羅臼国後展望塔


日本に都合のよいことを書くだけではなく、事実を捏造して、日本の正当性を主張する解説
 

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北海道目梨郡羅臼町礼文町32-1(Tel:0153-87-4560)

平成11年、北方領土問題対策協会が開設。現在、運営は羅臼町が行っている。



 建物は一階建てで、展示室・映像室・展望室・トイレが有る。展示室はパネル展示が主体。映像室には、10席程度のイスと、スクリーンが有る。
 建物屋上にも立ち入ることができ、ここには双眼鏡が備え付けられている(無料)。




 庭に立つ返還要求の碑


日本のビデオを見るロシア人 ロシア人旅行者はバスツアー

 訪ねたときは、ちょうど、4島交流のロシア人にビデオを見せていた。ビデオは日本語なので、通訳がついた。日本側が旅行代金全額負担で、日本に都合のよい話を聞かせるのだが、必ずしも史実を正しく説明するものではなく、日本に都合のよい事実のみをつなげた解説なので、ロシア人の心を捉えることは少ないだろう。こんな4島交流は、今では効果がないことがだんだん明らかになってきたので、最近は日本の他の地域を訪れることも多くなってきている。



クナシリ島を見たいのならば、羅臼国後展望塔よりも知床峠のほうが良い。下の写真は知床峠で撮影したもの。




 記念スタンプ


あきれた解説パネル

日本に都合よく書くのならばともかく、事実を捏造して、日本の正当性を主張するのはよくない。羅臼国後展望塔のパネルはちょっとひどい。


 北方領土の歴史を、日本に都合よい事実のみを書いたもの。
 このうち、「六、戦後処理 サンフランシスコ条約」の説明は、明白な捏造だ。
 このマンガでは、サンフランシスコ条約会議で、吉田首相が「千島列島に北方領土は含まれていません」と主張したようになっているが、事実は、吉田首相は国後・択捉を千島列島南部と表現し、領土放棄の留保をしていない。さらに、条約締結国会で、吉田内閣は、国後・択捉は放棄した千島列島に含まれると、答弁した。
 日本に都合のよいことだけを書くことは多いけれど、捏造は良くない。




密漁犯罪の羅臼漁協

 羅臼国後展望塔は丘の上にあるけれど、丘の下の街中には「道の駅羅臼」があって、ここの水産物売り場は羅臼漁協の直営。また、ここには知床食堂があり、羅臼漁協水揚げの魚などを食べることができる。下の写真は、人気メニューの「ホッケ定食」。写真のホッケが密漁物かどうかは分からない

人気メニュー「ホッケ定食」 知床食堂のノレン


 2010年1月、羅臼漁協の漁船が、国後島周辺海域で密漁中に、ロシア警備艇から銃撃される事件があった。当初、日本側は、ロシアに対する抗議声明を出したが、漁船の位置情報を示す衛星通信漁船管理システム(VMS)を故意に切った上での密漁犯罪であることが発覚し、羅臼漁協には行政処分が科された。
 2011年12月、羅臼漁協の刺し網漁船が、秋サケを大量に密漁したとして道海面漁業調整規則違反容疑で書類送検された。 羅臼漁協の秋サケ密漁は、2008年にも、根室水産協会などが、羅臼漁協に対して「漁協組合員が刺し網で秋サケを密漁している疑いがある」として、防止策を要望したとの報道があった(2008年6月の北海道新聞)ので、羅臼漁協の密漁犯罪は恒常的なのだろう。

 羅臼には、豪邸が立ち並ぶ。羅臼の漁民は、よほど儲かっているようだ。「密漁+脱税」なしに、漁村に豪邸が建ち並ぶことがあるのだろうか。

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