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【これでいいのか日本の税法 Part1】
〜プロローグ〜
 

 税金の仕事に携わっておりますと、日本の税法の理不尽さを痛感させられることがしばしばあります。

 日本には二重課税がたくさんあります。例えば役員賞与がその代表でしょう。会社が役員に賞与を支給した場合、もらった役員には当然に所得税がかかりますが、支払った会社の方では損金にならないため、法人の所得に加算されて法人税がかかります。そうすると支給した賞与と同額くらいの税金がかかることがよくおこります。加算税延滞税が付く場合、支払った以上の税金になることもあります。

 なぜ二重課税を行うのか、それは、課税する側にとっては、一度に二回分の税金が取れて非常に徴税の効率がよいからです。そのことがどんなに納税者にとって理不尽なことでも、法律にしてしまえば正当化できるのです。

 会社が従業員の給料の所得税(源泉所得税)を徴収しなければいけないことに疑問を抱いている方がたくさんいるのではないでしょうか。しかも無償でです。税金の徴収は、課税庁の仕事のはずです。課税庁の職員は無償で仕事をしてくれるでしょうか。それどころか、一般の中小企業と比較して優遇されていることが多々あります。でも民間の会社にはタダで徴税の仕事を強制しています。昔で言う租庸調の庸を当然のように強いているのです。おかしいとは思わないでしょうか。

 契約書領収書などの文書には印紙を貼らなければならないものがたくさんあります。貼っても貼らなくても文書の効力は変わりません。負担に対する応益担税力が無くても課税されるのです。これもまた不思議です。

 税法は税金を取るための法律です。もっともらしい理屈は後からいくらでも作れます。でも法律である限り、国民には遵守する義務があります。悪い法律は改正されるよう国民は努力すべきではありますが、一人一人の力では如何ともし難いのが現実です。それより大切なのは、法律をよく知り、上手に対応していくことでしょう。

 次回から、各論についてお話ししていきたいと思います。

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