日々是好日・身辺雑記2000年4月
(下にいくほど日付は前になります)

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4月某日「今月もオシマイ」
さて、体調こじらせて、ひっくり返ってから1ヶ月経過。
「こんどこそ治ったじゃろ〜っ
と医者に行ったのですが、まだあと半月は薬とお友達だそうな・・・・
トホホ・・・・
確かにまだ薬切れると痛むし、油っこいもの食べられないしなあ。 参った〜。
   
というわけで、仕事と介護で出る以外は、あいかわらず家でぼ〜んやり過ごしています。
やたら本を買いまくった1ヶ月でした。
その中から、おもしろかったものなぞを。
    
「あしたの少女たち」(藤田ミラノ画集・小学館・2300円)
中原淳一、高橋真琴と並ぶ、「叙情少女画」の巨匠。
1972年には日本での活動を終えて渡仏しているそうなので、リアルタイムで作品に
触れたことはないのですが、それでも小学生の頃文房具屋さんには彼女のイラスト入り
のグッズがまだ並んでたなあ・・・「色鉛筆24色セット」の外函とか。(笑)
あと、以前古本屋で働いていたことがあるので、昔の「コバルト」のカバーとか、なん
のかんのいって、結構目にしているんですよね、彼女の絵。
今回まとめて見て、この人の端正な画風って、少女漫画のカラーにすごい影響を与えて
いたのだなあとしみじみ実感。
   
「夢見る頃をすぎても」(吉田秋生・小学館文庫・610円)
私は女子校だったので、「楽園のこちらがわ」を読んで、共学の高校にはゲタを履いた
男子生徒がいるもんだとホンキで信じていました(笑)。
でもって「はるかなる天使たちの群れ」を読んで、大学生って大人〜と思ってました。
いざ自分がそうなってみたら・・・・単なる山賊の巣でしたケド(笑)。
ゲタは履かなかったけど、わらぞーりは履いたな、アトリエ棟で
(ヲイ)
それはともかく・・・・私はこの人の短編がしみじみ好きです。
表題作もですが、「ジュリエットの海」や「解放の呪文」もいいぞ〜、すごいぞ〜。
それぞれ40、60ページで、これだけのドラマを描ききっちゃうんだから・・・・。
やっぱスゴイわ〜、吉田さん。
     
       
「中島らものばしっと明るい悩み相談室」
「中島らものつくづく明るい悩み相談室」(朝日文庫・各480円)
以前途中まで買って、ついつい宙ぶらりんになっていたシリーズの5と6。
あと1冊なのじゃ、頑張ろう〜。(本屋で探すのを、ね。)
しかし、内容は「頑張って」読むようなもんじゃござんせん(笑)。
脳ミソの筋肉を思いっきりゆるめて読まないと、あきまへんワ。
      
「東京のえんぎもの」(早川光・求龍堂・1300円)
東京とその近郊に住んでいる人にはかなり楽しめる1冊。
家の中を見渡すと、結構あるんですよね、これが。
パソコンの前にはウィルスよけ?(笑)に相棒が買ってくれた白髭神社の
勾玉土鈴がぶらさがっているし、玄関には向島七福神の宝船、根津神社の
厄よけ粽(ちまき)に王子稲荷の火防の凧、あ、暫狐(しばらくぎつね)
なんてマイナーなものもあったワ。
さて、今年は絶対日本橋の「べったら市」に行くぞと決めました
だって、寶田恵比須神社の福財布、タイが正面顔なんですもの・・・(笑)。
えびす様の顔がおやっさんなとこもナイス。
    
あ、そういえば、以前描いた絵をアップしたのでした。
カンナマリア、どちらからも見られます。    
        

4月某日「コロッケ五えんのすけの父」
以前、コロッケ好きの藤枝あやめさんが
「いとしのコロッケ五えんのすけ様・・・」
とつぶやきながら、ぬいぐるみを抱きしめるシーンを描きましたが・・・・。
これは杉浦茂さんの「猿飛佐助」(1953年)というマンガに出てくるキャラクターです。
     
その杉浦茂さんが亡くなられるとは・・・・。
かなりご高齢だとは知っていましたが、気持ちの中ではなんとなく
「杉浦茂さん=(イコール)仙人」
というのがありました。 享年92。 ご冥福をお祈りします。
    
杉浦茂さんの業績を紹介する真田町のホームページ・・・・
                    
http://www.sanada.or.jp/contents/mystery4.mys4.html
                       
      
最もご活躍されたのが1940年代後半〜50年代ですから、さすがに私は生まれていません。
ただ、私たち画学生の間では伝説のマンガ家・・・・というより伝説のアーティストでした。
「元祖ヘタウマ」とでも言いましょうか、お行儀の良いマンガの父が田河水泡さんなら、それを
つきやぶった「ハチャメチャマンガの父」が杉浦さん。 後の日本のマンガのみならず、ビジュ
アルアート全般に強い影響を、実はひそかに与え続けた人だったと思います。
    
気がかりなのは、その業績が一般に再評価されたのが、あまりにも遅かったことです。
5年前に筑摩書房から全5巻の作品集が刊行されたとき、氏は
「自分が死んだら、もう出さないで欲しい」
というような発言をされたと聞いていますが・・・・絶版にはまだまだ早いと思うぞ〜。
真田町では「杉浦茂記念館」およびインターネット上での「杉浦茂ワンダーランド」設立構想が
あるそうで、ぜひ実現して欲しいです。
   
それにしても・・・・
亡くなられたのは悲しいけれど、杉浦さんの描いたキャラクターたちを思い出すと、それでも
ついつい笑っちゃうのよねえ。
「コロッケ五えんのすけ」に「うどん粉プップのすけ」だもんなあ・・・・(笑)。
     

4月某日「小説三千畳」
あっちこっちのサイトに遊びに行くたびに思うこと。
なんでみんなこんなに文章を書くのが上手いんでしょ。 うらやましいぞ〜。 
実は「文」というのがほとんど分かりません、私。
そりゃま、一応日常の生活に必要な読み書き位はなんとか出来るけれど・・・いやいや、それ
すらあぶない時もあるわ。 お役所からの書類とか、まるでわからん(笑)。
     
絵は、実際に紙に描く前に、頭の中でほぼ全部を組み立てることが出来ます。
白い紙を見ているとそこに完成した形が浮かんできて、それに向かって手を動かしていきます。
でも文字はどーにも分かりません。 白い紙を見ていると、そのまま寝ちゃうぞ、私は(笑)。
今、こうして書いていられるのは「キーボード」というありがたいお道具があるからで、カー
ソルが行ったり来たり、消したり貼ったり、完成した形がどうなるのかなんて、まーるで見当
もつかんのよ。
ですから、私にとって「文章を書く」という作業は、音声を頭の中で流しながらその字面(じ
づら)を組み合わせていくパズルです。 改行余白と「、」がやたら多いのは、それがないと
書いてる本人が、文字の息継ぎができないから。 縦書きだともう少し長くても平気なんです
が、横書きはどうしても途中で目がおぼれちゃいます。
それなのに、なんでこーゆーもんを書くのかというと、「パズルは楽しい」からです(笑)。
     
まだワープロを持たない中・高生時代、読書感想文を書く時なんて、そりゃ壮観でしたぞ〜。
書きたい文節や単語を全部紙片に書き出して、それを六畳一間にバーッと広げて、並べ替えて
ホチキスで止めていくという、まさに「地獄のお座敷パズル」でした。
そんなことでもやらないと、私の脳ミソは原稿用紙十枚の宿題が埋められませなんだ。
                  
というわけで、こんなふうにほぼ1ウィンドウに収まる文字数千前後の文章は三畳分のパズル。
まかり間違って小説なんぞを書こうと思った日にゃ、まず三千畳くらいの広〜いお座敷を用意
しなければ。 ・・・・書き終る頃には、白髪三千丈なのじゃ。
     

4月某日「やりどころに困るの」     
ものすごい才能のあるミュージシャンのことを
「毛穴から音符が吹き出しているような凄い人たち」
と文章で書いた人がいて、それは「ああ、なるほどな」と納得する、結構好きな表現なのだけ
れど。
しかし、そうすると漫画描き・絵描きのたぐいはどう言ったらよろしいのかしらん。 
「毛穴から線が吹き出しているような凄い人」
・・・・ハリネズミやがな。
「毛穴から色が吹き出しているような凄い人」
ボディ・ペインティングか、ショッカーの怪人かいっ!
いずれにせよ、人間の毛穴からは、汗以外あまり目に見えるもんは吹き出さんほうがよろしい。
さもないと文豪はみんな「耳なし法一」状態である。 目のやりどころに困る。
    
「29才の憂うつ パラダイスサーティー」(テレ朝・土曜夜11時)は乃南アサの原作とは
えらい違う滑り出し。 小説の導入部のエッセンスをぜ〜んぶすっ飛ばして、軽め軽めのオシャ
レなドラマに・・・・したいらしいわな。 連ドラだから来週以降どういう展開になるか次第
なんでしょーが。 なんだかトホホな第1話であった。
サイフから札抜き取られたら、29才OLなら怒って追えや、ヒロインの栗子〜!
見知らぬ男が放ったサイフを拾い上げて、いきなり雑踏の中のひとりのOLに「君の?」と言
いながら手渡す二枚目がいるかいな〜。(いたら共犯者だ)     
    
な〜の〜に最後まで見ちゃったのは、ホホホのホ、清水美砂さんが出てたから。
映画「シコふんじゃった」から好きよ。(これは名作だ!)
なんといっても、「人の不幸は密の味」で、ポヤャ〜ンとした少女漫画家のアシスタント役を
やったのが最高でしたワ。 映画「おこげ」をやったかと思えば今度はトランス・ジェンダー
役、なかなか芸風が広くて、これまた良きかな、良きかな。   
    
しかし、このTVドラマの現実感の無さはなんなんだろう。
台詞の量がハンパじゃない分ハナシがあっちゃこっちゃ迷走して、原作の持ち味である「家族
の陰り」や「29才OLの、漠然としたアイデンティティーのゆらぎ」といった「物語のひだ」
の部分が、バッサリ切り捨てられちゃってる。
リアリティーの欠落した「自称フツーのOL」栗子じゃ、セクシャル・マイノリティーの菜摘
とのコンビネーションが地に足着かないのは当然じゃろが。
ホントにもう、あまりのむずがゆさに、気持ちのやりどころに困るのよ。
毛穴から「トホホ」の文字を吹き出しまくって、いま凄い人なのである、私は。

でも来週も見ちゃうんだな、たぶん。      

4月某日「上野まで、9バナナ4分の3です」
「しばらく更新をストップします」なーんてアップしてからのほうが、なぜかせっせと書い
てるあたり・・・・。
ついでに
プロフィールも、ちょこっと春バージョンにしてみました。
どこらへんが「春」かというと、「初狸御殿」・・・・って、これだけかいっ(笑)
    
久しぶりに時間はあるし、薬のおかげでとりあえず痛みもないし、これで遠出ができれば申
し分ないんですが、まだ体力がちょっとなぁ。
上野の国立博物館で開催中の国宝展、「鳥獣戯画」が来ているそうなので、なんとしても行
きたいんだけど・・・・。
    
家で休んでいる日以外はあいかわらずばーちゃんの所に通っておりますが、車椅子を半日も
押していると、もうヘロヘロです。
やれやれ、今後の課題は筋力強化とスタミナの維持かと。
ばーちゃん曰く
「そりゃ、バナナがいちばんええわいな。1本食べると1里歩けるんじゃ。」
おっしゃあ、バナナ食べて頑張ろう
ところでウチから上野までって、いったい何里あるのかしらん?
     

4月某日「三味線弾きたや」
「ダ・ヴィンチ5月号」に森奈津子さんの対談が載るというので、通院のついでに本屋に寄っ
て買ったのですが・・・・。
見開きとはいえ正味1ページもないじゃないか〜〜〜(5段組の上2段だけなんだな。)
金かえせ〜! いや、金はいいから、もっと内容載せてくれ〜
    
というトホホな結末で、結局そのとき一緒に買った「どどいつ万葉集」(中道風迅洞・徳間
書店)を寝っころがって読んでいます。
いいぞ〜、都々逸 古典と現代ものとあるのですが、やっぱり好みは古典ですワ。
   
私のあこがれは「初夏の日暮れ時、早めの湯上がりに二階の座敷で夕風にあたりながら、冷
や酒をキュッ、傍らの三味線をふと手にとって、つんとつま弾く三下がり」で都々逸か端唄
をひと節うなる、と(笑)。

       
つまみに冷や奴と枝豆の小鉢を盆にのせて、座敷の隅には素焼きの蚊取り豚、表の路地から
そろそろ帰り支度の豆腐屋のラッパが聞こえて欲しいし、南部鉄の風鈴が下がった二階の窓
辺は、こりゃもう当然アルミサッシじゃなくて木のガラス戸で決めなければ。
ああ、なんて小道具が多いんだ(笑)。 おまけにウチにゃ「座敷」なんてのもないし、そ
もそもウチには「2階」がないぞ。(アパートだから)
なによりの大問題は「私は三味線が弾けません」ちゅうこってすな(笑)。
   
というわけで、いつか時間ができたら「絶対に三味線習おう」とひそかに決意しておるの
ですが、そんな私の「お師匠さん候補」、「やぎ」さんがホームページを開設しました。
その名も「蹄国劇場」(ナイスネーミング、師匠) 
現在、とっても宝塚なアンジェリークを上演中ですが、そこはそれカンナとマリアの熱烈な
ファンのやぎ師匠のこと、リクエストすれば「サクラ大戦」もきっと
「薔薇組」や「かすみさん」もねだれば出てくる可能性大ですので、ここはひとつ私が盛
大につついてみるとしますか。(笑)
下の絵をクリックしても行けます↓ 
   

4月某日「好きなんですよねえ、馬」
親に聞くと、小さい頃しょっちゅう近所の大学の馬場に馬を見に行っていたらしい。
小学校に上がる前に引っ越しているので、本人あんまり記憶ないんですが・・・・。
しかし「三つ子の魂なんとやら」で、犬や猫は描くのにまず資料がいるけど、馬だけは何も
なくても、なんとなく我流で描けちゃいます。
ただモンダイはそこが「馬術部の・障害競技の馬場」だったことで、わたしのアタマの中で
馬というのは「パカポコ走って柵をぴょいぴょい跳び越えてる大きないきもの」で、競馬み
たいにダーッと一直線に走って行くポーズというのはイマイチよく分からないんですワ。 
てなわけで、久々に(仕事以外で)お絵描きなんぞしちゃいました。
机に向かうのはまだちょっとしんどいので、布団の上で画板を抱えて、なんですが。
いや〜、ペンに全然力が入らないや。
それにしても、カンナもマリアもいったい何ヶ月ぶりに描いたんだ、自分?!
「しばらくお休みします」なんて書いといてナンですが、まー、久しぶりのイラストなんで、
いーや、アップしちゃえ〜。
(作者いいかげん)

4月某日「待合室も春」
血ィ採られたり超音波かけられたり、病人稼業
楽じゃないわい。
ま、それはともかくやっぱり春は春です。
町ゆく人もそれだけでなんとなくウキウキ楽しそう。
病院の待合室だって、冬にくらべてなんだかみんな
明るいぞ〜。
    
しょっちゅう通っているじーちゃんばーちゃんにとっ
て、待合室は立派な社交場。
「あれ、山田さんとこのおじいちゃん、今日は来ない
 ねえ。」
「どっか具合でも悪いんじゃないの。」
あのぅ、具合悪いから、病院に来るのでは・・・・。
「早く元気になって、また病院に来られるといいねぇ。」
なるほど、「病院に来られる」というのが「元気」の
バロメーターだったりするのね。
「ワタシさぁ、こないだここで貰ったクスリがえらく
 効いてね〜。」
「あらま、いいわねー。」
「あげようか? 半分で効いちゃうから余ってんのよ。」
ダメだってば〜っっっっっ!!!
処方はちゃんと守ろうねっ、ばーちゃん
    
    
そういえば「サクラ大戦」、TVで始まりましたね。
残念だけど、土曜日はばーちゃんとこに行ってる日な
ので見られないや。
今運悪くビデオデッキも壊れちゃってるし、こりゃ再
放送かビデオ発売までおあずけだなあ・・・・。    
    
     
    
     
     
     
     
     
     
               
   
    
        
     

4月某日「斜め桜」
〈さまざまの事おもひ出す桜かな〉 芭蕉
いつのまにか、いろんなことが澱のように積っているもんです。
毎年というわけではありませんが、桜を見るのがしんどい年があります。
    
それでも桜という花は、否が応でも人の目に飛び込んでくるように出来ているのですね。
花びらの表面のキメの細かさが映画のスクリーン(銀幕)にとても近くて、たとえわずかな月明
かりでも白く輝いて闇の中に浮かび上がって見えるんだそうです。
なるほど「夜桜」という言葉はあっても「夜菊」とか「夜牡丹」とかはないもんなあ・・・・。
去年は十日と長かった桜の盛りも、今年は暖かさの影響で短いらしいです。
お花見派には気ぜわしいことですが、出来れば今年は見ないで過ごしたい私は内心ホッとしてい
ます。 ただこの後に「八重桜」もあるのよねえ・・・・(笑)
川のほとりにすんで3年、毎年ソメイヨシノの散る1〜2日間、流れがぱあっと桜一色に染まり
ます。 流れても流れても、まだ川面を覆い尽くし押し寄せてくる花びらは、樹上に咲いている
ときとはまた別の生々しさ。 この川の上流には、いったい何百本の桜があるのやら。
    
養母のアトリエの北側、高くて広い採光窓の外を、桜の幹が斜めに横切っています。
描きたい植物を庭に片っ端から植えまくって、桜の苗木を植える番が回ってきたときには、もう
日陰の隅っこしか残っていなかった、と(笑)。
しかしこの桜は、二階の屋根にも隣の森にもめげず、陽の当たる空間を求めてひたすら斜め上に
その体をのばし続けて数十年、ついに恐ろしく長い斜め幹の上にこんもりと花を咲かせるように
なったのでした。
台風が来る度に
「こんな無茶な樹勢じゃ、今度こそボッキリ折れるんじゃないかしらん。」
と心配するのですが、さすがに年期の入った根性の持ち主だけあって毎回しっかり耐えています。
      
「きのうアトリエでねえ、知らない人たちが沢山集まってお花見してたんだよ。」
数年前、秋も終わりのある日突然養母が言いだしました。
「夢でも見たの?」
と最初は思っていたのですが、冬が来ても、夏になっても、
「きのうアトリエでねえ・・・・」
を繰り返して、彼女は現実の世界から遠ざかっていきました。
   
そこでは毎日桜が咲いていて、たくさんの誰かがお花見をしていたんでしょうか。
斜めに舞い散る花吹雪を、今年は見る主がいません。
        

4月某日「こんなもんです介護保険」
相棒のジャンポールは只今アフリカ出張中、ばーちゃんのパートナーもヘルパーさんと親戚が来
てくれたので、老人保健施設に行く以外は、家でクスリ飲んで寝てる毎日です。
で、思いつくままにぽつんぽつんキーボードを打っていたりして。
    
ばーちゃんの入所した老人保健施設はバイクで1時間、そこから電車と徒歩で45分。
往復3時間半〜〜〜。 ・・・・にぼちぼち通っております。(とりあえず毎日じゃなくていい
ので助かった。
 フウ・・・
まー、これでも入所空き待ち2ヶ月にしては近い方なんですが。 「大山のふもと」なんてのも
あったしなー。 「これでダメなら山梨か長野か」って状況だったことを考えれば、近いですワ。
「未来のための介護保険制度」っていってもなー・・・・現実はお寒いぞな。
昨年10月の受付開始と同時に窓口に行っても
「混雑しているので、誕生月順の受け付けになります。」
で、やっと介護判定に来てくれたのが今年の2月末。 通知が来たのは、なんと介護保険スター
トの9日前、入所の前日。(「要介護1以上」の判定じゃないと施設を利用できないんです。)
なんかもう、待っているあいだ気が気じゃなかったです。
日本中で、いったい何万人のお年寄りやその家族が同じ思いをしていたのかしら。
     
若い方や、たぶんわたしと同世代であってもほとんどの方にとっては〈まだ関係ない世界のやや
こしい出来事〉でしかないでしょう。
ただ、しみじみ痛感するのは、この国の豊かさが生活様式の選択の豊富さと直結しているのは、
実は限られた世代・層だけなんだなあ、ということです。
年をとったとき、体が、精神が、弱ったとき。 よほどの大金持ちでない限り選べる道は限られ
ていて、しかも人間の生活のはずなのに「お役所仕事」で仕切られてしまう。
ベッドがひとつ、車椅子がひとつ、ホールにはつけっぱなしの大型テレビが一台。
みんなと一緒の食事、みんなといっしょの「お遊戯」。 図書室どころか本棚もなし。
平成12年・ニッポンの「要介護3」は、こんなもんです。
これで、介護保険でまかなわれる以外の個人の負担は、差額室料込み1ヶ月約18万円です。
さて、これを高いと見るか安いと見るか・・・・。
(ちなみに、自営業者の国民年金受給額は月に6万ナンボです。)
もちろんこれ以外にも「か〜な〜り自由のきくお金持ちコース」超高級老人ホームというテもあ
ります。 入所金7千万円くらいです。 それと食費だけで月々20何万だったかな。
やれやれ、「若いうちにせっせと貯金に励めよ」っちゅうことなんですわね、ニッポン。
年をとるのも命がけなのよ、ニッポン。
トホホ・・・・  
    

4月1日「春ですわねえ」
今年は多いなあ、スギ花粉。 まだティッシュが手放せませんのじゃ。
聞いた話では、知人のA嬢はコンビニ店内でいきなり知らない人に
女王様になってくれませんか?」
と声をかけられたそうで、ああ、春だわねえ・・・・(どんな春じゃいっ!)
しかし「女王様に」ときたら
「この
下僕めの女王様になっていただけませんでしょうか?」じゃろうがぁ〜ビシバシッ!!
ん、その「女王様」じゃないって?
ちなみにこのA嬢は前に出てきた「おやじ路上に死す」のA嬢とは別人です。
でもやっぱりおやじ好き。
 ・・・・おやじ好きしかおらんのか、わしの周辺。
     
ところで。
しばらく更新をストップします。
こんな万年仮設HPでも覗いて下さっているみなさま、申し訳ありません。
先日養母が転院して、やっと「朝から晩までつきっきり」状態からは解放されたのですが、その
間かなり無茶を続けたツケがど〜んと溜まって、ついにダウンしてしまいました。
考えてみたら介護ももう5年、特に去年の7月以降はかなりすさまじい状況で休む間もなかった
もんなあ・・・・。
しばらくは自分の体を治すことに専念したいと思います。
でもまあ、1〜2月の大空白(トホホ)ほどには休まない予定でおります。

またすぐにお目にかかりましょう。
では。
    
追伸:ついに噴火しちゃいましたねえ、有珠山。 ひどい被害が出ないといいけど・・・。
     

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