-業界こいばな第13話-
ソ○ーの落日を杞憂する

さて、久しぶりにアレなコンテンツです。(^^;;
まあ場末なHPの管理人が言う事です。さして世に影響は無いかと思いますが。

最近ソ○ーの動きがどうも変調をきたしているような気がします。
DVDコントローラー付きPS2を販売するとか。
ゲームソフトをインターネット経由で認証するシステムを夏から行うだとか。
今回この辺を最近耳にした情報を交え、ちょい取り上げてみたいと思います。


−将来性があるように見えるソ○ー−

さて、グランツーリスモの続編でしょうか、発売当初に「100万本出荷!」と
異例なまでにマスコミが取り上げて、PS2が飛ぶ取りを落す勢いと言う印象を
消費者に与える記事をあちこちで見掛けたのは皆様も記憶に新しいところと
思います。

昨年のDVDコントローラー付新型PS2に続き、なんですか、今度はGT2
のおまけ付きPS2が39800円とか。(おまけ無しは37800円とか)
いかにも消費者が喜びそうなサービスです。

これらの出来事を一点で見据えてしまえば、ソ○ーのたいそう明るそうな
未来像が浮かんで来ますね。

−視点を変えてみたりする−

さて現場サイド、某大手ファミコンショップの声を実際に聞いてみますと、
「『売れてる』と言われますけれども、実際それ程売れてません。」
とのこと。

昔ファ○通で「セガサターンはプレステと同等の売れ行き」とうたわれていた
「次世代機」シェア争い後期、実際は1:3の売り上げの差があると現場サイド
の情報で、結局こちらの方が正しかった事を考えると、決して不正解ではあり
ますまい。
某誌の提灯記事よりも現場の実情を聞いた方が正しい事があるものです。
「完売率が発売当初で約50%程」(記憶曖昧)と決して良くは無い事を伝える
情報も他所であったりもしました。

このギャップはなんなんでしょう。

考えてみれば、ゲーム1本の発売に合わせて大手新聞社が一斉にこれを報じる
事自体、なかなか無い事です。
例え100万本売れたにしても、それを報じるのはゲーム雑誌関係位かなと思う
のですが、…ましてや今回記事になったのはそれ以前、出荷本数ですから。
アーク○ラッドもあと30万本多く出荷してれば新聞記事になったんでしょう
かね。(笑)

これ、嘘を本当にしてしまう企業戦略かなと個人的には想像してます。
ミリオンセラーと印象を消費者に植え付け、「私も買おうかな」とつい思わせて
しまう策かと。
その昔βビデオ機の新聞の見開き広告一週間連続掲載なんてのもありましたね。
「ソ○ーはβを止めません」と、それはそれは花々しく良い点を列挙してました。
(却ってそれが逆効果になりましたけれども。)
大企業ともなるといくらでもマスコミを利用できるものです。

ペンは剣よりも強いですけれど、実際金には弱いものです。
メールウイルスの問題だって「アウトルックを他のメーラーに変更する」と言う
根本対策を各メディアが口にしない事からもお分かりになるでしょう。
下手にたてつけばスポンサーを失う事になりますからね。
イ○テ○社が「新型○○○のパフォーマンスが、実は旧型よりも劣る」と言う事実
を記事にしようとした某雑誌社に対し、「広告をあげない」圧力を掛けて阻止した
事があったとも聞きます。

… … … … …

一方、ソ○ーの企業としての勢いはどうでしょう。
前期は大幅に下方修正して、ゲーム部門だけ見れば赤字でしたね。
昨年末DVDリモコン付きPS2が発売されたのと同時期に株価も1万円半ば
から7千円台まで落ち込んだりもした記憶がありまして、実際投資家は良く見て
いるなあと。
まあ、新規ゲームマニアを育てきた任天堂やゲーセンっ子を育ててきたセガと
違って、根本は家電屋の発想ですから徐々に市場をこんなにしてしまったとも
考えられますが。
(S○Eではそれなりに売れる商品について研究されているようですが。)

それから、個人的にファミコンショップに出向いてみると、いつ行っても客が
PS2ソフトが陳列されている前にあまりいません。
客が付いているのはPS1とゲームボーイ系と言った印象を受けます。
(あくまで個人的な印象です。ついつい客の流れまで見てしまう自分がいかにも
通ぶってて非常に嫌になりますけど…。)

まあ、そうは言ってもGT2がそこそこ売れているのは事実でしょう。
しかしこれは他に購入するPS2ソフトが無いから、つまりソフト購入の
選択肢が無く、これしか買うものが無いから起きている現象かも知れません。
「話題になったソフトだし、実際前作は面白かった」
そう言う理由で購入するライトユーザーは何も私に限った事ではないでしょう。

実際、最近エ○ッ○スが出した妙ちくりんなゲームはさっぱりのようですね。
新品と中古の値差が既に某店で20円しか無い事から察しが付いたりします。
流石に今回はゲームメーカーのネームバリューさえ効かなかったようです。
「中年男性の受け狙い」ではなくもう少し「品位」を考えたらいかがでしょうかと
敢えて苦言させて頂きましょう。

−ソ○ーの企業姿勢の変調−

リモコン付PS2はまあ、DVDの普及に貢献する良い題材として。
と言うか、既に再生専用機はPS2の半額で買えますし、そちらの方が使い勝手
が良いのですが…(DVD機を買い直した方が結構いらっしゃると聞きます。)

先月からでしょうか。
契約店鋪との取り引きの規約が変わったのは。

従来は余剰在庫のソフト(悪く言えば売れない不良在庫)については返却が可能
でしたが、これについて今後は
「納入して1週間以内のものに限る」
事になったそうです。
数年前、たいそうはぶりの良い頃に
「PS1ソフト、市場の余剰在庫を買い取ります」
とマスコミを通して豪語していた程でしたがねえ。(当然新品に限ってのこと)
契約ファミコンショップは裏切られた気持ちで一杯でしょう。

今後市場で
「GT2がPS2の某番台で動作しない!初期不良だ!」
(本当のようですね)
などと一週間が過ぎてから店にクレームが打ち上がったとしても、当然売れ残りの
ソフトを含めて返却はできないでしょう。

そう言えばこれについて問い合わせをすると
「初期型のものはDVDドライブに問題があります」
と言われるとか。
既にクレーム応対用のマニュアルもできているのではないしょうか。
「微細な異物により起きていた事です」とも聞きますし、情報を合わせてみれば
「初期型PS2のDVDドライブはレンズに付着したゴミに弱い」
と言う事なのでしょうか?

どのDVDも問題なく再生できるのに、GT2に限って不具合が起きるDVD
ドライブって変ではないですか?どういったしくみなんでしょうか。(笑)

ついでに申し上げておきますが、DVDの不具合の修理を依頼したら
9000円の修理費
が掛かったとのことです。
ついでに「見積もり料」も1000円取られて。
もっと言えば、これらの費用は「税別」ですし。
更に言えばこれ、別に消費者や店の責任では無いですし。

…どうもおかしいですね。
ソ○ーはいつから見積もりの費用を請求するようになったのでしょう。
こんなん他所で聞いた事がありません。一体何の為の見積もりなのかと。
見積もりを見て修理をするかどうか決めるのでさえ費用が掛かると言うのです。
こんなんマニュアル化されていて大した計算では無いはずですが。

これはもう「お断りの見積もり」(高い見積もりを出して修理を断る事)
ではなくて、「見積もりのお断り」なのですから、企業としては手間が省ける
なかなか上手な「お断り」なのでしょう。

で、実際に修理に出してみれば、おそらくPS1の修理と同様、ROM交換も
されるのではないかなあと。
(館主、PS1熱暴走初期型の修理を出したら8000円の修理費でドライブと
ROM交換がされてました。どうもセキュリティのVer.UPの為のようですね。)
企業の都合であるはずなのにROM交換費用を見積もりに上乗せするのは感心
しませんね。

この不具合の原因として館主が推測できるのは、
セ○サ○ーンが○ー○ROMのバグを持っていたように何らかのバグが本体に
あるのか、またはPCエンジンCD-ROM2ソフト「獣王記」のように、
「使ってはいけない領域を使ってしまったので新カードで動作しなくなった」
ようなソフト屋のミスか、いずれかでありましょう。

まあ、いずれにしても言えるのは、自社責任により発生する費用を全てお客様に
持たせている事でしょう。

こうしたソ○ーの企業姿勢の変調から、皆様も容易に見えてくるものがあると
思います。
赤字決算のゲーム部門、市場で起きた不具合をやすやすと認めてさらなる出資
をするなんて企業内で許すはずはありません。
GT3の回収&交換やPS2の無償Ver.UPなんてできるはずがありませんね。
見積もりで小銭を稼ごうとする程なのです。

この手の話、車メーカーならリコールがごく当たり前の事ですし、携帯電話機も
ソフトバグに起因する自主回収騒ぎ等がありましたが、ソ○ーさんいかがなもの
でしょうか。
まあ、Ver.1のユーティリティーディスク交換なんて事は実際ありましたけれども
これは海外戦略でDVDのリージョンフリーな仕様が大いに影響を及ぼす事が予測
されるので仕方なく行った事でしょう。
ユーザーにとって何ら不都合は無い上に短い納期まで決められていた一方的な
発表に、9割以上の方はディスク交換に応じなかったのではないでしょうか。

今回の件から、
少しでも赤字の削減を図ろうとソ○ー内部が動き出している
様子が伺い知れると思います。
対外的にこれ程の事をするのですから事態も深刻なのでしょう。
ハードの赤字をソフトのロイヤリティで賄うのが従来からのハードメーカーの
やり方ですが、思うようにPS2ソフトの売り上げが伸びず、DVD機としては
売れていると言う現象が問題になっているかと思います。

それでも対外的には強い発言をされますねえ。さすが大企業と言ったところ
ですか。

「どこぞのメーカーに凄い映像のものを作って貰え」
「PS3を出すぞ」
「夏からゲームソフトをインターネット経由で認証するシステムにする」
「X−BOXなど死んだも同然」

まあ、随分勝手な事を。(笑)

凄い映像など今では「必要条件」に過ぎず「充分条件」ではありません。

PS3はPS2の「交換が容易でない内臓電池」(半田付けされてたり)が切れる
前に出さないといけないのではないですか?(笑)
電池の交換費用は当然お客様持ちですね?保証期限外として。

インターネット経由認証の為にモデムとHDにライトユーザーが計3万程出費して
くれますかね?2002年発売のFFXIにおんぶですか?
CATVの株を大量購入したのはゲームオンラインプレーのインフラ整備ですか?
的外れにならない事を祈りましょう。
ついでに言えば、中古撲滅オンライン認証システムの導入によって発生する
「中古として売れなくなったソフトを購入する」
と言うリスクをライトユーザーが負ってくれますかどうか…。

X−BOXについては意見が合いますね。(笑)
ABCDの4ボタンのうちBボタンの寿命が一番長いコントローラーにならない事
だけは祈りたいものです。(A+C+D=Alt+Ctrl+Delete)
DOSに頼らない新OS、XPに特化した方が良いかと思いますが。
いや、それが危ういからこそゲーム業界に活路を見い出そうとしていらっしゃる
のかも知れませんですが。
18禁ギャルゲーが出るのであればコアな方々が買って下さるでしょうね。

… … … … …

まあ、随分勝手に申し上げてきましたが、
ソ○ーのゲーム業界に対する戦略のまずさが結果として今の赤字を招いていると
言えるのではないでしょうか。
ソ○ー固有の人気ゲームキャラクターもいないようですが、ぱらっぱ(以下略)
…いや、私の知識不足でしたら申し訳ありません。(笑)

任天堂のキューブが秋に出るとの事ですが(毎度のブラフかも)今後のシェア
どうなります事やら。
任天堂はソフト作りにこだわりを持っている企業ですからね。
N64の「発売当初のソフト不足」の失敗も学習してますでしょうし。

そう言えばGT2付PS2、現場サイドでは不評ですね。
GT2付PS2が39800円、GT2無しが37800円。
と言う事は、GT2は2000円
ただでさえ冷えているPS2ソフト市場でこれやったら店は何売ったら良いの
でしょう?
現場から「シねと言っているようなもの」と声も上がっている事、敢えて
最後に付け加えさせて頂きましょう。

−他のゲームメーカーの動きなど−

今言われている黒字優良企業は、コ○ミ,任天堂,光栄の3社でしょう。
コ○ミなんかは勢いでスポーツ方面に種を捲きたいだけ捲く程で、すっかり
エンターティメント企業の土台を確立してますね。スポーツ施設を130程持つ
赤字企業ピープルを758億円で買収するまでに至るとは。
今後チルコポルト化の展開でもあるのでしょうか?
大のコ○ミファン館主(1999年以前)は非常に興味があるところです。

一方ナムコとスク○アは赤字。
スク○アがいつか赤字転落する予測は以前からこのコーナーで述べておりました
けれども、ナムコは意外な感じでしたね。
まあ、あれだけの画像のゲームを出していれば、容易に開発費の高騰が想像でき
ますけれども。でもって、「損益分岐点」と言うものに対し市場がこれに付いて
来なかったと言うあたりが要因なのでしょう。

で、この赤字企業2社にエ○ッ○スが加わり3社提携になったのは皆様の記憶に
新しいと思います。
まあ、エ○ッ○スもゆくゆくは赤字予定企業と推定されますから、内情では今の
うちに対外的な体制を固めておきたいところなのでしょう。

それにしても、どこも黒字優良企業コ○ミと提携しようなどと思わないところが
趣深いですね。
いや万一提携などしたら企業イメージが悪くなり過ぎますからしませんでしょう
けれども。
ことスク○アは「劇空間なんたら」とか言う野球ゲームでコ○ミと一波瀾
ありましたから絶対付いたりはしないでしょうし。

端から見たら、今のコ○ミの節操無い企業姿勢に警戒して3社が包囲網を構築
したとも見れますね。
相手は「クロスライセンス」だなんてバカも言ってますから。

版権や特許問題に関わらず「デジタルコロコロコミック」なんて商標まで取る、
ドメインゴロみたいなやり方に好感を持つ企業は皆無でしょう。
そう言えばファ○通で驚く程コ○ミの記事が減りましたが、既に出版関係も
敵に回っていると言う事ではないでしょうか。
(この辺り、以前のコンテンツでも申し上げてますね。)

まあ、3社連合には今後業界の健全化に向けて頑張ってもらいたいものです。
健全化は目指さないもかも知れませんが、結果的にそうなれば言う事は無い
でしょう。
館主、コ○ミ臭が漂うゲームばかりが市場に溢れる事を健全とは思いません。


あとがき

読み返してみるとかなりダークな内容になってまして、もし不快を感じた方が
いらっしゃいましたら申し訳ありません。m(_ _)m
ただ、現在ゲーム業界トップシェアの企業が徐々に勢いを失いつつある現状を
心配して言っている事だけは申し上げておきましょう。
リーダーシップを取るべき企業がこのまま行けば、ゲーム業界が共倒れに
なりかねかせんからね。
                               文責:館主



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