日々是好日・身辺雑記2000年10月
(下にいくほど日付は前になります)

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10月某日「輪郭線ぼやぼや」
あらら風邪だわ。
熱がほとんど出ないんで2〜3日気が付かなかったわい。 そういや、いやにハナ
水が出るなあとは思っていたのだけれど、ちょうど大仕事の後だったもんで、体が
だるいのはそのせいだと信じて、薬も飲まんとボエ〜っとゴロゴロしてました。
いや、風邪にはゴロゴロが一番なんだけどね。
    
なんか、最近の風邪ってバリエーションがいろいろで判断が難しくなってきたなあ。
筋肉痛だの下痢だの、やれ吐き気だの目の奥が痛いだのとさんざんあちこちに来て、
まぎらわしいことに「熱は出ないけど立派に風邪です」なんてフェイントかけるよ
うな症状、昔はなかったわ。 
「熱、咳、ハナ水、以上ッ!!」ってキッパリしているもんだったのに。
思えば潔かったね、昔の風邪は。
最近の風邪って定義がぼやぼやで「ここまでが風邪」って輪郭線がないわな。
      
さて、私のこのサイトでのお絵かき(人様に差し上げた分も含めて)は、コピック
で墨色の濃淡を付けているせいか、いつも輪郭線ぼやぼやであります。
主線が細すぎるのかしらん。 濃淡はWの1〜6で段階的に付けているのですが、
もっとメリハリをつけたほうがいいのかなあ。
てな疑問を解消すべく、来週は首都近郊某所で開催される秘密の?お勉強会なるも
のに参加して参りますの。 フフフのフ。
これで果たして私の輪郭線ぼやぼやは解消されるのでありしょうか?!
      
それにしても、最近いろんなものの輪郭線がぼんやりしてきております。
こんぐらがって、どさくさにまぎれて責任をうやむやにしているだけではダメよー
と、ニュースを見聞きするたびに思う今日この頃。
いやにきっぱりしているのはお役所仕事の「出来ません。」だけだったりして。
んなとこだけきっぱりされても困るんですけど〜。
         

10月某日「とりとめもなく」
長めの仕事がやっと終って、1杯飲んで爆睡して、お昼過ぎにゴソゴソ起き出して
しりあがり寿さんの「続・ヒゲのOL藪内笹子」を読んで「藤本二三吉・端唄集」
を聴いてたりなんかすると、ふと

ってズーンと考えこんじゃったりするわけです。 いい年こいて。
学生時代のバイトから数えるともう18年、(途中勤め人してた時期もあるけど)
デビューしてから13年経って、自分でももう何をどれくらい描いたかすら覚えて
いないほど仕事しているのに、いまだに
「カタギじゃない事に対する申し訳なさ」
のよーなモノが背中のどこかにひっかかっておるのです。
不良に許された数少ない商売(島村洋子さんの名言)やっておきながら、満員の通
勤電車に乗らないことがそんなに後ろめたいのか自分。 乗る体力もないくせに〜。
       
でも友人からのメールで「通勤帰りに、駅で転んじゃいました。」なーんてあると
「いいな〜、いいな〜、『通勤帰りに駅で転ぶ』なんてスゴイなぁ〜。」
と身をよじって羨ましがっている私。(あのなあ・・・)
      
ああ、隣の芝生は青いもの、郵便ポストは赤いもの。
             

10月某日「秘密の?資料」
さて、10月のある日、わたくしは都内の某・秘密の場所におりました。
いや別に秘密でも何でもないのですが、まさか都心の一等地・科学の最先端を行く
某工業新聞社のビルの中に「邦楽専門のホール」があろうとは、まずみなさまご存
じありますまいて。 フフフ、あるのです。
なんか書いてて秘密クラブ潜入記みたいな気分になってきたぞ〜。
いえいえ、秘密クラブではなく、そこで友人の長唄の発表会があったのです。
相棒に車で連れていってもらった久々の都心で、1年ぶりに邦楽の世界を堪能して
まいりました。
やっぱ生の三味線に、太鼓・大鼓・小鼓・笛は(しかもこの囃子方の皆さんが、私
がこっそり「アニキーズ」と名付けている若手美形揃いときたもんだ)いいのう〜。
       
常日頃ネットでお世話になっている方ともお会いできて、ちょっとしたオフ会、と
いった感じで、それはそれは楽しゅうございました。
和服の写真資料も撮り放題! 友人の長唄のお仲間(殿方:U山様、その節はどう
もありがとうございました。)に、紋付き袴で股立ち(ももだち)取った姿・・・
えー、つまりこれは袴の両方の裾を脇にはさんで足周りを軽くして、走ったり刀を
つかったりするスタイルで、もう現代では実際に目にする機会なんぞめったにない
貴重なポーズ資料までお願いしてしまいました。
     
しかし、こんなマニアックな写真を撮って、わたしゃこれからいったいナニを描こ
うとしとるんじゃい〜(笑)。
         

10月某日「特異日」
10月10日が「体育の日」じゃなくなっちゃいましたね。
「第二月曜祝日のほうが三連休になっていいじゃ〜ん」という、学生と勤め人には
ありがたいけど、実は連休が生み出す経済効果しか考えてない(であろう)政府の
意向で。
(わたしゃ土日関係ないヤクザな稼業だから、視点がすこしやさぐれております。
その点考慮してお読みください。)
   
10月10日がなんで「体育の日」だったかというと、この日って日本の気象観測
史上ナンバー1の「特異日」なんですね。 どうしたわけか1年365日の中で、
晴れる率が群を抜いて異様に高い。
ちょうど秋雨前線がひっこむタイミングと重なっているんだそうす。
1964年・10月10日に東京オリンピックを開催したときも、前日は大雨だっ
たのに、一夜明けたらウソのようにカラリと晴れたという逸話まで残っております。
「国民の体育の向上を願う日」だから各地でスポーツイベント目白押し。
そりゃ晴れた方がいいでしょうなあ、子供の運動会だってあるし。
お父さんたちスタミナハンディカム持って張り切ってるし(笑)。
でも雨降っちゃったわけだ、ザバザバと。 私の住んでるあたりなんぞは、もう嵐
に近い位のみごとな荒れっぷりでした。
あ〜あ、「第2月曜体育の日」、初手からけっつまずき。
で、さすが特異日の威力はすさまじく、開けて10日はド・ピーカンときたもんだ。 
     
だいたい、三連休に国民が生み出す経済効果ってどれくらいのもんなんでしょうね。
ウチはいつもと変わらず家にいて、いつも通りの生活をしていました。
カタギの勤め人の相棒も、どこへ遊びに行くでもなく本読んだりパソコンいじった
りして、全然「経済効果」に貢献はしておりませなんだ。
このド不況下、連休だからって庶民がみーんなホイホイ外食して外泊して高価な買
い物して車で遠出するとは思えませんなあ。 3日間の消費税とガソリン税、いっ
たい政府はどのくらい税収があると皮算用していたのかしらん。
んなことより、税金でなんとかしてもらおうって甘い了見の銀行をもちっとシメる
とか、天下りでバカ高い給料もらってる連中減らすとか、もう景気回復って土木の
神サマに頼るのやめるとか、無責任に国債ドカドカ出すの考えるとか〜(書いてて
だんだん悲しくなってきたわ)。
「日本は神の国」って言うんなら、天の恵みの特異日をこそ、もちっと大切にしな
さい、森よ。
1日順延された子供の運動会に出られない会社勤めのおとーさんたちのスタミナハ
ンディカムも泣いているぞ〜。
      

10月某日「三代目」
しばらく家のことでバタバタしていたら、ありゃりゃもう10月だわ。
というわけで、ちょっと前まで残暑バテでぐにゃぐにゃしていたのがウソのような
涼しい毎日です。 ありがたや〜。 体もちょっとずつ良くなっているしね。
   
2週間に一度病院に行っているのですが、このあいだの通院日、全部で6種類処方
されている薬の1つを出し忘れられちゃって、あらら、小さな錠剤1粒飲まないだ
けで体調こんなに違うもんなの〜という体験をしました。(あとから出してもらっ
って元に戻ったけど)
こんな小さな1粒の薬で体調が左右されるんだから、現代医学ってすごいというか
恐いというか・・・。
   
さて、それはさておき「秋」と言えば日本酒の美味しい季節!
わたくし子供の頃、酒を飲んでる親父にむかって
「酒は『百薬の長』・『万病の元』で差し引き9900の毒じゃぁ。」
とこまっしゃくれたことを言って怒られた思い出がございます。
かく申すわたしもしっかり酒好きに育ったので、やはり親子の遺伝と申せましょう。
母方のじいちゃんなんて、そこそこの素封家だったのに、しっかり身上飲み切って
すっからかんになって生涯を終えたという、あっぱれな江戸前遊び人だったし。
     
わたしの周り、聞けば何人かにひとりはかならず
「何代か前が道楽者で、ひと財産パアにした。」
とゆーケースがあります。
で、そーゆー道楽者の次の代が、苦学して身上立て直す、その次の代も親の苦労を見て
育っているから、その財産を大切に殖やす、ところがそのまた次の代あたりになると、
苦労知らずの道楽者で、結局全部使っちゃってパア、と繰り返す図式になっているよう
ですな。
川柳にも「売家と唐様で書く三代目」とゆーのがあって、先々代からの持ち家を手放さ
なくちゃいけない状況にまで落ちぶれているのに、ぼんぼんの3代目は風流に唐様で
「売家」と書いちゃう。
    
う〜ん、そういや相棒も3代目だが、あいにくウチにゃ、そもそも最初からつぶす身上
がないぞー(笑)。
というわけで今日のお昼は昨日のカレーの残りなのでした。
     


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