MORI Hiroshi's Floating Factory
Model Railroad Workshop

<機関車製作部>


弁天ヶ丘線の線路配置


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 具体的な情報をできるかぎり少なくして、そのかわりに鉄道模型、庭園鉄道の楽しさを抽出しよう、という気持ちがそもそもありました。模型や工作を続ける動機がそこにあると思いますし、また、そういった形のないものは、専門誌などの技術的資料には表れないものだからです。『ミニチュア庭園鉄道』の本を作るときにも、写真を小さくして、そういった具体的な情報の解像度を落としました。本HPでも、このポリシィが基本にあります。

 しかし、「いったい線路配置はどうなっているの?」というご質問が後を絶ちません(具体的には、1カ月に3〜5通ほどで、例外なく鉄道模型ファンの方からです。ちなみに、本機関車製作部へのメールは毎日10通ほど来ます)。別に配置図を内緒にしているつもりはないし、もちろん後ろめたいことをしているわけでもないので(笑)、今回(ポリシィを抑え)そっと公開することにいたしました。

 縮尺などは不正確ですし、また、現状とは違っている点も多々あるかと思います(細かい変更は常にありますので)。

★久しぶりに更新しました。5インチはほぼ完成状態です(2009/7/12)。


<初期(2001年)>

 最初は、半径1mのカーブに直線1.5mと4本挟んだ、第1次エンドレスを芝の上に置きました。この線路は引越以前からあったもので、モデルニクス製です。まえの家では車を出してガレージ内で組み立てていました。

 引越をしたのは、庭園鉄道を思いっきりするためでしたから、すぐに小さなエンドレスを組み立てたわけです。これが弁天ヶ丘線の始まりでした。1周が約12mになります。できるだけ平たい場所を選んだつもりでしたけれど、これくらいの狭い範囲でも、地面が傾いているせいもあって、けっこう上り下りがでます。また、線路が車両の重みで捩れてときどき脱線が起こるため、下に石を挟んだりして調節しました。当時は、技功舎のワークディーゼルOSのトレーラですが、このトレーラが急カーブに弱く、カーブがきつすぎることが最大の問題点でした。

 次に、半径4mの大きなカーブで、西の庭を一巡りするエンドレスの工事を行いました。半年以上かかりましたが、2001年の秋にはなんとか開通しました。高架があったり、橋を架けたりして楽しみました。これが第2次エンドレスで、1周は約32mになります。アップダウンも適度にあります。それだけ正確な工事をしていない、ということです。線路はただ置いてあるだけですが、開通後2年経った今でも、いつでもただちに走ることができます。台風も大雨も大雪後のあとも特に問題は起きません。メンテナンスは草刈りくらいです。


<第2期(2001〜2002年)>

 まず、ポイントを1つ加えて、引込み線を作りました。次に、さらにポイントを2つ加えて、デルタ線とし、ここで、列車の方向を変えられるようにしました。エンドレスをどちら向きへも回れるようになりました。これが、2002年の春のことです。

 本線から分岐する左右のポイントのカーブ半径は2m、引込み線へのカーブも半径2mです。Y型ポイントで合流しますが、その後の直線部は約4mあります。この終点に、車庫を建てました。これは、自宅から出た廃材を利用して10分ほどで作った非常にいい加減な代物です。車両が増え始めたため、この引込み線の役割は重要になりました。

 2002年の夏には、母屋の北側のデッキに、小さなラインを作りました。これは、第1次エンドレスの半径1mの線路を転用したものです。夏は暑いし、庭には蚊が多いため、庭園鉄道をお休みしますが、北デッキは比較的涼しく、虫も何故か出ないのです。ここで、夏でも朝夕は遊ぶことができました。デッキには、この他に、32mmゲージのエンドレスも常設され、小型のライブスチームを走らせることができました(現在は撤去)。


<第3期(2003年)>

 プールを取り壊し、ガレージを建設しました。2002年秋から2003年の春にかけての大工事でした。このガレージの完成とともに、ガレージ内を通り抜ける新しいエンドレス(1周約34m)を作り、さらに、西の庭のエンドレスと、4つのポイントで連結しました。これによって、ガレージと西庭園を巡る大きなエンドレスが開通しました。これが2003年の夏です。

 この大きなメインライン(1周約65m)が完成したため、西のデルタ線や、ガレージの駅に当たる部分には、車両を停めておくようになりました。玄関アプローチの両側に車両が停まっている形になります。

 また、ガレージの中には引込み線を設け、ターンテーブルも新設しました。さらに、北のデッキにあった半径1mのラインを撤去し、これを使ってガレージ内に半径1m超小型円形エンドレスを設置しました。世界最小の5インチゲージレイアウトではないかと……。全天候型になり、雨の日でもぐるぐると走らせることができます。

 現在は、ガレージの東から分岐して、北へ直進、デッキへ乗り上げるラインが完成しています。北デッキを回って、西デッキまで新線を延ばしたところです。今後は、これを西庭園へ延長して接続する計画ですが、西のデッキから庭へ下りる部分は段差が1mほどあり、本格的なを建設する必要があるため、難工事となります。

<第4期(2004年)>

 大規模な庭園工事を行いました。南庭園にはヨーロッパから取り寄せた古い石畳を敷き、西庭園にはレンガのパーゴラやアーチ橋、それに小さな山を作ったりしました。この工事が7月に終了して、現在はこのような線路配置になっています。

 北デッキ線をメインラインに繋ぎ、西庭園線をループで通ります。ガレージ線は、南庭園へ延長されて、この部分は石畳上に路面電車風の区間を作りました。

 全体として、ダブルリバースになっていて、どちらの方向へもポイントを切り換えて走ることができます。本線には4つのメインとなるポイントがあって、これによって走りながら、いつでも方向を変えることができます。この4つのポイントには、無線のポイントマシンを取り付けてあります(残りはすべて手動)。

 西庭園のパーゴラが駅になりました。橋は、レンガ造のアーチ、鉄骨造のトラス、それに木造と、3種類が西庭園西側に集中しています。また、ガレージ駅のホームヤードが拡張され、本格的になりました。総延長は180mほどあります。

 これで終わりか、というとまだまだ。北デッキの駅がまだ整備されていません。また、3.5インチのラインを作る計画もありますし、45mmゲージのライブスチーム用のレイアウトも建設する予定もあります。まだまださきの長い話ですので、このあたりはおいおい煮詰めていきたいと思います。


<第5期(2008年)>

 西庭園に45mmと32mmのデュアルゲージエンドレス線を開設し、その後も、45mmゲージポーチサイド線が開通しました。1/30〜1/10スケールくらいの小さいライブスチームの機関車の運転が頻繁に行われるようになったためです。

 一方、ガレージ内やガレージ駅周辺のヤードが整備されました。ガレージ内には、1500mm径のターンテーブルの周囲に沢山の待機線が敷かれ、どんどん増える車両を線路にのせたままにしておくことができるようになりました。屋外にもモルタル造の本格的なターンテーブル(1000mm径)を設置し、その奥には木造の機関庫を建設しました。さらに、北デッキ線にもポイントを2基設置して、駅として機能するようにしました。

 45mmゲージの路線は、実はもう一つ既に仮設置されています。これが一番大きなエンドレスになります。


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