レビュー第7回目
                 ポンポコ
         
(CopyRight:株式会社シグマ)

               
 いつも見てるだけ

1982年、前回紹介したカンガルーと同じ年にゲームセンターにお目見えした
ゲーム。当時のゲームらしくグラフィックは地味ですが、(下の画像を見れば判ます
ね。タイトルでは「PONPOKO」の文字と狸が並んでいるだけ。)ゲームの内容
は当時としては良く練られていた、面白いゲームでした。

4方向レバーに1ボタン(ジャンプ)の入力で、地面に置いてある画鋲や亀裂を
ジャンプで飛び越し、左右に移動する敵鼠を避けながら、画面内のフルーツを
全部取れば面クリア。時間制限があり、もたもたしているとボーナス点が少なく
なります。
後半面に行く程パズル性が高くなり、地面に置いてある画鋲や地面の亀裂
がトリッキーになり、ドット単位のコンパネ捌きを求められるようになります。

又、面ごとに置いてある、「ツボ」を取ると、得点になったり敵ヘビが出現したり、
ツボがタイムオーバーにならないようにクリアする鍵を握っている面もありました。
(ツボの中身はヘビなのか得点なのかはツボによって決まっていました。)

CopyRight:株式会社シグマ


右上の画像はタイトル画面とデモプレー画面の合間に入るものですが、
「ショ○○ジの狸ばやし」の音楽が流れ、
「RUN RUN PONPOKO TO EAT THE FRUITS JUMP
BOUND AROUND WITH YOUR BIG BELLY OUT」
の文字が表示されます。
英語が駄目な館主、申し訳ありませんが意味が判りません。(T_T)



 -館主談-

お馴染み行き付けの世田谷区尾山○駅前のゲーセン「70○」。
(シリーズで読み返して見ると○で伏せる字が毎回違っており、既に意味を
成してないかも。)

学校での部活動が終わった足で部の電気科3バカトリオの
ひろ君(仮名),ナベさん(仮名),館主の3人で入店。
お互い何も言わないけれど、部活帰りの寄り道先は暗黙の電波系了解70○。
それぞれに好きなゲームを始め、程なくタイムパトロールの穴ボコを越すコツが
掴めずにゲームオーバーになった館主がふと相棒ひろ君を見ると…
…なんか熱中している模様。

早速見物でも洒落込もうと、隣の筐体の椅子に着席。
(皆様、お店に迷惑が掛かるので真似しませんよう。)
ふと気が付くと2P側の椅子にはナベさんも着席。さすが考える事は一緒。
(1982年当時は現在の形の「アップライトタイプ筐体」と言うものが
無く、テーブルタイプが主流だったのでできたことです。)

… …

「おーいひろ君、これ何?」
「てれびげえむ!」(彼の性格…17年経った今でも変わってません。(^^; )
「いやそうじゃなくって…」

「ポンポコ。…あよっ、あよっと!…」

               CopyRight:株式会社シグマ

「果物を取ればいいのか…、あれ?ツボからヘビが出てきて…
ねえ、それって飛び越せないの?」

「… … … …」

…いやいや私が悪うございました、熱中している人間の気を無闇に散らしては
いけません…。

しかしひろ君のプレー、見るとなかなかうまい。既に10面を越えている様子。
暫く眺めていると、なんだか狸の動きがユニークで面白そう。
しっぽをパタパタさせて歩き回りなんとも剽軽。
そうこうしているうちに一体何面まで進んだであろうか、
既に館主の記憶は無いが、一目見ただけで足場が悪い難解な面に突入。

「あああ、足場が1ドットずつしか無い!…おい、大丈夫?」
「… … うーん、…あよっ、あよっと… … …ああっ!!」

…キュウウウウウと言う音と共にクルクル回り、落ちて行く狸。結局同じゲキムズ
な1ドット足場地帯を越す事ができず狸は墜落死を繰り返し、ついに
ゲームオーバー…。
ひろ君の実力ならまだまだ行けただろうに、流石にギャラリー2名が貼り付いて
いた事があってか、いまいち調子が出なかった様子。
… … … …

「…ねえ、そろそろ上(喫茶店)に上がろう…」
…ナベさんが言いだしっぺ。
「そうしよっかっ!」と相変わらず剽軽なひろ君。
「ほんと、そうだね…。」と毎度主体性の無い館主。

3バカトリオ超マンネリパターン。だが本当は館主、心の中では引き続きこの
ゲームをプレーしてみたかったのであるが…性格の成せる業、結局この日は皆に
賛同することに。

「…よし、明日から一人でプレーしてみようっと。こっそりうまくなって
ひろ君に自慢してやるんだ…!!」


-あとがき-

結局は館主、ひろ君の腕前を越える事ができませんでした。
(動機も不純でしたし)
あまり自分でやり込んだゲームではありませんでしたが、後年つい懐かしくて
基板を購入しプレー回数をこなしましたが、館主の腕前が当時以上に上がる事は
ありませんでした。

…やはり歳ですかね…。(^^;



-基板のウンチク-(素人な館主談)

この基板、CPUはZ80を1個のみ搭載している2階建ての小さい基板で、下の階
はRAMボードの模様。上の階にROMが8個ばかりと、音声部用にTTLICと
少々のディスクリート部品があるだけの、極めてシンプルな出来です。
今まで館主が見た中で最も簡素な基板の部類に入るかと思います。

そういえばVGMってプレーの始めに流れる短い曲とデモ画面の狸ばやしだけで、
プレー中は効果音だけでしたね。(笑)

まあ、当時はハードの性能では無くゲームの中味で勝負だった、と言うことで。
これって今でも不偏の真実なんですけれどもね…
いやいや、何も言いますまい。(^^;



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