日々是好日・身辺雑記2001年1月
(下にいくほど日付は前になります)
以前の雑記を読む
- 1月某日「古語だらけ」
- 2年前といい今年といい、我が相棒が赤道近くに出張っている冬に限って大雪になる
- のはなぜなんざんしょ。 う〜む、もしかしたら相棒は地球の温暖化をくい止める男
なのやもしれぬ・・・・わきゃないか。
とにかく関東地方、大雪であります。
ところがこーゆー時に限って、動かせない用事があるんですな。 今回は私が外出で
はなく、友人が我が家へ来る、でしたが、たどり着いた彼女は雪まみれで、もはや玄
関先で笠地蔵状態。 「日本昔ばなし」のようなの光景でございました。
友よ〜、ガッツだ〜♪
彼女はちょっと特殊なコピーを取りに来たのですが、この寒さと雪の湿気でコピー機
の内部が結露しちゃって、なかなかスリリングな作業でございました。
さしこみ口で紙がひっかかるんで、結局オートモードは全滅で全部手作業。
「いやー、とば口で紙がひっかかるわー。」
「『とばぐち』って、えらく懐かしい言葉じゃん。」
「そういや最近聞かないねえ。 『お駄賃』とか『おすそわけ』とかも・・・・」
から始まって、懐かしい言葉大会。 自慢じゃないけどわたしはう〜んと年の離れた
ばーちゃんたちを相手に長くいたので、言葉は実年齢よりはるかに古いです。
「お暑うございます」「お寒うございます」「ご精が出ますね」はあたりまえ。
「弁当を使う」(場所を借りて弁当を食べる)「メリケン粉」「舶来品」、最近やっ
と美容室を「髪結いさん」と呼ばなくなったくらい(笑)。
明治生まれの言葉がいまだに現役な分、横文字にはめっぽう弱いです。 あ、「めっ
ぽう」も古語か〜(笑)。
ものの本(これも古語?)によると怒りの表現を、60代以上は「腹が立つ」と言い、
30代以上は「頭にくる」と言い、10代以上は「キレる」と言うそうな。
「腹」や「頭」のうちは自分の身体表現だから収集の付けようもあるけれど、「キレ」
ちゃうのは「外界シャットアウト」状態だから、怒り方としてはあんまり上等ではな
いんじゃないかなあ、などと、最近の若い衆の無機質な殺人事件について考えてしま
- います。
他人の立場を思いやれるのは、おのれの身の丈にあった喜怒哀楽があればこそ。
あああぁ、でも「若い衆」も「身の丈」も古語だぁ〜〜〜〜(笑)。
-
- 1月某日「左巻」
- 年が変わっても相変わらず不健康な毎日を送っております(笑)。
昨日今日と、どうしたわけか強烈なめまいに襲われて、参りました〜。
しかも本人まっすぐ歩いているつもりでも、なぜか体が左へ左へと曲がっちゃって壁に
ぶつかる。 これは痛い。 ので慎重に、
「やや右、やや右〜。」
と唱えながら歩いておりました。 校庭みたいに広い場所で放っておいたら、同じとこ
左巻にぐるぐる回ってたのかしらん。
晩になったら治まりましたが、ありゃいったい何だったのだろう?
で、わたくし突然小学校時代のことを思い出したのでございます。
クラスの伊藤くんと太田くんと山根くんがなにやら真剣にひそひそ話し込んでいる。
「・・・・だからさあ、片っぽとっちゃうと、そっちに体が傾くって。」
「まっすぐ歩いてるつもりでも同じ場所ぐるぐる回っちゃうらしーぜ。」
「こっわぁ〜。 じゃ両方取るしかないじゃん。」
「バカ、両方取ったらオカマだろーがっ」
女の子たちの
「ねー、なにひそひそ話してんの〜?」
の質問に、にーっと笑って
「関係ねーよ!」
と言っていた伊藤くん、今ならなんとなく分かるぞ〜、おばちゃんはね(笑)。
- 1月某日「自分ってなんじゃらほい」
- と訊かれて、さあ、何をイメージしたらよいのやら。
まずはビジュアルね、顔とか全身像とか。 あるいはバストショット右斜め45度、頬に
- 左手あてポォズなんて、マルベル堂のブロマイドみたいなのを思い浮かべる人もいるかも
- しれません。 凝ってますね。
あるいは「自分っていったらやっぱり自分の脳でしょう」と言う人、「いや、自分の感性
- だ」という人、「ココロこそ自分」派、一転して「DNAです、自分の」科学派、「何年
何月どこそこ生まれ、何々小学校卒・・・・」と履歴書がスクロールする歴史派、いろい
ろでしょう。
いきなりなんでこんなハナシになったかというと、たまたま「免疫学個人授業」(多田富
雄・南伸坊著・新潮文庫)という本を読んでいて、この中にひと言
「自分とは、自分じゃない奴じゃない奴だ」
- という、もう禅問答みたいなお答えがあって、あんまり楽しいので飲んでた中国茶を吹き
そうになっちゃったんですけどね。
その本によると、どうも「免疫」というのも「自分を自分たらしめる」重要な要素みたい
です。 自分の中に入ってきた「自分じゃない奴」(ウィルスとか)を
「これは自分じゃないやい。」
って追い出そうとしたり、取り込んじゃおうとしたり、知らんぷりしたり、時には間違っ
て自分のDNAを攻撃しちゃったり、とにかくいろいろあるらしい。
そうかと思うとエイズウィルスの巻ではハナシが民族学の方までいったりして、とにかく
この本はおもしろい。 とらえる角度が1つじゃなくて、いろんなカメラが多角的に働い
て「免疫学のカラクリ」を説いているわけです。
私は自慢じゃないけど中学高校時代、数学科学化学生物学、おおよそ「学」が付く教科は
- 全滅でした。 カラクリがわからなくて楽しくなかったからです。
中高一貫の一応進学校で、中学3年から高校の教科書を使うというスピードの授業だった
のですが。 どうせ一貫ならいっしょくたに、タテヨコナナメに脱線しつつその成り立ち
とつながりを教えてくれるゴッタ煮の「数科化生物学」をのんびり教えて欲しかったです。
国語だって現代国語と古文と漢文の枠をとっぱらって(だってつながっているんだから)
考えた方が楽しいし、日本史と世界史と日本地理と世界地理だって一緒くたのほうが世界
観がでっかく育っておもしろいんじゃないかなあ。 大人になって生活してゆくことを考
えると家庭科と公民は一緒の方がいいし。 目玉焼きから選挙まで。
問題はそれだけ壁をとっぱらっちゃったものを伝授出来る教師がいるか、ということなの
ですが。(なんだかドイツのシュタイナー教育論みたいになってきたな・・・)
ま、それはともかく。
交換エッセイや往復書簡の楽しさも、たぶん、脱線しながらも多角的に何かを見つけて行
けることなんじゃないかなあと、思うんですけどね、私は。
-
- 1月某日「運び屋さん」
- へっくしっ! 今年の風邪はしぶといですな。
ってなわけで、盲腸が治まったら今度は風邪っぴきであります。
うふふ、年下の男の子に伝染されたのよ・・・っていっても、バスで隣に座ってた0才児
- なんですけどね。 「へくちっ」とかわいいクシャミと一緒に我が人生の「年下伝染最年
少記録」達成であります。 喜んでいいんだかなんだかな。 美少年だったけど。(笑)
伝染るといえば、虫歯のミュータンス菌、これはぬか床と一緒で、各人各様なんだそうで
- すな。 歯医者に勤めていた友人が教えてくれました。
生まれたばかりの赤ちゃんは無菌状態なので、最初はお母さんお父さん、お祖母ちゃんお
祖父ちゃん、(固いものを噛んで食べさせてあげたりすると伝染るそうな)それから保育
園や幼稚園の友達(遊んでるうちに唾液から伝染るそうな)、長じてはえ〜、年齢はまち
まちでしょうが〜、あんなこととか〜こんなこととか〜で、伝染るとか。
え?
あ、まあ「食べかけのものをもらった」とかもアリですけど〜、もちょっと大人の、ね。
おつきあいというか、なんとゆーか・・・(笑)
さあっ!
あなたは過去何人にミュータンス菌を伝染した(伝染された)でしょーかっ!?
「それまで虫歯なんてなかったのに、あの人とつきあってから前歯が・・・」
というあなた、はい決定。
「あの人の想い出はみんな捨てたのに、奥歯が・・・・」
というあなたも、伝染ってます。
「あんちくしょーと別れて以来、虫歯知らずよ〜」
というあなたもたぶん・・・・・(笑)
しょせん人間は遺伝子と菌の運び屋。
「アデュー」
と言って別れても、歯にはしっかり愛のメモワールが残っているのでございます。
- 1月某日「百人一首」
- あけましておめでとうございます。
「抜刀質店」は今年も仮設です! ・・・って去年も同じ事を言った記憶が(笑)。
なんと足かけ3年、2世紀またぎで堂々「仮設」のまんまのこの投げやりなサイトにお運
びの奇特〜なみなさまにおかれましても、今年が良い1年でありますように。
いつもの年だと新年は相棒(夫ともいう)の故郷・長野で迎えるのですが、今年は相棒が
赤道直下の猿と亀とシーラカンスだらけの島に行ったきり。
で、久々に自宅でお正月なのでございます。
年末に「盲腸が痛いけれど新年早々切るのは嫌じゃ〜」と相棒に連絡したら
「『切らなば切らね ながらへば 忍ることの弱りもぞする』 お大事に。」
と返歌が来ました。 ああ、技あり1本〜。
我が相棒、アフリカで百人一首のパロディーを詠むヤツ。
ちなみに本歌は
「玉のをよ 絶なば絶ね ながらへば 忍ることのよはりもぞする」(式子内親王)。
相棒はバリバリ理系出身なのに、なぜか古典ヲタクなんであります。
それを補うかのように、わたしゃ無手勝流。 なんにも分からんまま何となくガチャガチャ
やってるうちに何とかなるタイプであります。(自慢にはならんな・笑)
百人一首なんてあーた、「龍田川」と「瀬をはやみ」の2ツっきり知らないわ。
それも落語のタイトルだからよ。(やっぱり志ん生師匠のがいいわ)
てな具合で今年もスチャラカホイホイで参りますので、よろしく〜(笑)
- 雑記メニューに戻る
-
- トップへ戻る
-