25/12/2001 Martedi' 12月25日火曜日
今日はナターレ。11時頃、ファブリッツィオの運転で家を出発。行き先は、30分位の距離にあるファブリッツィオのお母さんの家。
家に着くと、ファブリッツィオのお母さんが、タリアテッレ(幅の広いパスタ)を作っていた。パスタを薄く延ばして、くっつかないように粉をふり折り畳んで、包丁で切っていく。お蕎麦を作るのと同じだ。コンロでは鶏丸々一匹が、ブロード(スープ)に煮込まれている。
ファブリッツィオの弟、そしておばさん、従兄弟が集まって、昼食が始る。
まず、運ばれて来たのは、トルテッリーニ(中に肉が入った小さなワンタンのようなパスタ)。これはブロードと一緒にいただく。私は、このトルテッリーニが大好き。なので嬉しい。そしてこれは本当に美味しい。食べていると、ファブリッツィオの弟のルチアーノが、「僕が丸めたんだよー」って。手作りだとは知っていたけれど、おばあちゃんが作ったんだと思っていた。なんだか、本当に素敵。
フランチェスカは私にウインクして、「これは最初のよ。次があるわよー」って。昨日の言葉は、やっぱり冗談じゃなかったのか・・・。プリモ・ピアットの2つ目(変な言葉だ)は、フンギ(きのこ)のタリアテッレ。ビックリするほどの量をおばあちゃんが皿に乗せて、更に盛ろうとするので、慌てて、「バスタ!」と言ったんだけれど、それでも多いよ、これ・・・。半分、戻してもらうべきか、どうしよう・・・と思っていると、フランチェスカが自分の皿と交換してくれて、少しだけ、本当に少しだけを私にくれた。良かった。だいたい、パスタを2皿食べること自体が、信じられないんだー。でも、2皿とも、本当に美味しかった。
そしてブロードを作った時の鶏肉をいただく。これで、ごちそうさま、ではないんだよな、今日も・・・。メインはお肉。鶏ではない鳥の肉。この味は多分、ガチョウだ。食べられるだろうか・・・と手を出すのを思わず躊躇してしまったが、塩、胡椒で味付けをしただけのシンプルなロースト。すごく美味しい。お腹いっぱいでも、口に入れると食べられてしまう(そして後で胃が苦しくなる。私の体は肉対応型ではないので)。でも、もうひときれは、欲しくない。目の前の肉と格闘していると、ファブリッツィオが「ハナコ、明日もフェスタ(お祭り、祝日)だぞ」と。へ?と目を丸くする私に、「そうよー。サン・ステーファノよ。明日も肉を食べるのよーん」とフランチェスカ。サン・ステーファノが誰なのかってことより、私の頭の中は、明日も肉なのか・・・でいっぱいだ。
ヴィーノ・ロッソ(赤ワイン)を飲みながら食事が終われば、次はドルチェ(デザート)。おばあちゃんお手製の、カスタードクリームのドルチェ。これは家でフランチェスカも作ってくれたことがある。下に柔らかいスポンジケーキ風のお菓子を敷いて、カスタードクリームとチョコレートソースを。このクリームの甘さが絶妙で、私は大好き。やっぱりこの国は素晴らしい。ルチアーノがスプマンテを開けて、そしてここでもやっぱりパネットーネ。はぁ、美味しかった・・・と満足していると、もう一皿ドルチェがやって来た。中にドライフルーツが入ったパンのような感じのケーキ。これもおばあちゃんのお手製。美味しい。2本目のスプマンテが開けられて、3時頃。
ファブリッツィオが大きな声をあげた。「おぉ!これは何だ!。ハナコに食べささなくては!」。クリスマスツリーの下に置いてあった(飾ってあった?)お菓子の箱を持って来た。ねぇ、食べたい人が食べたいものを食べたいだけ食べるルールにしようよー・・・。私の目の前にひと種類ずつ並べてくれる(そして、それと同じものが彼の胃の中に入る)。どれもこの地方のお菓子だから、全種類味見をしろ、ってことらしい。全種類か・・・。オカキやアラレだったら、全部食べられると思うんだけれども。フランチェスカがナイフを持って来て、小さく刻んでくれたので、全種類味見をしてみる。クッキーみたいなのや、ナッツが入ったビスケット。しかし、今日食べたドルチェだけで、1食分は軽くありそうだ。
カフェのあとは、場所をキッチンへ移して、家族でゲームをする。15個の数字が書かれたカードを持ち、ひとりが袋の中に入っている1から90までのコマを選び、全ての数字が揃った人があがりというもの。ビンゴのようなこのゲームの名前はトンボラ。とても単純なので私も参加させてもらう。このカードは1枚250リラで買う。そしてその集まったリラは、当然一番にあがった人の元へ。こんなところも日本のお正月と全く一緒だ。私達が正月に集まって、賭け麻雀をするようなものだろう(あ、我が家ではしないけどさ)。そして、よく思い出してみれば、親戚の家に行って、「ハナコ!これも食べなさい!もっとたくさん食べなさい!どうして食べない?」と言われ続けるのも、日本のお正月と全く一緒だ。私を取り巻く環境はイタリアでも日本でも変わらないのか。
このゲームの説明をしてくれながら、ファブリッツィオが何かを私に言う。意味が分からなかったので、そう伝えると、彼は、両手を体の前でクロスして、私に片目をつぶってみせた。このゼスチャーは、世界共通なのか。しかし、あなたはそれを取り締まる人ではないのか?。そして、「ルチアーノ!ハナコを見てやれよ」と。どこの家でも私の世話を押し付けられるのは、弟だ。私は、40(クワランタ)と50(チンクワンタ)。そして、6(セイ)と7(セッテ)が時々ごっちゃになってしまうので、おろおろ。
トンボラの次は、カードのゲーム(私はルールが分からなかったので、参加せずに見学)。そして8時頃から、夕食が始る。メニューはローストビーフとサラダ(やっぱり肉なのか・・・)。もちろんこのローストビーフもおばあちゃんのお手製。言うまでもなく、最高に美味しい。そして、ヴィーノとスプマンテとパネットーネ。
ごちそうさまでした。
まだ食べるの?