ドラフトタワーとビアジョッキ

ビールの冷却方法



ビールを飲む時は、そのビールの種類に合った適正な温度で飲みたい物です。しかしケグを部屋に置いているだけでは、ビールは室温ですので生ぬるいビールを飲むことになるでしょう。そこでなんらかの冷却の手段が必要になりますが、この点はあきらかにビンに比べて面倒です。以下はケグのビールの冷却方法を羅列した物ですので、参考にしてください。

1.ジョッキーボックス
ジョッキーボックスとは、ピクニッククーラー等の保温性の良い箱に、ステンレスや銅のコイルを通しておき、その周りを氷で埋めて使う物です。ケグからでたビールをこのボックスの冷却コイルに通すことで、ビールの熱が氷等に奪われますので、冷えたビールを楽しむ事ができます。割と簡単に自作も可能ですが、飲む都度に氷を用意する必要があるのが最大の欠点でしょう。なお、冷却コイルは錆びや緑しょうが発生しないので、ステンレス製が良いのですが、入手が困難です。
2.冷蔵庫でケグごと冷やす
幸いにケグが数本入る大きな冷蔵庫を持っているなら、ケグをそのまま冷やすのが最も簡単かつ有効です。この場合ケグの扉に取り付ける為のフォーセットのキット(Refrigerator Conversion Kit)が自家醸造店で買えますので、冷蔵庫をサーバー代わりに使うことができるのです。ただしCO2タンクまで冷蔵庫に格納することはできませんので、ガスラインを冷蔵庫の外にあるレギュレイタから取る必要があります。そのためには冷蔵庫の側面に穴を開ける必要がありますが、冷媒が通るパイプなどを傷つけないよう、充分に注意して作業する必要があります。なお、昨今の家庭用冷蔵庫は扉の数が増え、ケグをそのまま入れることができるような物は少なくなっています。まずケグがうまい具合に納まる冷蔵庫を見つけることが難関でしょう。そして大きな場所を取るというのもかなり問題です。
3.冷蔵庫に吸熱ユニットを設置
小さな冷蔵庫を使える時は、冷蔵庫をジョッキーボックスの替わりに使うという手が考えられます。具体的には冷蔵庫内に冷却用コイルを配した水槽を設け中に水をはっておき、その中にビールを通すと、水が充分に冷えていれば冷えたビールを得ることができます。ただしビールを通す都度に水の温度は上昇しますから、サーブできるビールの量にはおのずと限りがあります。多量にサーブしたいときは、水と一緒に氷を入れて置くのが良いでしょう。現在の私のサーバーはこの形を取っており、数杯であれば夏場でも冷たいビールを楽しめます。
水槽の替わりにコールドプレイトという、アルミ等のブロックに冷却管を通した物を使うこともできます。ただし水に比べて金属は熱容量が小さいため、多量のビールをサーブすることはできません。多量にサーブする時は、コールドプレイトに水や氷を組み合わせて使う必要があります。
3.市販サーバ
冷蔵庫等を用意できない場合は、居酒屋等でビールをサーブしているステンレスの箱型のサーバーを使うという手もあります。新品はかなり高いものですので、中古を購入するのが安く済むでしょう。構造的には冷水槽中にビールを通して冷やすものなのですが、水槽の水が半分程凍る構造になっているため、かなり多量のビールをサーブできます。またスペースファクタも良いため、ケグ以外の置き場所が無い方などにぴったりです。しかし何といっても入手の難しさがネックです。新品であればホシザキの代理店をあたれば、手に入れることは可能でしょう。
4.サーバの自作
もし根性があるなら、ケグ全体を冷やす式のサーバを作ることが可能です。断熱性の良い箱を用意しその中にケグを入れ、箱の中のケグをディスプレイ冷蔵庫等に使われている冷却ユニットで冷やせば良いわけです。もっともこの冷却ユニットが入手できるかとか、箱の工作はどうするか等、問題は山積みです。しかし自作ですから、木製のカウンターにタップのタワーを立て、そこからビールをそそぐといった、非常に凝った物を作ることも可能です。本ページの頭の写真は私が作成した木製キャビネット型ビアサーバのタップの部分です。

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