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日々是好日・身辺雑記2000年7月
(下にいくほど日付は前になります)

過去の雑記を読む


7月某日「今月読んだ本から」
といっても、暑さに負けてあんまり読まなかったなぁ、今月は・・・・(笑)。
   
「精神科に行こう!」
        
(大原広軌=著・藤臣柊子=マンガ 情報センター出版局・1200円)
売れてるな〜。 去年の春から、ずーっと本屋に平積みだわ。
神経症の一種「パニック・ディスオーダー」の著者と、同じ神経症&うつ病の藤臣さんのマ
ンガで構成されてて、サブタイトルが「心のカゼは軽〜く治そう」。
ちょっと前までは神経症にせようつ病にせよ、脳ミソ系の病気は「周囲には知られたくない
ひたすら隠すモノ」だったことを考えると、すごい変わり様ですな。
先日製薬会社が「うつ病の新薬被験者募集」とゆー、見開き新聞広告をうっていて、これ
だけでも今までだったら考えられない現象、それによると「うつ病の人の数は(ごくごく軽
い潜在患者も含めてとはいえ)700万」・・・ということは働いてる大人の10人にひ
とり以上がうつ病なのか・・・。 バリエーション豊富な神経症も含めたら、もっとすごい
数の人たちが〜
それだけ、今の日本で生きてくのって、ストレス多くて大変なんですなー。
藤臣さんのマンガの方のセリフで「まぁ人生真剣にやってりゃアタマイカレもするさ」、と。
その深刻な大問題なんですが、明るいバカッ話(著者の体験談は、悪いけどマジで笑えるゾ
飲尿療法とかやっちゃうあたり・・・)とマンガでカラリと描いているので、これ読んでホッ
とする人、多いだろーなー。
いや、ホントに病気で苦しんでる「大原さん本人」にとっては大問題でも、そこはそれ
「読ませて・笑わせて・楽にしてあげましょう!」
という、この本を作ろうとする「もの書き大原さん」が、今はきっと沢山の人に必要なんで
すねー。 その心意気や、よしっ(笑)
     
「マイペース!ゆずらん 2」(小池田マヤ著・双葉社・680円)
なんだか宝塚ノリだぞ〜!! な人気4コママンガの第2集。
「最強の大阪OL2人組が東京に殴り込み!!」なんだそーです、宣伝コピーによれば(笑)
でもヒロインのひとりでヅカの男役そっくりの「宝塚蘭」ちゃんは、実は大企業の会長の孫娘。
で、婚約者(自称)で財閥の孫でもって「詩人」の美女、もとい美男子「白河百合夫」君。
このふたりがやいのやいの騒いでいる横を黙って通り過ぎるお局OL先輩のつぶやきが
「・・・トップと2番手男役・・・」 
髪くくった百合夫君は「源氏物語」に出演中の「匠ひびき」そっくりや〜。
というか、昔のトップ「紫苑ゆう」そっくり〜 ああ、年がバレるざんす。 や〜ね(笑)
    

7月某日「酒とおせちと花火とわしら(バカ者たち)」
いやぁ〜、ボーナスの季節ですな〜!!
といってもフリーランスのモノ描きのわたしにはなーんも関係ないのですが。
(言ってみたかっただけ。)
ウチは一応相棒がカタギなもんで、「月給」とか「ボーナス」とかゆーのは奴さんが稼いでお
ります。 私はメチャクチャ入る月もありゃゼロの月もある稼業ですから、世間さまでいう
「ダブル・ポケット」といっても、生活はまったく優雅なんてもんじゃぁございません。
毎月決まった日にまとまったキャッシュが入る
月給」!!
ああ、何てよい言葉の響きなのでしょう。 うっとり〜・・・・
    
しかし、遠い昔、実は私も「月給」をもらう身であったことがございましたの。
フッ・・・(遠い目)
しかしその実体は、「毎月決まった日にまとまったキャッシュが入る」なんてェいいもんでは
ございませんでした。 学校出て、「まずはカタギで暮らそう(モノ描きとしてデビュー出来
るまでは)」と心に決めた私は、とりあえず「株式会社」と名の付くところで働くことにしま
した。 でもついに正社員には最後までなれませんでした。(つまり失業保険も社会保険も社
会年金もなしね。)
なぜならその会社は
のです。(って、何もここでレインボーカラーせんでも。)
給料の遅配なんてあったりまえ。 2〜3日遅れどころか、次の月の給料日の2日前にやっと
出たことも・・・当然その次の給料が2日後にちゃんと出るわけもなく、また次の月の20日
過ぎ。 毎回そんなくり返しでした。 一度に全員に出るのではなく、毎日1人ずつ社長室に
呼ばれて社長の奥さんから給料袋を渡されるわけです。 呼ばれるのはとりあえず「入社の古
い順」「妻子持ち・独身男・独身女の順」でした。 だからわたしはどんけつでした。
たとえ男子社員と一緒に力仕事をこなした上に、お茶くみとトイレ掃除が「女だから」とプラ
スされても。(清掃業者を雇う金もなかったので
そのビルの中でウチのフロアだけ社員が自
分でやってたんです。)
世間のヒエラルキーとはそーゆーもんです。
2年近く働いて、退職金は「婦人物ソックス2足」でした。
わたし、いろんな友だち・知り合いの中でこれよりチープな「退職金」をもらったという人を
知りません。 「退職品」だよな、これじゃ。
こんなわたしですから、相棒が毎月25日に給料を受け取る、それだけでも奇跡のように思え
てなりません。 額なんて問題じゃないのよ、聞いてる?相棒。
たとえフセインおぢさんの気まぐれでドンパチ始まって、余波くらって会社が何度も潰れかけ
ても(そーゆーお国相手の仕事をしているらしい)、相棒のあんたが無事で、毎日ごはんさえ
食べれりゃいいのよ。 そんでもって、その余りでちょこっと遊べりゃ最高だわ。
それがカタギってもんよ。 たぶん、きっと。
    
さて、そんな昔のわたしの「カタギ」の年の瀬。 相変わらず誰ひとり給料は出ておりません。
当然「ボーナス」なんて最初から存在してません。
25日過ぎたあたりから、実家が遠方の連中からは
「今年は正月、田舎に帰れそうにないなぁ・・・・」
の声があがりはじめ、そして28日、社長から非情の宣言
「1日でも多く稼ぐため、大晦日も平常営業で、新年は1月1日から開けるからね。」
そして30日、社長夫人のとどめの一言
「私たち一家はあしたから
だから、留守よろしくね〜。」
さ〜あ、みんなブチ切れたぞ〜っ!!
最年長で妻子持ちのY先輩が「このままでは年が越せません」と社長室にねじ込んでやっと
勝ち取ったモチ代が3万円。 ひとりあたり、じゃありません、Y先輩の分だけなんとか強引
に給料を前借りしたんです、たぶん社長一家のハワイでのお小遣いを。
で、大晦日は夕方まで営業、元旦は休み、店を開けるのは2日からになりました。
      
さて社長一家が成田に出発した大晦日、5時に店を閉め、いつも通り掃除を済ませ、Y先輩は
1万円札3枚を握りしめて雄叫びました。
「ウチで飲むぞ〜っ みんな来〜い!!
遠慮なくくっついて行った総勢約10名。
酒とつまみを買い込んで、「年越しの準備をすっかり整えて夫の帰りを待つY家」になだれこ
んだのでした。 立派だったのは北海道生まれで肝っ玉の座った美人妻Y夫人。
今夜の年越しそば、明日からのおせち、冷蔵庫の刺身から、オードブルから、とにかく家中の
ごちそうを座敷の真ん中にダーッと並べて、
「さあっ! みんな遠慮なく食べなさい
そこはそれ、オオカミも真っ青の、アタマにもシリにも火の付きまくった野獣の群れと化して
いるわしらです。(笑)
飲むは喰うは吠えるは、あんな激しい大晦日は生涯ただ一度・・・・でしょう、たぶん。
そのうちどこからともなく夏の花火の残りが1袋掘り出されて、いきなり深夜の花火大会に突
入。 ふだんなら近所から苦情のひとつやふたつやみっつあがりそうなものですが、そこはそ
れ国民総夜更かし体勢の大晦日ですから、酔っぱらい集団は湿気た花火で盛大な煙をあげつつ
新年を迎えたのでありました。
    
そろそろ花火の季節です。 あちこちで七色の炎と青白い煙を見るたびに、私はあの、我が生
涯で1番過激だった大晦日の花火を思い出すのです。
酔っぱらって見上げた冬の夜空に立ちのぼっていった花火の煙には、いったいわたしたちの何
が混じりあっていたのかしら、と。
       
「バカさ」ときっぱり言い切ってしまえばミもフタもありませんけれど。
      

7月某日「頭上にプリマスロック!」
佐々木倫子さんのファンです。
「動物のお医者さん」にニワトリのヒヨちゃん(名前に似合わず凶暴なオス)とゆーのが登場
するわけですが、彼につつかれると痛いんですね、二階堂君のセリフで
「痛いなんてもんじゃないぜ、あれは〜。
:ペンチで・つかんで・ひねる(ここは絵)
とゆーのがありまして。
大笑いして読んでいたのですが、先日ペットショップで「プリマス」とゆーニワトリのヒナに
ちょっかい出して(笑)つつかれまして、ホントにその通りでした。
痛かった〜!(笑) ヒナといえどもあなどり難し!
同じキジ科でも、ウチで飼っているのはうずらで、これは成鳥でも体重せいぜい130g。
ニワトリはその二十数倍の大きさに成長する(メスで2・5〜3kg、オスだと4kg)わけ
ですから、強くてあたりまえ、ヒナの時点ですでに脚なんかうずらの十倍ぶっといもんね。
ああ、美しいプリマス、卵も肉質も最高と言われ、常に「いつか飼ってみたい鳥」の上位にノ
ミネートされている黒白だんだら模様のニワトリ〜。 あんた強すぎ(笑)。
      
プリマスは正式名称「横斑プリマスロック」と言います。 そう、かのメイフラワー号の十何
人だかが降り立ったというアメリカ合衆国発祥の地、あの「プリマス岩」を冠した名前(らし
い)です。(ってことは、プリマス岩って白黒混じりあった模様なのかしらん。)
    
アメリカだかイギリスだかの超有名大学で毎年行われる「学生弁論大会」、これはイエス派と
ノー派に分かれて、しょーもない「お題」に関するディベートの技術を競うお遊びなわけです
が(「地球は丸いか平らか」とか「サンタクロースはいるか否か」とか)ある年「メイフラワ
ー号によるアメリカ上陸は間違いであった。」という結論が出て、アメリカ中の熱烈な愛国者
の大ブーイングを買ったことがありました。
喧々囂々侃々諤々の(こーゆー変換は得意なのになぜ「2時」を「2自」としか出せないんだ
ウチのパソコンは〜! ま、それはさておき。)大論争の末に、ノー派が飛ばしたジョーク
「彼らは
プリマス岩の上に降り立ったが、プリマス岩こそ彼らの頭の上に降るべきだった。」
とゆー、
モンティパイソンの16トン・ギャグに場内大ウケして、ノー派が勝っちゃったと
いうアホな話なのですが。(ホンマにアホや〜。)
    
さて、メイフラワー号の面々が降り立ったプリマスロックは白黒だんだら岩のよーですが、出
発したイギリスの南部にブライトンとゆー保養地があります。
ここの名物「ブライトン・ロック」は「ブライトンの岩」じゃなくて、切っても切っても「Br
ighton」って文字が出てくるイギリス版金太郎アメなんですねー。
だから「Like Brighton-Rocks」と言うと「ブライトンの岩のごとく」じゃなくて「金太郎アメ
みたいに紋切り型」・・・この雑記のコーナーも、ブライトン・ロックにならないよーに気を
つけなければ。
せめて
プリマス・ロック(それも頭上に降ってくるヤツ)を目指したいですな。
    

7月某日「どうしたもんだかなー」
あいかわらず薬飲みまくってます。 副作用がキツいです。
まー、昔だったら大騒ぎの病名だったんでしょうが、今は割とフツーです。 でも年輩者の中
には(結構若い人でも)根強い偏見が一部まだあるので、カミングアウトはしませんが。
今じゃもうごっつい隔離病棟もないし、伝染りっこないし、村八分にだってなりゃしないんで
すよ〜。・・・って言ってもね、まあ、分かってもらえないのは仕方ないか。
   
でも、仕事してんのよね、私(笑)。
やっぱり休めませんわ、フリーランスは。 ヤめたらもう次はないからな〜。
さすがにいつものようにはいきませんが(いくら強い薬むさぼるよーに胃につっこんでも、い
く時はバッタリいっちゃうし。) どーなるんだか、この先・・・。 ふう。
    
こんな時期にばーちゃんの介護保険の書き替え通達。 なんせ期限たったの半年ですからね〜。
せわしないことこの上ないぞー。
元気な時だって充分わずらわしい制度なのに、こーゆーときにまたバタバタやらにゃならんの
かと思うと、気が遠くなりそうです。
なんせ元気で若くて経済的にも将来的にも保証のある、現場のことをなんも分かっちゃいない
厚生省のお役人が、テーブルの上で作った制度だからなー。
介護を受ける年寄りには(ましてや痴呆の場合最悪だ)ちんぷんかんぷんなうえに、サポート
する家族にとっても、元気でなきゃついてけない制度なんて、いったいこんなもん、どーしろっ
ちゅーんじゃ。
うぅぅ、考えると胃が痛い。 困ったもんです。
     

7月某日「ドンと行け」
薬は、日によって効きがよかったり悪かったりなんですが、雨が降るとてきめんダメですワ。
天気予報みたいな体になってしまったぞな。
こーゆー辛気くさい時は、やはりバカ話をかますしかありませんな〜。
(これだから、私の芸風、いやさ性格って・・・。)
    
童謡「浦島太郎」の歌詞の中に
「帰ってみれば此は如何に、もと居た家も村もなく・・・」
とゆーのがありまして、ウチの兄貴は子供の頃、帰ってきた浦島太郎が巨大な「恐いカニ」に
襲われたもんだと信じていたそーです。 「こはいかに」。 ああ文語文。
アニメソングでは、かの有名な「巨人の星」のテーマソング
「思い〜こんだ〜ら〜試練の道を〜、行くが〜男の〜ド根性〜」
アニメの画面とかぶさって、飛雄馬の引く「グラウンド均しのローラー」のことを、てっきり
「コンダーラー」とゆーもんだとカン違いしちゃったチビッ子たちのなんと多いことか。
いや、けっこういい年の大人もダマされたね、あれにゃぁ。
      
しかし、上には上がいたもんで、この歌詞のラスト
「行〜け行け飛雄馬〜、どんと行け〜」
ここで我が友人A嬢は友人に尋ねられたそうな。
    
「あのさあ、
ドンって、だれ?
    
あれは「伴 宙太」でー、「ドン・宙太」じゃないんだよー。
(「ドン」じゃ、まるでマフィアのボスか、石野真子だってば。)
さすがにこれはまだひとりしか聞いたことないけど、強者(つわもの)じゃわい。
    
強者といえば、もうひとり、ウチの相棒もすごいぞ。
彼は「サクラ大戦」をゲームより先に音楽CDで耳から知ったものですから、
「檄! 帝国歌劇団」の2番の歌詞
「暁に〜激情を〜照らし出す〜乙女〜」
を聞いて一言
「ふ〜ん、みんな女優さんだけじゃないんだね。」
    
照明さんじゃな〜〜〜〜〜いっっっ!!!
    
戦闘中に、のんきに帝劇の建物をライトアップしてる場合じゃないでしょ〜が〜っ!
     

7月某日「天水(てんすい)の発想」
三宅島ではまだ一部断水が続いているそうで、東京一傾斜がキツイといわれる伊ヶ谷集落では
本土から来た給水車が行ったり来たり、大騒ぎらしいです。
車が通れない道はポリタンク担いで往復・・・生活用水だから大変だ〜。 飲み水は、ペット
ボトルの配給があるそうです。 これまた箱単位。 ううう、腰痛になりそう・・・(切実)
ウチの両親は常日頃から、飲み水はたまたま近所にある湧き水を、生活用水は天水をメインに
していたので、それでもまだ負担が少なくて済んでいるらしいのですが・・・・。
    
「天水」と聞いてすぐ分かる人って、いるかしら。
私も長いこと「【テンスイ】って島の方言?」って思っていました。
「風水」でもなきゃ、今一部で話題の某「遙かなる〜の天○」君でもございません(笑)。
これ雨水のことです。 雨はつまり「天(あめ)の水」。 降る水は、みな天の恵み。
風雅な言い方ですワ。
しかし実際の天水桶は風雅もへったくれもない、ただのコンクリの箱です。
大きさは2〜3畳の部屋くらい。 高さはだいたい2メートル。 そのまま家の横に建ってい
るか、頭20センチほど出して埋められているかです。 ここに、屋根に降った雨水が雨樋を
つたって集められるわけです。 あとはポンプで汲み出すだけ。(昔はバケツにロープつけて
汲んでた・・・もんで、わたし井戸水とか汲むの上手いです。 片手にロープ、片手にさかさ
にしたブリキバケツの底のへりを持ってね、水面にむかってパーンッとたたき込むの。)
たかが屋根の水と侮る事なかれ。 スコールのような雨の降る三宅島では、これで庭の水撒き
もお風呂も洗濯もまかなえちゃうんです。 水道水は最後のすすぎにいるくらい。
それでも、最近は水道の普及で天水桶のない(その分車庫スペースが増えたワケ)家が増えて
きた矢先の断水騒ぎ。 立地条件でどうしても天水桶を設置できない家もあるので一概には言
えませんが、やはりこれは、古風な先人の知恵を生かしていた家の方がいざというとき助かっ
たようです。
    
日本列島はおよそ3000の島からなり、そのほとんどが小さな小さな島です。
有人島・無人島の比率は資料がないので分かりませんが、地図を広げると
「えっ、こんな辺鄙な、小さな島にも航路図が・・・ってことは、人が住んでいるんだ。」
と驚くこともしばしば。 そんな小さな島々の数だけ、それぞれに過酷な自然があり、そして
その中で生きてゆく人間の、さまざまな知恵の蓄積があるわけです。
「人間って、あえて過酷な自然と向かい合って生きるのが好きなのかも。」
という楽しいメールを友人から受け取って、そんなことを考えていました。
    
日本が「天皇を中心とした『神』の国」であるかどうかはともかくとして・・・これに関して
は某やぎ師匠が「日本文化の歴史」(尾藤正英・岩波新書・700円)によせて痛快な読書評
を書いていらっしゃいますが、ま、とにかく「先人の『知恵』が適所にぎっしり積み重なった
国」である(であった?)ことは、確かです。
どうかこの先も、この日本人の知恵が失われませんように。
    

7月某日「6月に読んだ本の中から・・・」
6月中に書き忘れていたので。あのな〜
おもしろかったものを3冊ほど。    
     
「群ようこ 西原理恵子 鳥頭対談
(とりあたまたいだん)(朝日新聞社・1200円)
 今は亡き「朝日新聞社、血迷ったか女性誌創刊・UNO(ウノ)」(あっというまに休刊)
 に掲載された対談をまとめたもの。 と〜に〜か〜く、爆笑もんです。
 対談も、なんですが西原さんのマンガもスゴイ これだけでも読む価値あるね、この本ァ。
 西原さんという人は「ヘタウマ」のように言う人もおりますが、いや、実はも〜〜〜〜んの
 すっご〜〜〜〜〜く上手い人です。 最近はもう、絶対だれにもマネできない境地に突入し
 ちゃってます。 絵も文も。 絶妙のバランス感覚というか。
 毒っ気があるんだけど、その毒が読み手にあたらないのは、さりげなーく自分でオトしてる
 から。 奔放にやってるように見えて、実はものすごく繊細だったりするのです。
 そして、この本のもうひとつのお楽しみが写真
 
毎回群さんと西原さんのおふたりが「かしまし娘」にはなるは「着ぐるみショウ」はやるは、
 ついには「宝塚」、それも「ベルバラ」をぶちかましたあげく
 西原「それはそうと先輩、あんた安物のカルーセル麻紀そっくり。」
 群 「あんたは自動販売機の1200円のダッチワイフ生き写しですごくかわいいわよ。」
 胸ぐらつかみ合って言うか〜っ!?
    
「飢え」
(群ようこ・角川文庫・480円)
 群ようこさんによる「林芙美子論」。
 というか、「林芙美子伝を主軸にした、群ようこの自伝エッセイ」だな、こりゃ。
 私は「林芙美子」という人が、良いとこも悪いとこもひっくるめて大好きなので、喜び勇ん
 で読んだのですが(何しろ亡くなったときの葬儀委員長・川端康成をもってして「故人は生
 前いろいろありましたが、まあ、あと数時間で灰になってしまうのですから、皆さん許して
 やって下さい。」とゆーよーな挨拶をさせたという・・・。 そこまでされるか、普通?)
 ちょっと群さんカラーが強すぎて、肩すかしだった・・・かな。
 ただ最終章「友だち」のイントロのエピソードだけは、ものすごく頷いた私でありました。
 「仕事」ってホント、やってる本人と、ハタで見てて「あたしにもできそう」な人とじゃ、
 全然違うもんなのよね〜。
シミジミ・・・
    
「英国式 田舎の作り方」(ポール・ハイニー・辰巳出版・2600円)
 この本は、おそらく、あなたにとって何の役にも立ちません。
 著者はイギリスの人気ジャーナリストで、36エーカーの農園主。
 昔ながらの人力と馬力を中心にした方法で、畑を耕し、家畜を飼い、果樹園を管理し、パン
 やチーズやジャムやハムを作って生活する、そのやり方が淡々と紹介されているだけです。
 日本でやろうとしても、気候は違うし、そんな広い土地はないし、農法だって全然違うし、
 だいたいラマやダチョウを家畜として飼おうなんてェ物好き、イギリス人でもホントにいる
 んか〜(笑)
 ただ、オールカラーのきれいな写真でつづられていて、その風景を見ているだけでホェ〜ッ
 とした気持ちになれます。 英国風のひねりの利いた解説もナイス。
 先に紹介したチャペックの「園芸家12ヶ月」を「おもしろ〜い。」と思えたあなたなら、
 2冊目に、どーぞ。 おすすめです。
 (ちょっと大きい本屋さんか、趣味系の店に行かないとないかも・・・ハンズとかね。)
      

7月某日「夏来ぬと、目にはさやかに見えまくり〜、で7月なのじゃ」
あらら、バタバタしてるうちに7月じゃ。
三宅島で避難所生活していた両親は、無事家に帰れました。 ヨカッタヨカッタ。
私は毎日8種類の薬を飲んで、副作用にもんどりうっています。 
これは一時的なもので、じきにおさまる性質のものらしいのですが、やっぱりしんどいのう。
中学の時に一度腎臓を悪くして、その時はいい薬がなかったのか(医者がタケノコだったのか)
副作用を薬で抑えて、そのまた副作用をまた別の薬で抑えて・・・と、薬の悪循環を身をもっ
て知っている私ですが、今回ばかりは、8種類毎日ちゃんと飲まにゃアカンみたいです。
朝・昼・晩・寝る前の飲み分けが面倒じゃのう。 薬いっぱい出されるお年寄りの気持ちが、
今なら分かるぞな、わしゃぁ。
    
しかし7月。 もう、枝豆は食べたし、ヒマワリは芽を吹くし、アサガオは伸びるしペットの
うずらはサカリがつくしで、まごうことなき7月。
いろんなことが滞っちゃってます、すみません。
私は毎日元気にビョーキしています。(ナンノコッチャ) 昨日医者で
「大丈夫、少しずつ良くなってますから。」
と言われました。 やっぱイッキ快復はダメかいな。
       


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