ケグでの発酵


ケグを手に入れた人はわかると思いますが、非常にコンパクトで丈夫です。その上衛生的なステンレス製であり、もちろん密閉容器ですので、発酵容器として使うことができます。

1.一次発酵での使用
ケグで発酵させるときのセットアップ図 一次発酵の容器にケグを用いる場合、問題となるのはその容量です。ケグの容量は19リットル(5ガロン)で、それは我々の通常の仕込み量とほぼ同じです。その結果たとえエアーロックを付けておいても、発酵によって発生した泡やオリ等が逃げるスペースが無く、それらはエアーロックからあふれ出てしまいます。
そこでケグを一次発酵容器に使用する場合は、ブローオフ式で発酵を行います。ブローオフ式とは、ほぼ容器に満杯のワートを発酵させ、発生した泡やオリをホース等を通じて外に取り出す方式です。ホースの先は水を入れた容器に差し込んでおき、雑菌がホースを通じてワートに入り込むのを防ぎます。
ケグでブローオフ式を実現するには、まずガスイン側のプラグを取り外し、その代わりに内径の合う太いビニールホースを繋ぎます。ホースの取り付け部分はクランプなどできっちりと絞めておきます。そしてそのホースの先端を、水を入れた容器に差し込んでおいてください。
この構成で発酵を行うと、ガスインのプラグの穴があまり太く無いため、発酵カスが穴に詰まることがあります。これを避けるには、より太いホースを取付けられる様にケグの蓋を改造する方法もあります。具体的にはケグの蓋のレリーフバルブと蓋の端との中間くらいに穴をあけ、そこにホースを取付けられる金具を付けるのです。もっともこの様に改造した蓋は、本来のケグの蓋としては使えなくなります。もしそのケグを発酵容器専用にするのでなければ、交換用の蓋を別途入手して改造してください。
2.二次発酵での使用
ラガーリング等の二次発酵の容器にケグを用いる場合、私はケグをそのまま使用しています。つまり密閉容器のままで、エアーロックを付けるなどはしていないのです。本来であれば発酵によって発生したガスなどを逃がすために、エアーロック等をつけるべきなのでしょうが、面倒なのでやっていないのです。今までの経験では、これが原因で特におかしなビールができたことはありません。
実は、炭酸飲料用のケグは低圧では完全には密閉されない構造(このため米国等ではケグの蓋のパッキンをより太い物に変更して、密閉度を高める等の対処を行ったりする)のため、発酵によって発生したガスは少しずつ抜けているのではないかと想像しています。

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