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【新事業承継税制】

1.非上場株式に係る相続税納税猶予制度
(1) 概要
 経営承継相続人が、経済産業大臣認定を受ける非上場会社の株式を、相続等により取得し、その会社を経営していく場合には、その経営承継人が納付すべき相続税額のうち、その取得した株式(発行済株式総数の2/3まで)に係る課税価格の80%に対応する相続税納税猶予されます。
(2) 経営承継相続人(後継者)の要件
 被相続人の親族で会社の代表者である者で、相続人と同族関係者で発行済株式数の総数の50%超を保有し、かつ、同族内で筆頭株主であること、その他所定の要件を満たすこと。
(3) 被相続人(先代経営者)の要件
 会社の代表者であった者で、相続開始直前被相続人と同族関係者で発行済株式数の総数の50%超を保有し、かつ、同族内で筆頭株主であったこと。
(4) 納税猶予額
A − B の額
A 経営承継相続人が特例適用株式のみを相続すると仮定して計算した経営承継相続人相続税額
B 経営承継相続人が特例適用株式の20%のみを相続すると仮定して計算した経営承継相続人相続税額
(5) 適用年度
 平成20年10月1日以降の相続について適用されます。
 
2.非上場株式に係る贈与税納税猶予制度
(1) 概要
 経営承継受贈者経済産業大臣認定を受ける非上場会社の代表者であった者から一定以上の株式の贈与を受けた場合には、贈与税全額納税猶予されます。
(2) 対象となる贈与
@ 先代経営者の持株 ≧ 発行済株式数×2/3後継者の持株
 後継者の持株が発行済株式数の3分の2になるような贈与
A 上記@以外
 先代経営者の持株全部の贈与
(3) 経営承継受贈者(後継者)の要件
 被相続人の20歳以上親族で会社の代表者である者で、受贈者と同族関係者で発行済株式数の総数の50%超を保有し、かつ、同族内で筆頭株主であること、その他所定の要件を満たすこと。
(4) 贈与者(先代経営者)の要件
 会社の代表者であった者で、贈与直前贈与者と同族関係者で発行済株式数の総数の50%超を保有し、かつ、同族内で筆頭株主であったこと、贈与時以降に会社の役員でないこと。
 
(5) 適用年度
 平成21年4月1日以降の贈与について適用されます。
 
3.猶予税額の免除
 猶予された相続税または贈与税は、次の場合には、納税が免除されます。
(1) 後継者死亡した場合
(2) 会社が破産または特別清算した場合
(3) その他所定の場合
 なお、贈与税の納税猶予を受けた場合で、先代経営者が死亡した時は、贈与税の納税は免除されますが、相続税が課税されることになります。ただし、経済産業大臣の確認を受けて相続税の納税猶予を受けることが可能です。
 
4.手続き
(1) 経済産業大臣の確認
 相続開始前または贈与実行前に、経済産業大臣確認を受ける必要があります。
 そこでは、後継者が決定していること、計画的な事業承継の取組が行われていることについて確認されます。
(2) 経済産業大臣の認定
@ 認定
 相続開始後8ヶ月以内または贈与翌年1月15日までに、経済産業大臣認定を受ける必要があります。
 そこでは、会社の要件、後継者の要件、先代経営者の要件を満たしているか認定されます。
A 認定対象会社の要件
 中小企業基本法の中小企業であること、非上場会社であること、資産管理会社に該当しないこと、その他所定の要件を満たすこと。
(3) 申告
 相続税または贈与税申告書および所定の書類を申告期限までに税務署に提出するとともに、猶予税額および利子税に見合う担保を提供する必要があります。この場合、特例対象の非上場株式の全部を担保提供すれば足るものとされます。
(4) 報告
 相続税または贈与税の申告期限から5年間、事業を継続する必要があります。
 継続期間中は毎年1回経済産業局に所定の報告書を提出する必要があります。また、税務署に対しては毎年1回、期間経過後は3年に1回継続届出書を提出する必要があります。
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