絶滅危惧国

 1国のある年の人口Pは前年の人口pにその年生まれた出生者数bを加算し,死亡した人数dを減算して求めます.アメリカ(USA)のように移民が多い国はこの値に移民者数iを加算します. アメリカ移民数の推移
P = p + b - d + i ---- @
 死者数が出生者数と移民者数を加算した数より多いと人口が減少します.式@を使って日本の死者数を2020/6/30,2022/6/30の人口と,2020/1/1,2021/12/31の出生者数(人口と6ヶ月ずれていまが)で 計算すると242万人となります(式A).
d = (126,474,828-125,705,987) + (840,835 + 811,604) = 2,421,280 ----A

 Aの値は2年間ですから,一月に約10万人,一日3,300人となります.年間の出生者数が死者数より多ければ人口が減ることは無いのですが,2007年以降減少が続いています. 人口が減少しているのは新聞などの報道で知っていました.これらの報道は団塊の世代が年を取って死者が増加しているとの解説でした. ところが,コロナ騒ぎが起き,種々統計データを調べた結果現在の人口動態がそのまま続くと絶滅が危惧される状態になっているのがわかりました. 問題は年間の出生者が年ごとに減り続けていることです.
 子供は16〜46歳の女性しか生むことができません.ある年生まれた女児は16年後に子供を産むことができます. 別な言い方をすればある年から16〜46年前に生まれた女性がある年に子供産むことができます. 従ってある年の子供を産める女性の数は過去の出生者数で確定しています.生まれた子供を子供を産める女性の数で除すると何%の女性が子供を産んだか計算できます(出生率). 1888年から2020年までの年ごとの出生者数のデータ で2021年以降の推定値を算出した結果を図1に示します.
 1918〜1921年はスペイン風邪の時期ですが年ごとの出生者は179〜203万人となっています.新型コロナウイルスの2020,2021年は84,81万人で大正時代の2/5です.1944〜6年のデータはありません. 1947〜1949の3年は所謂団塊の世代で267〜269万人(出生率9.6%)でこれまでの最大値です.以後十数年急激に減少しています.1961年から登り勾配で1973年は209万人の出生者数です.1966年は丙午(ひのえうま)の年で出生者が落ち込んでいます. 1973年をピークに2021年まで下り勾配が続いています.2020年の出生率は4.0%です. 2016年100万人を割ってから傾斜が大きくなっていますが,推定には過去10年間の平均値を使っていますのでなだらかな傾斜となっています.推定では2041年に50万人を割り込み,48年に30万人台, 56年に30万人を割り込み,2119年およそ今から100年後に千人を割り込みます.100年後にほぼ絶滅が確定します.図1の推定は,減少率を10年平均で小さくしています.ここ数年の減少率を適用すると今から50年後に絶滅確定となります.
 1973年以降出生率が下がり続けている原因は何でしょうか.明確なことは子供を作れる世代の人たちが子供を作らない,作れないからです.

出生者数,女性数

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