ヘリのジャイロ効果

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加>最近、内のクラブも少しヘリが減りました(しゃれです)。一時期みんなヘリでしたから。森君が最初に始めて火がついたという感じでしたが、もう、森君はヘリはやらないですか?

森>ホバリングするまでは独学で面白かったんですが、みんなが始めたんでどうもいけません。あの魚の骨みたいな形も嫌いです。やはり、バルサを削っていないとだめです。加藤さんだってやらないですね最近。

加>同感です。飛行機の方が見ていて楽しいですね。でも、佐野さんなんかうまくなりましたね。あの辺りじゃピカイチでしょう。練習量が違います。最近、彼はオリジナルのグラスボディを作っています。名前はカレントだそうです。

森>オーソドックスなネーミングですね。ボディを作っているということは、工作したいわけですから、また飛行機に戻ってくるのでは?

加>佐野さんがこの前、言っていましたが、どうして、ローターのピッチが最大になる位置が、カジと90度ずれるのかという疑問です。これは加藤には答えられませんので森君に聞いてみると言っておきましたが。

森>ジャイロ効果ですね。それはですね、つまり、サインカーブを積分するとマイナスコサインになるからです。マイナスコサインはサインより90度位相がずれているでしょう。簡単な理屈です。

加>sinxをxで積分すると-cosxになるのは、わかりますが、それがどう関係あるのでしょう。加藤にはわかりません。

森>これは、図を送ります。言葉では説明できません。力が一番強いところで、一番持ち上げられるわけではなくて、持ち上げる力が最後まで出きったところが、一番高くなるところなのです。だから、ローターの前を持ち上げる(エレベータアップ)場合は、(左回転なら)ローターが右に来たときのピッチが最大になりますね。ブーメランもこの理屈で帰ってきます。

加>絵を見ました。うーん。そういう簡単なことなのですか。知りませんでした。ブーメランはどうして帰ってくるのですか?

森>ブーメランは回転しながら前に進みますから、回転の半分の向かい風になる側で揚力が大きく、反対に追い風側半分で揚力は小さくなります(これはヘリも同じです)。すると、90度ずれた位置で羽が持ち上がりますから、結局、アップというか、前が持ち上がって、ブーメランは上昇します。右投げでも左投げでも同じです。投げるときにもともと傾けて(というか本当は垂直なんですが)投げますから、飛行機がエルロンで傾いた状態でアップを打つのと同じです。このエレベータアップで旋回するわけです。ヘリも向かい風でアップするはずです。

加>ローターの左右の揚力に差が出るのは知っています。ロールするわけではないのですね。

森>そう思っている人がいますが、間違いです。ところで、ブーメランはなぜVの字になっているかというと、回転であとから遅れて回っている方がスタビライザーなんですね。Vの字の2つの羽は翼型が違います。本物を買ってくるとそれがわかります。先に風をきる羽はクラークYのように揚力を稼ぐ形で、後ろからついてくる方は、対称翼にちかい形です。ヘリのローターとスタビの関係です。

加>あのスタビライザーとか、ベルヒラーとかの機構が本当にわかりません。飛ばしている人の何パーセントが理解しているでしょう。スタビレスのものはどうなるのですか?

森>飛行機でいうと無尾翼機ですね。安定は悪いけど、余分なものがないから効率はいいでしょう。ローターを主翼、スタビを尾翼だと思って、あそこで小さな飛行機がぐるぐる回っていると思えばよいのです。翼面荷重が大きい飛行機ですが、とても高速ですから失速しません。ヘリは風にも強いわけです。

加>オートロのときはグライダーになるわけですね。なるほど、この説明はよくわかります。では、スタビのではなく、重りがついているタイプが昔はありましたね(ベル方式)。あればどうでしょう?

森>専門でないので想像ですが、遠心力を利用して、安定をはかっている機構ですね。飛行機で言うと、重力を利用して、重心を下げた高翼やパラソル機に当たります。重力による主翼仰角の復元力といったものです。今のヘリはベル方式と、スタビのヒラー方式がミキシングされているわけですね。あのへんのメカニックは不理解です。

加>ところで森君のヘリはボディはつけましたか?たしか、ヒューズ500のスケールボディを買ったのでは?

森>まだです。あの黄色のヒューズ300の方が気に入っています。面倒ですしね。今はときどきキーエンスの小さいのを飛ばしています。

加>あの機構はすごいです。今度は、タンデムが出ましたね。引っ越しして広くなって飛ばせるようになりましたか?



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