返還運動のシンボルマーク
返還運動のシンボルマークには、1977年に(特)北方領土問題対策協会(略称:北対協)が、全国から図案の募集を行い、制定した「北方領土返還要求のシンボルマーク」や、社団法人 北方領土復帰期成同盟(略称:北方同盟)が制定した北方領土返還運動シンボル「花(千島桜)」がある。
北対協や北方同盟が制定したシンボルマークが付けられているイベントや出版物は暴力団と関係ある可能性は少ない。
千島桜
北方領土返還運動シンボルに使われている花はチシマザクラです。チシマザクラとはタカネザクラ(別名ミネザクラ)の変種。
チシマザクラの学名は、Prunus nipponica var. kurilensis。
Prunusはサクラ属を示して、nipponicaはそのうちのタカネザクラ種を意味します。var. kurilensisは、クリール変種の意味です。
サンフランシスコ条約で日本は千島列島の領有を放棄したため、千島列島は日本の領土ではありません。ただし『条約正文にはKurile
Islands(クリール諸島)となっているので、北方四島はクリール諸島に含まれない』との説明が為されることがあります。このような日本側の説明は、国際的には、全く理解されませんが、シンボルの花にクリール変種を採用したのでは、国際理解はよりいっそう遠のくでしょう。
清隆寺の千島桜記念保護樹木
清隆寺境内には、何本かの千島桜の木がある。桜にしては、低木。
掲示板の説明
この木は、明治初期に国後島からこの地に移植されたもので、樹齢は100年以上と推定されています。千島桜とは植物学者の宮部金吾博士の命名によるもので、このほかにエトロフ桜、国後桜とも呼ばれています。
チシマザクラは、本州中部以北や北海道の高山、樺太、千島に分布する小高木ですが、この木は樹高3メートルあまりもあり、チシマザクラとしては大きなものです。5月中旬ごろから美しい花を咲かせて、市民の目を楽しませています。
昭和48年3月30日指定 北海道