忘れがちな動力学

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加>ダッシュの脚の調整をしています。あまりぎりぎりにすると、ピアノ線が曲がったときに脚が入らなくなったりしますし、かといってそんなにがばっと開けたくない。難しいです。ピアノ線を太くすると、曲がらなくなりますが、脚の根本に負担がかかります。毎回、脚の調子を見なくてはならないのでうんざりしますね。

森>森は脚が出たままの飛行機ばっかりですからね、そういう苦労をあまりしません。スパッツが好きですね。加藤さんは引込が好きですね。

加>やはり飛んでいるときは無用のものですから、飛行中は脚がない方が美しいと思います。メカニック的な面白味もあります。戦闘機なんかは、引き込まないとだめですね。

森>岩田君のメッサーが引込脚で苦労してましたね。あれ、一度、着陸がどしんといって、タイヤが主翼のバルサを破りましたね。あれを見ると、ピアノ線が細すぎるのかなと思いますね。

加>加藤も、プラウドバードでやりました。タイヤが主翼を壊しました。シールを貼ってごまかしましたけど。もう少し、ピアノ線は太くてもよいでしょうね。

森>固定脚でも、最近、アルミやジュラ製じゃなくて、スチール製の黒いやつが出てますね。新しいEZ機が使ってます。あれは、塑性変形しなくていいですね。タキシングの時もふわふわして実感があります。部品として売って欲しいパーツですね。

加>ピアノ線が太いと根本に余分な力がかかるのですか? 細くても太くてもかかる力は同じだと思うのですが。なぜ、太くしないのでしょう。

森>さすがですね。そうです太さにかかわらず、先端にかかった力は、すべて、根本にモーメント(トルク)として伝達します。だから、ピアノ線を太くしても根本の負担は変わりません。という説明は、静的な場合の話です。静的というのは、ずっと、変化がない状態のことです。タイヤにかかる力が一定で変化しない場合は、これで正解です。でも、実際に、タイヤ作用する力は、着地した一瞬です。こういう変化する状況は動的に考えないといけません。静的な力の釣り合いではだめなのです。で、動的に考えると、細いピアノ線は、変形が大きく、変形がいきつくまでの時間も長くなります。だから、速度を止める時間が長くなって加速度が小さくなり、結局、反力が小さくなります。これが、いわゆる、「ショックを吸収する」なんて表現されるわけですね。

加>よくわかります。力というのは加速度に比例しているわけですね。加速度と質量をかけたものが力です。高校の物理ですね。主翼をゴムでかけている初心者が、固定してから、主翼を持ち上げて、胴体がちゃんとぶら下がっていることを確かめる光景がよくありますが、あれが静的なチェックで、ゆすってみるのが動的なチェックですね。宙返りすると、相当なGがかかりますからね。

森>すみません。森の今飛ばしている機体がゴム止めです。初心者の頃、機体がぴくつくので、混信だと思ったら、ゴムが緩かったという経験がありますね。風が強いときは特にゴムを強くしないとだめです。高翼機の場合ですが。言い訳しますが、ゴム止めというのがなかなかノスタルジーじゃないですか・・・。宙返りの時のGは、遠心力の公式から計算できます。せいぜい10Gくらいじゃないですか?

加>10Gというと1kgの機体が10kgになる(当たり前ですが)わけです。なかなかすごいですね考えてみると。人が乗っていたら大変です。

森>いや一瞬ですからね。主翼の浮力以上の力は長くはかかりません。ジェットコースターの宙返りでも、一瞬ならその近くまでいくものがありますよ。下向きのGには人間は強いのです。上向きはだめですよ。

加>低翼の場合は逆宙すると主翼の取付け部引張方向のかなりのGがかかりますね。機体の中のバッテリィなんかもちゃんと固定しておかないといけないわけです。ところで、上向きのGは、レッドアウトといって、頭に血液が上るので、パイロットの限界は数Gときいています。ラジコンには関係ありませんが。

森>なんにしても、墜落したときのGより大きい力はないですよ。着陸も脚に負担がかかりますが、これは、腕でカバーということですね。EZだと、着陸に失敗して、胴体にしわが入ったりしますね(アイロンで直したものです)。

加>お互い、機体が大きくなってきましたから、ほんのちょっとのことでダメージが大きいですね。今回の話のような、動的な力(というんですか?)は、あまりイメージできませんし、どのくらいのオーダーなのか想像できませんから、どう対処してよいのかわかりません。なにかよい方法はないのですか?

森>経験と勘ですね。

加>森先生のお言葉とは思えませんが・・



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