ワタシは都内某所でカレーショップを経営している。 しかしそれは世を忍ぶ仮の姿。 真の姿は悪の秘密組織から地球を守る秘密戦隊の長官である。 日常的に起こる幼稚園バスジャック、駄菓子毒物混入事件などの多発するヤツらの悪事に対抗するには秘密裏に特殊能力を訓練された戦隊が必要なのだ。 ワタシが育てた戦隊はこれでいくつになるだろうか。 ちなみに先の病人戦隊サルモネラーは皆食あたりで死んでしまった。 夏場のカレーは傷みやすいということを知らなかったのである。 許せよ、サルモネラー。 ワタシは新たに戦隊を作ることとし、募集をすることにした。 コレが募集内容である。
なぜ屈強な男を募集せずに女性ばかり募集をかけてしまったのか。 そのときの思考内容は思い出すことができないが、確かにそのとき股間の長官は戦闘状態だった。 もちろん出動待機のときにはカレーショップでウェイトレスをしてもらうことになる。 5人のうら若き女のコに囲まれるカレーショップ。 たいした事件でなければ出動しないであろうことは間違いなかった。 そしてワタシは待った。 巨乳さんが募集してくるのを! いや、アミにかかるのを!! 募集広告を出してから応募してきたのは、ちょうどそれぞれ一人ずつだった。 面接状況はどれも似たようなものだった。 例えば、面接はこんなカンジだった。 ***** その日もいつものようにカレーを煮込んでいるとドアを入ってくる者があった。 ぬッ!! 宇宙人?! いや、悪の手先だな!! もしそのとき武器を所有していたら0.3秒の速さで打ち抜いていただろう。 女のコ「あのー、アルバイトの募集広告見て来たんですが・・・」 ワタシの股間の長官は別の意味で戦闘状態に入っていた。 なんでやね〜ん。 股間の長官はいまだに射殺命令を出し続けていた。 今から思えばコイツこそが悪の手先のような気がしないでもない。 ***** 雇うのを保留にしたまま一ヶ月ほど過ぎたが、その5人以外の応募はなかった。 悪の秘密結社による犯罪は横暴多数を極めていたが、そんなことはもうどうでもよかった。 そしてイヤイヤながらもその5人で戦隊を組むことにした。 それが妄想戦隊ブスレンジャーである。 痩せてカワイクなると思っているブスレッド。 ワタシの怒りの色のほうが赤い気がする。 メガネをとると本当はカワイいのよ、と勘違いしているブスブルー。 むしろこっちがブルーだ。 ぽっちゃり型でカワイイと思っているブスイエロー。 しかしそれは明らかに激デブの範囲に両足突っ込んでいる、とワタシは言いたい。 周りのオトコは全員ワタシに気があるのよ、と思っているブスグリーン。 気にはなるに違いないが、それはまったく別の意味においてであろう。 最悪な性格であるにも関わらずそれを美点だと勘違いしているブスピンク。 とりあえずトイレ使っても流さないのだけはヤメテクレ。 以上がワタシの妄想戦隊ブスレンジャーである。 武器は、ない。 むしろ彼女たちのスッピン素顔に勝る武器はいまのところないからだ。 そして彼女たちの戦いは今日も続いている。 【完】 |
2001年7月11日。 家に帰ってメールをチェックするとこんなメールが届いていた。 下記で全文である。 ***** ----- Original Message ----- From: くれ To: briitishgent@kyoto.zaq.ne.jp Sent: Wednesday, July 11, 2001 12:49 PM Subject: 新番組 この新番組をやれ。 新番組! 妄想戦隊ブスレンジャー 痩せるとカワイくなると思っているブスレッド! メガネを取ると本当はカワイいのよ私と思っているブスブルー! 私の周りの男は全員、私に気があるのよと思っているブスグリーン! 最悪な性格を「でもそれが私の魅力」と思っているブスピンク! カレー大好きブスイエロー!(お約束) ***** 呉エイジ師匠。 ワケわかんねえっすよ(笑)! |