- 2.売上原価
- (1) 決算書のチェックポイント
- @ 粗利益率
前期以前と比較して粗利益率が大きく低下している場合や、同業他社と比較して粗利益率が著しく低い場合、売上原価の過大計上が疑われます。
- A 売上原価構成比率
前期以前と比較して売上原価(材料費・労務費・外注費・経費)の構成比率が著しく変動している場合や、同業他社と比較して売上原価の構成比率が著しく異なる場合、売上原価の過大計上が疑われます。
- B 販売管理費と売上原価との混同
収益に対応すべき売上原価が期間費用である販売管理費に混同されることによる所得計算の誤りがないかチェックされます。
- (2) 架空仕入
請求書・納品書等の無い仕入が計上されていないか調査されます。
反面調査・銀行調査等により、偽装の請求書・納品書等がないか調査されます。
- (3) 翌期仕入の計上
請求書・納品書等の日付を見て、翌期の仕入が当期に計上されていないか調査されます。
- (4) 棚卸資産
期末棚卸資産が過少に計上されているため、売上原価が過大になり、所得が過少になっていないか調査されます。
- @ 棚卸表
棚卸表の金額と決算書の金額が一致しているか調査されます。
棚卸表の金額が正しいか、商品の受払記録等で調査されます。
実際の棚卸表とは別に決算用の棚卸表が作られていないか調査されます。
- A 未着品
仕入には計上されているが、未着であるため棚卸資産に計上されていないものがないか調査されます。
- B 預け在庫
仕入には計上されているが、仕入先・他社倉庫等に預けているためで棚卸資産に計上されていないものがないか調査されます。
- C 付随費用等
引取運賃・関税等が購入代金として、検収費用・移管費用等が付随費用として棚卸資産の取得価額に算入されているか調査されます。
ただし、付随費用が購入代金の3%以内であれば、取得価額に含めないこともできます。
|