考えさせられる光景を見た。バンテアイ・スレイというアンコール遺跡群のひとつで。障害者数人のストリートミュージシャンたちだ。素晴らしいプレイを見た。彼らは戦争と混乱のためからだろう、膝から下の脚が無かったり、片腕だったり、あるいは失明していたりする。しかしそれぞれが様々な民族楽器を演奏し、あるいは歌っていた。暗さなんて微塵も無く、明るい声で観光客に呼びかけては楽しげな空気を提供していた。掛け値なしで素晴らしいストリートミュージシャングループだ。そして、前に置かれた箱の中にはとても沢山のお金が入れられていた。彼らは音楽を提供することの対価として正当な収入を得ていた。彼らを見て、物乞いに対する一時の同情は、事態の根本的解決には全く結びつかないことを改めて思い知らされた。自ら這い上がる必要があるのだと。

物乞いはどこの国でも見かける。夜、宿での話題に上がることもしばしばだ。多くの旅行者が、一体どう対応してよいものなのか、いつも考えているということになる。私もいつも迷う。同情からお金を置いていくこともあり、その規準はあいまいだったりする。また、今後も迷い考え続けるだろう。ただ、少なくとも、このカンボジアで見た幾つかの光景は、再びそれらを考える時、何らかの手がかりになるだろう、答えなど見つからないとしても。
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ストリートミュージシャンたち。( バンテアイ・スレイ）
 Street musicians ( Banteay Srei )

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精巧な彫刻( バンテアイ・スレイ）
 at Banteay Srei

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精巧な彫刻( バンテアイ・スレイ）
at Banteay Srei

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長い年月の間に樹がからみついた( タ・プローム）
at Ta Prohm

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崩壊しつつある遺跡もある
Actually ruins.

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その崩壊しつつある遺跡にも美しい彫刻が残っている
That ruins has beautiful reliefs.