北海道附属島嶼復帰懇請根室国民大会の決議
1947年8月10日根室国民会議採択(根室)


決議


北海道附属島嶼復帰懇請根室国民大会は、根室国民衆の名に於て左の決議をする

一 私達は祖国新日本建設の為めポツダム宣言を忠実に履行し世界に対し国際信義を昂揚せんことを誓うものである
一 私達は現在ソ連の占領下にある歯舞群島(色丹、多楽、志発、水晶、勇留、秋勇留)及び千島列島の一部を成す択捉島、国後島は私達の祖先が二百年以前より苦心開拓に努め其の伝統する子孫は蕃殖繁栄して現在に及び日本の附属諸小島であることは歴史と現実が明かに示す処である。故に私達は此の歴史と現実の実象を英明なる連合国軍総司令官マッカーサー元帥閣下に対し根室国民に依る祖国愛と同胞愛の燃ゆる熱意を訴へ好意ある取計いを懇請して速かに復帰するよう願望するものである
一 右諸小島はカイロ宣言にいわゆる日本が暴力又は貧欲により略取しまたは盗取したものでないことを連合国諸国に対し同情と理解を求むることも併せて努力せんことを期する

右決議する
  昭和二十二年八月十日
       日本国北海道
         根室国民大会   


出典)
北海道附属島嶼復帰懇請委員会 [編] 『四島を返せ : 択捉・国後・色丹・歯舞群島返還運動史』
根室市企画振興部国際交流課領土対策係 , 北方領土問題対策協会, 1997.3
PP70,71


注)「千島列島の一部を成す択捉島、国後島」にアンダーラインを付けたが、出典にアンダーラインはない。
 この文を見ると、国後島・択捉島が千島列島に含まれていることがわかる。

 しかし、浦野起央/編著『資料体系アジア・アフリカ国際関係政治社会史 第2巻 [第5分冊 h] 』では、「千島列島の一部を成す」の文が欠落している。北海道附属島嶼復帰懇請委員会の本は、この委員会の保管されている資料の写真なので、文言の信頼性が高いが、浦野の本は、この決議文の出典がなんであるかがわからないので、信頼性の検証ができない。


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