【相続時精算課税制度】
1.概要
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平成15年1月1日以後の贈与から、選択により、相続税と贈与税を一体として精算
する「相続時精算課税制度」が適用できることとなりました。
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これにより2,500万円までの生前贈与について贈与税が非課税になり、相続時に生前
贈与財産が精算課税されることとなります。
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2.適用対象者
3.適用手続
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最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、特定受贈者が所轄税務署
長に対して制度を適用する旨の届出を贈与税の申告書に添付します。
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・特定受贈者の戸籍の謄本等
・特定贈与者の住民票の写し等
・贈与の事実を明らかにする書類
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4.適用対象財産等
5.非課税限度額
6.贈与税の税率
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3,000万円の贈与の場合(3,000万円−2,500万円)×20%=100万円の贈与税となりま
す。
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7.相続税の計算
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特定贈与者からの相続時に、特定受贈者は相続財産に相続時精算課税制度の適用
を受けて贈与された財産額(贈与時の時価)を加算して相続税額の計算を行います。
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すでに贈与税の納付があった場合には、その贈与税額は相続税額から控除し、控除
しきれない金額は還付されます。
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8.この制度の適用が有効な場合
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贈与財産について、相続税の精算課税が、贈与時の時価で課税されるため、つぎの
ような将来価額の上昇が期待できる資産や収益を生み出す資産を贈与することが、相
続対策として有効です。
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・成長性のある企業の株式、転換社債
・最終利回りの高い長期の割引債
・収益性の高い不動産
・変額年金保険等
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また、相続財産が相続税の基礎控除以下の場合、この制度を利用することにより、相
続を待たずに、資産を譲り受けることができる時間のメリットを享受することができます。
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9.この制度の適用が不利な場合
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建物等は経過年数により評価額が減少します。このように将来価額の下落が予想さ
れる資産についてこの制度を使うと、相続税の課税価格が大きくなってしまうので不利で
す。
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10.注意事項
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1)この制度を使う場合、特定贈与者からの贈与については、既存の年110万円の贈与
税の非課税枠が使えなくなります。
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2)一度この制度の適用の届出をしますと、その特定贈与者からの贈与については、適
用の変更はできません。
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3)この制度の2,500万円の贈与税の非課税枠は、相続時に精算課税がされますので、
確定した非課税ではなく、場合によっては、相続財産がなくても相続税が課税されること
もあります。
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4)この制度の特定贈与者より特定受贈者の方が先に死亡した場合、その特定受贈者
の相続人(特定贈与者を除く)が、その精算課税制度の権利義務を承継します。
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住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度
参考サイト(財務省)
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