- 1.減価償却制度の見直し
- (1) 全額償却
減価償却資産について、償却可能限度額(95%)を撤廃し、備忘記録1円を残した全額が償却可能となります。
平成19年4月1日以後取得分より適用されます。
- (2) 定額法
改正前:取得価額×0.9×定額法償却率
改正後:取得価額×定額法償却率
- (3) 定率法
改正前:帳簿価額×定率法償却率
改正後:帳簿価額×(定額法償却率×2.5)
この金額が次の金額より少なくなる年度から、次の金額が償却額となります。
その時点の帳簿価額÷(耐用年数−経過年数)
- (4) 平成19年3月31日以前取得分
平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産については、従前の償却方法で償却限度額(取得価額の95%)まで償却した年の翌年以降5年間で帳簿価額を均等償却します。
- 2.同族会社の留保金課税の適用除外
資本金1億円以下の会社は、同族会社の留保金課税の適用対象から除外されます。
平成19年4月1日開始事業年度から適用されます。
- 3.特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度の見直し
特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度の適用除外要件である基準所得金額(課税所得金額+業務主宰役員給与額)が800万円以下の要件が、1,600万円以下に引き上げられます。
平成19年4月1日以後開始事業年度から適用されます。
- 4.役員給与の取扱いの見直し
- (1) 職制上の地位変更等による定期給与の改定
やむを得ない事情により、役員としての職務内容、地位が激変し、実質的に新たに役員に就任したのと同様の状況にあると認められる場合の役員給与の増額改定も定期同額給与として、損金算入できることが明確となりました。
- (2) 事前確定届出給与の届出期限の改正
事前確定届出給与の届出期限が次のように改正されました。
改正前:次のいずれか早い日
- @ 職務執行開始の日=定時株主総会の日
- A 事業年度開始の日から3月以内
改正後:次のいずれか早い日
- @ 定時株主総会の日から1月を経過する日
- A 事業年度開始の日から4月を経過する日
平成19年4月1日以後開始事業年度から適用されます。
- 5.リース税制の改正
- (1) 所有権移転外ファイナンスリース
所有権移転外ファイナンスリースは、売買取引とみなされるようになります。
所有権移転外ファイナンスリースとは、ファイナンスリース(解約が禁止されており、かつ、賃借人がリース資産の使用に付随する費用を実質的に負担するリース取引をいいます)のうち、リース期間終了時にリース資産の所有権が賃借人に無償または名目的対価で移転するもの以外をいいます。
- (2) 税務上の取扱い
所有権移転外ファイナンスリースのリース資産の償却は、リース期間定額法(リース期間を償却期間とし、残存価額をゼロとする定額法)によることとされます。
ただし、リース料として経理した場合にも、償却費として取り扱うことされます。
- (3) 税額控除・特別償却
上記改正に伴い、リース税額控除制度が廃止され、それに代わり、資産を取得した場合に適用される税額控除制度が適用されることになります。
一方、特別償却や圧縮記帳の制度は適用はありません。
- (4) 適用時期
平成20年4月1日以後に締結するリース取引から適用されます。
- 6.特定事業用資産の買換え特例の延長
国内にある10年超保有の土地等、建物、構築物を譲渡し、国内にある土地等、建物、構築物、機械装置に買い換えた場合の課税の特例(譲渡所得の80%を繰延)の適用期限が2年延長(平成20年12月31日まで)されます。
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