ようこそエサやり「波浪(ハロー)冠者」の秘密部屋ヘ
ようこられましたのう、まあお茶でも飲みながら読んでくだされ
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- そう、わたくしが夫をウズラーこと「う組の人」に引きずり込んでしまった頑強、もとい、元凶
苦労(くろう)冠者の相棒「波浪(ハロー)冠者」です。
「ヨメさん」とも人は言う
-
- さてわたくし、妙な好みがございましてね。
「前世は漢方薬屋か錬金術師か?」というほどの「調合好き」。
我が家の、きびと麦入りご飯や、昆布と煮干しでとるみそ汁の合わせだし
「大さじ何杯の、何グラムの」といった細か〜い計量は
大っ嫌い
なのですが、「手づかみドンブリ勘定感覚のいい加減調合」は
大好き!
- なのでございます。
なんせ子供の頃の「ままごと」でさえ、夫の送り迎えも、お人形寝かしつけもせんと
ひたすら葉っぱと木の実の「ゴハンつくり」に燃えていた性分。
災難だったわね、ひたすらゴザに座らされて待つだけの夫役だった、ご近所の渡辺まー君。
さぞや辛抱強い良き家庭人になっていることでしょう、今頃。
ま、それはさておき。
カンのいい方はすでにお気づきですね。
そう、ここは我が家のウズラの台所なのでございます。
- 「ヒトんちの飼い鳥がどんなもん喰ってよーと、興味ねーや。」
とゆー野暮天は、とっととお帰りあそばせ!
おっと失礼、オホホのホ。
- それでは、
タンタカタカタカタンタンタ〜ン♪
(きょうの料理のテーマ)
- ウズラのごはん
- ◆
- 主食といえば天下無敵の「アメリカ・ラウディブッシュ社のペレットフード」!!
これはもうあちこちのウズラーの皆様のサイトでもおすすめです。
しかし、6羽もいる我が家には、いかんせん高〜い!
いつも横浜・新羽(にっぱ)の交差点そばにある「ヨネヤマ」という大型店で買っているのですが
ウズラ向きの「ブリーダータイプ」は750グラム入りで1480円です。
(もっといいお値段の店もあるらしい。)
で、
びっくりするほどお安い「ハトのエサ」(1キロ280円)を混ぜるわけですな。
割合は半々〜2:3てとこでしょうか。
ハトのエサは、コーン・麻の実・そばの実・大麦小麦などなど
全部粒のままで入っているので、そのままではやれません。
最初は電動コーヒーミルを買ってきたのですが、ここで大問題発生。
コーヒー豆単品を挽く用に出来ているため
堅さにバラつきのあるハトのエサを投入したところ
-
ブイ〜〜〜〜〜〜〜ン
-
コーンが挽けない。
-
ブイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
-
コーンがまだ挽けない。
-
ブイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
-
やっとコーンが挽けた頃には、その他の実のみなさんはパウダー状におなりでした。
- 「こりゃ、あかん。」
- かくして電動コーヒーミルは、買ったその日に相棒のエスプレッソコーヒー用に
おさがりとなりました。(もちろん中はよく拭いて)
- で、現在は手挽きのコーヒーミルを使用しております。
サイズが小さくて、一度に大さじ2杯くらいしか入らないので
何度もゴーリゴーリ、けっこう手間がかかりますが
これを面倒がってるようでは
「う組の人」は名乗れまへんワ。
けっこう精神集中にもなるしね。
主食には、ボレー粉と「バードグラベル」という食用砂を混ぜています。
ま、「ごはんにふりかけ」って感覚でしょうか。
- 体の小さいキョロとシロは大粒のエサが苦手なようなので
ボレー粉もミルで挽いています。
- 細かくなりすぎたボレー粉は、ザルで漉して花壇に蒔いたら
- あ〜ら、骨粉肥料に早変わり〜!
- ウズラのおかず
◆
- カットルボーン
イカの甲羅。
これのおかげでクチバシが程良く丸くなって、つつかれてもへーき。
しかし、卵を生むせいか、チヨとヒヨは
「あんたら前世はキツツキかぁっ!」
と思わずツッコミを入れてしまうほど、一日中つついてます。
ボレー粉をエサに混ぜる以前は2羽で2日に1本たいらげてました。
- 野菜
小松菜(がメイン)とキャベツです。
これがまたチヨとヒヨは
「あんたら前世はベジタリアンかぁっ!」
とツッコミを入れてしまうほど・・・
- (小松菜自家栽培計画は庭の虫々軍団のためあえなく頓挫。)
メスはよく食べますが、オスのウズラはくちばしにくわえて
「クルルルルル〜」・・・・って、
アンタ、甘鳴きして女の子誘うとる場合とちゃうでぇ〜っ!!
なんでオスは野菜嫌いなんだ〜!
というか、卵を生むメスにとっては、これ大切な栄養素なんでしょうねえ。
小松菜農協のCMに使いたくなっちゃうほどバホバホよく食べます。
-
- 豆腐
これまたチヨとヒヨは
- 「あんたら前世は・・・・」状態。
(この2羽、ただの食欲魔人と見た)
キョロとシロもよく食べますが、問題はライゾーとチエゾー。
ただの「踏み台」にしか思っていない様子。
で、「吉四六さん昔話」の「どじょう豆腐」にならって、キョーフの
「ワーム豆腐」
なぞを作ってみました。
見た目はワームの針供養ですわ。(作る方は供養どころか大殺生ですけど〜。)
最初はワームだけひっこぬいて食べていましたが、最近やっと
なんとか豆腐も食べてくれるようになりました。
ああ、好き嫌いの多い子供を育てるお母さんの気持ちがしのばれるわ。
- ワーム
ウズラの人格、いやさ鳥格を変貌させるアクマの食べ物。
気配がしただけでケージの中では「天国と地獄」がチャンチャカ鳴って
すでに大運動会状態です。
生き餌は苦手な方もいらっしゃるようですが
苦労冠者どんもわたしも、これを指でつまむのはぜ〜んぜん平気です。
ラウディブッシュの粉クズをちょいとオガクズに混ぜてみたら
「おぉっ!」ってほど元気にお太りあそばしました。
それはいいけど、だからってさなぎになんないでくれ〜。
(しかも冷蔵庫の野菜室の中で・・・・)
- 刻み煮干し
魚粉がダメなら(あたりまえだ、ありゃ園芸肥料)自分で作ってみよ〜!
幸い我が家は毎日のみそ汁のだしが煮干しと昆布。
というわけで、新鮮な煮干しの頭とワタを取って
身の部分をキッチンばさみでチョキチョキチはぁョキチョキ。
う〜んと細かく刻んでみました。
さすがに6羽分だと指が疲れて(1羽あたりひとつまみの量でも)
毎日はちょっと無理・・・・だな〜。
しかし、みんなよく食べること、立派な卵を生んでくれましたともさ。
さて、この「お台所」はいろいろなウズラーのみなさまのサイトによる情報、
- 及び下記参考文献をもとに、自分で我が家の6羽に食べさせてみてお献立を作っております。
ウズラーのみなさま、ありがとうございます。
「ウチはこんなメニューですよ〜」というご意見・ご感想などありましたら
苦労冠者どんのところへじゃんじゃんメールして下さいね。
-
- ちょっとオマケ
◆
- さて、わたしは凝り性です。
というか、イラストレーター兼漫画家という書きもの商売ゆえ、興味を持ったことは
自分が納得いくとまでとことん調べるという職業病持ちです。
で・す・か・ら。
- それはもう。
ネットのウズラ愛好家の各サイト、養鶉(ようじゅん)農家・農協
ウズラ料理専門店のサイト、養鶉・養鶏の専門書から農業高校の教科書まで。
- 中でもおもしろかったのは、ラウディブッシュを輸入している会社
「有限会社ペットケアニューフーズ」の電話に出てくれたお姉さんでしたね。
ミルを使わずに袋ごと車のタイヤで轢いて・・・いや挽いて、いる人の話とか。
「ラウディブッシュ、なかなかおいしいですね。」
(ちょっと塩気が足りないけど、香ばしくてオツな味がします。)
「ええ! 私ども社員も商品はちゃんと全員で食べておりますから〜。」
ええ会社や〜「ペットケアニューフーズ」!
ウズラについても詳しくて、いろいろな質問に丁寧に答えて下さいました。
ありがとうございました。
- ◆
- さて、これをご覧の皆様の中で、実際にウズラをペットとして飼って
しかもネットで様々な情報交換をしている、いわゆる「ウズラー」以外の方々は
ひとつ疑問を持たれると思います。
「市販のニワトリ用エサじゃダメなの?」
「もっと細挽きのヒヨコ・ウズラ用ってのも売ってるじゃない。」
- ダメなんです。
-
あれ、ペット用じゃなくて「家禽用」なんですね。
沢山の羽数を、しかも卵を生ませるだけ生ませて1年ほどたったら
「廃鳥」(食肉)にしちゃう飼い方をするためのエサです。
極端に言えば、「太く・短く・生かしておく」ためのもので
栄養のバランスもそれ用に配合されています。
「エサ」ではあっても、狭義の意味での「ペットフード」ではないのです。
-
含まれている魚粉・大豆かすは足がはやいです。
酸化した脂肪分が体に悪いのは、人間もウズラもおんなじです。
専門の養鶉(ようじゅん)農家ですら「傷むから半月分以上は買い置きしない」エサを
数羽しか飼っていない個人が、よくて1キロ、普通は2キロ入り袋で買う。
堂々と5キロ袋で売っているペットショップもあります。
わたしも最初のチヨを買ったペットショップの女主人に
「ニワトリのエサで大丈夫よー。 あ、ウチ小袋ないからこれね。」
と、大袋入り飼料をつかまされました〜。
家に帰って開けてみたら、すでに油分がいっちゃいそうでしたとさ。
トホホ・・・
1日25グラム前後しかエサを食べないウズラに2キロ入りエサ袋は
いくらなんでも多すぎです。
- ◆
ラウディブッシュの、それもなんで標準タイプじゃなくて
「繁殖用栄養強化:ブリーダータイプ」がいいかと申しますと。
すばり「高タンパク・低脂肪」だからです。
ニワトリは体重2〜3キロで生む卵は5〜60グラム。
ウズラは体重130グラム前後で生む卵は10グラム位。
自分の体重の1割近い重さの卵を生むんですね。
しかもこの鳥、どうもエサの養分の吸収率が悪いらしい。
(80〜85%程度)
ですから、余談ですがウズラのフンは鶏フンよりもいい肥料になります。
それどころか、金魚・鯉・豚・牛の飼料にすらなるそうな。
庭にコンポストがある方は、ケージの中に敷き草を敷いて飼って
フン掃除の時に、ゴミに出さずに堆肥にしてみてください。
リン成分の効いた、花・果樹・実もの野菜向きのいい肥料が出来ますよ〜。
- ちょっとオマケ2 本の紹介
◆
「ウズラ」
(設楽与一郎 著・農山漁村文化協会・700円)
- 1966年初版、79年改訂版だから内容は古い〜。
でもウズラの科学的データと日本の養鶉の実状が分かっておもしろいです。
著者は「株式会社日本うずら」の社長さん。
-
- 「日本ウズラの環境・飼料と生産」
(櫻井齋 著・養賢堂・3500円)
- 専門的すぎて歯が立たない〜! でも巻末の「日本の養鶉の歴史」は嬉しいの。
-
- 「大江戸鳥暦・川柳でバードウォッチング」
(松田道生 著・河出書房新社・2000円)
「鶉(うずら)鳴く」は「ふるさと」の枕詞だったんですね。
おかしいのは「もぐらが変じてウズラになる」という言い伝えがあったそうで
「化したての鶉 鷹より猫に怖じ」
なんじゃそりゃ。
- 「英国式 田舎のつくり方」
- (ポール・ハイニー 著・辰巳出版・2600円)
「農園で暮らす」とはこーゆーものかーと目からウロコの楽しい1冊。
全編カラーで、写真を見てるだけでも楽しくて、おすすめです。
イギリスでも飼われているんですね、ウズラ(ちょっとしか載っていないけど)。
これに載っている「三角型簡易ニワトリ小屋」は
「昼間は庭で」ウズラを飼いたい人にはいいかも。
小麦、野菜、果樹の栽培、ワイン、リンゴ酒の作り方とか
牛、豚、羊、ヤギの飼い方、自家製チーズの作り方とか
でっかいアヒル池の堀り方とか、ラマやダチョウの飼い方とか・・・・
(ホントに飼うんか、イギリス人〜!?)
- 「図解だれでもできる自然卵養鶏」
- (渡辺省悟 著・農文協・1530円)
「それじゃ養鶉じゃなくて養鶏はどうなってるの?」という興味から読んだ一冊。
しかし、平飼い養鶏だけでなく、ウズラのことを考える上でも
とても勉強になりました。
たとえば、ヒナの時から濃厚飼料だけを与えると筋胃が未発達で
繊維質をきちんと消化できない軟弱な成鳥になるとか・・・・。
ウチのチヨとヒヨは、胃筋発達し過ぎ〜。
というか、もはや「全身胃筋」鳥。
- 「農業の基礎」
(鈴木芳夫・他 著・農文協・1700円)
これはたぶん農業高校や農業大学の1年生向け入門テキスト。
イジメだナイフだ金属バットだぁーと騒いどる前に、これやっとけや、教育。
「穀物も野菜も家畜も花も、人の手でいろんな命を育てること」
「その育てた命をいただいて、人は生きていくということ」位は
(長い〜人生の中で)1年ぐらいかけて、体でじっくり覚えたほうがいいよ。
一生使わん「英文字と数字と記号のゴチャゴチャ」を延々丸暗記させるよりも。
教育とは「脳耕民族」を育てることなのじゃ〜。
農機具の使い方、土の耕し方、種もみの育て方、野菜、果物
花卉栽培にフラワーアレジメントから畜産(ここではニワトリ中心)
さらに地球規模の農業問題まで、これ1冊で楽し〜く学べます。
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