- 1.扶養控除の見直し
- (1) 年少扶養控除の廃止
扶養控除のうち16歳未満の年少扶養親族に係る扶養控除が廃止されました。
- (2) 特定扶養控除の廃止
16歳以上23歳未満の特定扶養親族のうち、16歳以上19歳未満の者に係る扶養控除の上乗せ部分25万円を廃止し、扶養控除の額が38万円のみとされました。
- (3) 同居特別障害者加算の特例の改正
扶養親族又は控除対象配偶者が同居の特別障害者である場合において、扶養控除又は配偶者控除の額に同居特別障害者加算として35万円を加算する措置について、年少扶養親族に係る扶養控除の廃止に伴い、特別障害者控除の額に同居特別障害者加算額35万円を加算する制度に改められました。
加算方式が変わっただけで障害者控除額自体の増減はありません。
- (4) 適用年度
上記の扶養控除の改正は、平成23年分以後の所得税について適用されます。
- 2.少額上場株式等の非課税口座制度の創設
- (1) 概要
平成24年から実施される上場株式等の譲渡所得・配当所得に係る税率が特例10%から本則20%になるのにあわせて、非課税口座内の少額上場株式等に係る譲渡所得・配当所得を非課税とする制度が創設されました。
- (2) 非課税投資枠
平成24年から平成26年までの3年間で各年合計100万円(3年間で最大300万円)までの上場株式等への投資から生じた譲渡所得・配当所得が最長10年間非課税となります。なお、年間100万円の非課税投資枠は翌年以降に繰り越すことはできません。
- 3.生命保険料控除の改正
生命保険料控除の適用限度額について、現行、一般生命保険料控除5万円、個人年金保険料控除5万円の合計10万円が、平成24年1月1日以後に締結される保険契約については、一般生命保険料控除4万円、個人年金保険料控除4万円、介護医療保険料控除4万円の合計12万円となりました。
- 4.居住用財産の買換えの場合の譲渡損失の繰越控除制度の延長
居住用財産の買換えの場合の譲渡損失の繰越控除制度について、譲渡対価を2億円以下とする要件を加えた上で、適用期限が平成23年12月31日まで2年延長されました。
- 5.特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除制度の延長
特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除(住宅ローンを有する場合の特例)の適用期限が平成23年12月31日まで2年延長されました。
- 6.住宅取得資金の贈与税の非課税制度の改正
- (1) 非課税限度額の引き上げ
直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税限度額が現行500万円から次のように引き上げられました。
- @ 平成22年中に住宅取得資金の贈与を受けた者 1,500万円
- A 平成23年中に住宅取得資金の贈与を受けた者 1,000万円
- (2) 所得制限
なお、適用対象となる者は、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下の者に限定されました。
ただし、平成22年中に贈与を受けた者については、改正前の制度と選択適用ができますので、合計所得金額が2,000万円超であっても、500万円の非課税制度の適用を受けることが可能です。
- (3) 適用期限
この制度の適用期限は平成23年12月31日までとされます。
- 7.相続時精算課税制度の改正
住宅取得資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特別控除を1,000 万円上乗せする特例が平成22年より廃止され、年齢制限をなくす特例の適用期限が平成23年12月31日まで2年延長されました。
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