
![]()
| 11/14に近所の病院で大学病院での検査の予約をお願いして、予約が取れたのは結局12/7でした。会社に休みを出す時、こう言う時本当のことを言えないのは日本だけなのかな?それとも外国でも「家のWAN子を病院に連れていくので休みます」と言ったら顰蹙をかうのかな?などと妙なことを考えました。 事前に地図を見てたら、バイクに乗って良く湘南まで走りに行っていたいた頃、いつも渋滞していた原宿の交差点を通るようでしたので、11時の診察に向けて、8時ごろ家を出ました。HALはとにかく家で一人留守番をしているのでなければ、病院だろうがスーパーだろうが上機嫌でついて来る子なので、出かけるときも喜んで車に乗りこみました。左にしか曲がったことのない原宿の交差点を、その日はじめて右に曲がり、ゆるいカーブを下って行きました。そこまでの道路は思いのほか空いていて9時過ぎには横浜新道を抜けたのですが、原宿を曲がってから途中で道を間違えてしまい、病院に着いたのは10時ちょっと前くらいでした。 広い広いキャンパスの端っこの方に病院がありました。ガラス扉を開けて中に入ると入り口に体重計があり、HALの体重を計りました。h/dのフードを食べていた頃より少し体重が戻っていて15キロちょっとになっていました。受付で11時の診察だけどどうしますか?と聞くと、11時になったら呼ぶのでそれまで待っていてくださいと言われました。やはり普通の病院では見きれなかった子が多いのか、待合室は心配そうな顔をした飼い主さんで一杯でした。たぶん僕達も同じだったでしょう。1時間以上も時間があったのでトイレもかねてキャンパスを少し歩いてみました。HALは土の上を歩くのが嬉しいのか、尻尾をブンブン振りながらグイグイと進んでいき、オシッコ、ウンチもちゃんとしてくれました。どっからどう見ても元気な子犬にしか見えませんでした。とってものどかなところで、病院の裏手には小さな牧場のような施設があり、牛がのんびりと草を食んでいました。きっとどこかに馬や羊もいるんだろうなと回りを見ましたが、とりあえずその当たりにはいませんでした。長男が「動物のお医者さん」を読んでから、獣医になりたいなんてチョロッと言ってたこともあり、カミサンと「こんなのどかな場所で動物の勉強できたら良いよね。遊びまわってる場所もないし」などとしゃべりながら、のんびりと歩いていたのですが内心は検査のことを思うといても立ってもいられない気持ちでした。近所の先生は「病気じゃないと思う」と言ってはくれましたが、あくまで「思う」だけで、ボーダーの臨床例がほとんど無い以上それは希望的観測みたいなもんだったから、100%安心することは出来ませんでした。 11時に名前を呼ばれ受付をして、それからしばらくたって診察室に呼ばれました。近所の先生から事前にFAXが入っていたので、症状について少し話しをした後、とりあえず先にレントゲンとエコーをするということで一度診察室をでました。しばらく待合室で待っているともう一度呼ばれ、レントゲンとエコーを見ながら説明を受けました。大学病院なのでインターンの学生さんがいたのですが、その子はボーダーを飼っていたんだけど最近15歳で亡くなったと言い、盛んにHALを可愛い可愛いと言ってくれました。日本にそんな昔からボーダーがいたというのはちょっと驚きだったけど、その時はそんなことに感心している余裕はありませんでした。エコーをかけるためにHALは胸からお腹にかけてハゲになっていて、ピンク色の地肌が痛々しく見えていました。もっと騒ぐかなと思っていたんですが、お愛想犬HALは何をされてもおとなしくしていたそうです。レントゲンの結果、やはり同じ体重のWAN子よりかなり心臓が大きく、特に右心室が大きいということでした。咳はまだ時たま出ていて収まってはいなかったので心臓との関係を聞いてみると、その先生も心臓に繋がっている血管が膨らんで気道を圧迫しているわけではないので、咳と心臓が大きいことが直接関係しているとは考えにくいとのことでした。この先生もボーダーの心臓のレントゲンを見るのは初めてで、普通のボーダーに比べてHALの心臓が大きいのか、それともボーダーはみんなこうなのかは分からないとのことでした。 取り敢えず、午前中の検査では(心臓は大きいけれど)異常は見とめられないので、引き続き心電図、血液検査、血流検査をすることになりました。16時過ぎまでかかるけどずっと待合室にいますか?それとも外出されますか?と聞かれ、ドキドキしながらずっと待っているのも嫌なので、食事に行きますと答えると、携帯を持っているんだったら検査が全部終わる前に電話してくれるというので、番号を教えて一旦病院を後にしました。カミサンがガーデニングのお店に行きたいと言うので、郊外だからきっとDIYみたいなお店があるだろうと国道を適当に走って行ったんですが、行けども行けどもそれらしいお店は無く、結局あんまり遠くに行っちゃうと戻るのが大変だってことで引き返すことにしました。もともとガーデニングのお店に行きたかった訳じゃなくって、心配を紛らわすためにちょっとでも興味のある物を見たかっただけだったんです。途中で食事することになり、何かおいしいものでも食べようかと言ったんですが、どうせ何を食べても味が良く分からないと言われ、それもそうだなとファミレスに入りました。本当にどんな店だったんだか、何を食べたんだか、どんな味だったんだか全然覚えていません。もし、なんか異常が出たらどうしようかって話しになってしまいそうだったんで、お互いに苦労してゼンゼン関係無い話しをひねり出し、ダラダラと時間が過ぎていきました。 16時半頃電話が入り、暮れかかった道を病院へと急ぎました。待合室には手術を待っている飼い主さんと帝王切開で出産を待っている飼い主さんだけが残っていて、不安で一杯の顔と期待で一杯の顔がなんだか対照的でした。そのうち、お産の方の飼い主さんが呼ばれ、ご夫婦で中に入っていきました。上手く終わったようで満面笑みを湛えて、何頭自宅で残そうかなどと相談しながら出ていかれました。後には心配そうな顔が4つ。次に呼ばれたのは僕等でした。 HALはさっき剃った場所のほかに心電図を取るために手足やら更に何箇所かハゲを作って痛々しい姿でした。知らない場所でこんなに長い時間一人にされたのは家に来て以来初めてで流石に不安だったらしく、僕等が診察室に入っていくとものすごい喜びようで飛びついてきて、リノリウムの床にチビッとお漏らししてしまいました。心電図では、2段脈と言って血液を送り出す時に心臓が2度打つというのが出てるけど、これは別に病気では無く、血液検査も血流検査も心臓の異常を示す兆候は何一つ見当たらなかったと言われました。咳の原因は依然として分からなかったけど、なんだか安心して膝の力が抜けそうになりました。 結局病院を出たのは18時近になり、もう真っ暗な道を家へ帰りました。それまで全然考えてもいなかったんですが、そう言えば子供達(人間の)はどうしてるんだろうと家に電話を入れて見るとちゃんと留守番してるようでした。今回は、途中でどんな希望的なことを言われても、最終的にokが出るまでは絶対安心しないと決めていたので、心臓は大丈夫と言われてからなんだか雲の上を走るようにして3人で家に帰りました。 その週末、近所の先生のところに行くともう結果が届いていて、心臓は異常が無くってよかったですネと言われました。これ以上咳の原因を探すためには、全身麻酔をかけて肺に薬液を入れ組織を取って検査するとか、とにかく考えられる検査を次々と順番にやっていくしかないですという話しになって、なにも元気に走りまわってる子をそこまですることは無いので、咳以外になんかの症状が出たらそこで考えましょうと言うことになり、長い長い病院通いも一段落しました。毎日公園に行って元気一杯走りまわっているうちにいつのまにか咳も全然出なくなり、それ以来慌ててご飯を食べたり水を飲んだりしてむせた時以外咳らしきものすらしたことがありません。 その後、同じ病院で心臓の検査をしたボーダーの飼い主さんとお会して、やはりその子も右心室が大きくて2段脈だったったというお話を聞きました。たった2頭の話なのでなんとも言えませんが、もしボーダーの子がレントゲンを撮ってお医者さんから心臓の病気だって言われたら、うのみにしないで別の病院に行って違う先生にも意見を聞いてみてください。ボーダーのデーターはどこの病院でもほとんどもっていないようですので、心臓が大きいというのはボーダー固有の特徴かも知れないのですから。 |