ローマへ戻る
イタリア滞在最後の日は、一気にローマに戻らねばならない。 それも午後3時頃までだ。 アルベルゴ・イタリアで朝食を取ると、すぐに出発した。 1時間ほど走って高速に乗り、一気に北上。 ナポリをかすめローマに着いたのは昼頃。 少し早すぎたので、オスティア・アンティカという海岸の保養地に立ち寄る。 レオナルド・ダ・ヴィンチ空港のあるフィウミチノはここから遠くないので、ぎりぎりまでゆっくりする。 街角のファースト・フード風ピツェリアのサラダやピザが美味しく感じられるのは、この食事でイタメシともお別れという条件が作用しているのだろうか。 オスティア・アンティカはローマの普通の人たちが遊びに来るところのようで、取り立てて美しいところではなかったが、何故か甘酸っぱくもほっとする、「行楽地」ということばがふさわしい場所だった。 海辺で遊んでいた子供達が話しかけてくる。 名前を訊くと「僕はマルコだよ」「僕はジョヴァンニ」とめいめいが答えた。 中のひとり、好奇心のありそうな顔をしたやつが「日本語ではどういうの?」と聞いたので、何とか直訳できる名前を無理矢理日本語にして教えてあげる。 まあ、固有名詞を訳してもしょうがないが、遊びみたいなものだ。
2時近くになり、夏の陽がいよいよ強くなる頃、我々はオスティア・アンティカを後に空港へ向かった。 その日は、アリタリアも珍しく定時出発の定時到着となり、まだ午後の太陽が高い夕刻のパリに降り立った。
それにしても、今回、強い印象を持ったのがナポリであった。 カプリ島を訪れることが出来なかったこともあり、帰国するまでにもう一度ナポリに戻ってきたいとふたりして思ったのだった。