カツミ C12

数少ないカツミ製スケール蒸機のうちの一つで、C62と同等の手間がかけられた当時のハイディテール機であるが、小型機ゆえに密度が高まるのか、C62よりむしろこちらの方がより細密な印象を受ける。
リアタンク上に突き出た逆転スイッチレバーは、今日的な目で見ると異様かもしれないが、操作性という意味では台枠下からのぞかせるよりはるかに良く、またいかにも三線式らしい雰囲気をかもし出しており、むしろ好ましい感じがする。なおリアタンクの天板にスリットを開け、スイッチレバーを立ち上げる手法は、同社製のシェイギヤードですでに行われており、このあたりのレイアウトが苦労の種でもあり、また設計者の腕の見せ所でもあったことが感じられる。
本機はかなり加工の跡があり、ドーム脇の汽笛、キャブ下のパイピング、リアタンク後部の梯子及びライトのヒサシ、ブレーキシューなどが追加されている。
動輪径φ32、エンドビーム間全長240ミリ。昭和36年当時の価格は、キット3000円、完成品5000円。
【16/10/16掲載】

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