 ただいま上程されました歯舞諸島返還懇請に関する決議案につきまして、同僚共同提案者を代表いたしまして、まず決議案を朗読し、趣旨の弁明をいたします。

  歯舞諸島返還懇請に関する決議案

  現在ソ連邦の占領下にある歯舞諸島は、地理的には花咲半島の延長であり、古来より根室の一部として日本人が居住していたのである。又行政区域からも歯舞諸島は根室国であり、明らかに北海道本土の一部をなしてわが国固有の領土であり、天然的、歴史的環境をもつものである。
  しかるに終戰当時これらの島に駐とんせる日本軍隊が千島と同一の指揮系統にあつて降伏した事情等のため、北海道と分離せられ、ソ連邦に引き渡されたのである。しかもこれらの諸島は、わが国水産業の上からは国民栄養の重要要素である水産物生産地としてまことに重要なる地域である。




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