-
1.特例の概要
法人又は個人が国内にある10年超所有の土地等、建物等を譲渡して、国内にある土地等、建物等、機械装置を取得し、取得日から1年以内に事業の用に供した場合、その譲渡資産の譲渡益又は買換資産の取得価額の80%相当分については、課税を繰延べることができます。
-
2.改正による制限
買換資産の土地等の範囲を、事務所等一定の建築物等の敷地の用に供されているものその他一定のもののうち面積が300u以上のものに限定することとされました。
事務所等とは、事務所、工場、作業場、研究所、営業所、店舗、倉庫、住宅その他これらに類する施設(福利厚生施設に該当するものを除く。)をいいます。
-
3.計算例1(譲渡価額>買換資産の取得価額)
譲渡価額:1億円
譲渡資産の取得価額:1千万円
買換資産の取得価額:9千万円
課税対象額=1億円−9千万円×80%−1千万円×(1億円−9千万円×80%)/1億円
=2,520万円
つまり、1億円−1千万円−2,520万円=6,480万円の所得が繰延べられることとなります。
-
4.計算例2(譲渡価額≦買換資産の取得価額)
譲渡価額:1億円
譲渡資産の取得価額:1千万円
買換資産の取得価額:1億1千万円
課税対象額=1億円×20%−1千万円×20%=1,800万円
つまり、1億円−1千万円−1,800万円=7,200万円の所得が繰延べられることとなります。
-
5.土地等の面積制限
買換資産が土地等である場合、その面積が譲渡資産の土地等の面積の5倍を超えるときは、その超える部分については特例の適用がありません。
-
6.取得期限
(1) 原則
個人:譲渡した年内
法人:譲渡した事業年度内
(2) 先行取得
個人:譲渡年の前年中
法人:譲渡事業年度開始の日前1年以内
※ 先行取得資産の届出が必要です。
(3) 翌年度取得
個人:譲渡年の翌年中
法人:譲渡事業年度の翌事業年度開始の日以後1年以内
※ 取得見込資産の明細書の提出が必要です。
-
7.適用期限
平成26年12月31日までに、特定事業用資産を譲渡した場合に適用を受けることができます。
※ 改正による制限は平成24年1月1日より適用されます。