ようこそエサやり「波浪(ハロー)冠者」の秘密部屋ヘ
ようこられましたのう、まあお茶でも飲みながら読んでくだされ
       

実録「ペットショップ困った篇」

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そう、わたくしが夫をウズラーこと「う組の人」に引きずり込んでしまった頑強、もとい、元凶
苦労(くろう)冠者の相棒「波浪(ハロー)冠者」です。
「ヨメさん」とも人は言う
   
さてわたくし、妙な好みがございましてね。
「前世は漢方薬屋か錬金術師か?」というほどの「調合好き」。
我が家の、きびと麦入りご飯や、昆布と煮干しでとるみそ汁の合わせだし
「大さじ何杯の、何グラムの」といった細か〜い計量は
大っ嫌い
なのですが、「手づかみドンブリ勘定感覚のいい加減調合」は
大好き!
なのでございます。
なんせ子供の頃の「ままごと」でさえ、夫の送り迎えも、お人形寝かしつけもせんと
ひたすら葉っぱと木の実の「ゴハンつくり」に燃えていた性分。  
災難だったわね、ひたすらゴザに座らされて待つだけの夫役だった、ご近所の渡辺まー君。
さぞや辛抱強い良き家庭人になっていることでしょう、今頃。
   
ま、それはさておき。
カンのいい方はすでにお気づきですね。
そう、ここは我が家のウズラの台所なのでございます。
    
「ヒトんちの飼い鳥がどんなもん喰ってよーと、興味ねーや。」
とゆー野暮天は、とっととお帰りあそばせ
おっと失礼、オホホのホ。
   
それでは、
    
タンタカタカタカタンタンタ〜ン♪
(きょうの料理のテーマ)

       
ウズラのごはん
主食といえば天下無敵の「アメリカ・ラウディブッシュ社のペレットフード」!!
これはもうあちこちのウズラーの皆様のサイトでもおすすめです。
しかし、6羽もいる我が家には、いかんせん高〜い
いつも横浜・新羽(にっぱ)の交差点そばにある「ヨネヤマ」という大型店で買っているのですが
ウズラ向きの「ブリーダータイプ」は750グラム入りで1480円です。
(もっといいお値段の店もあるらしい。)
で、
びっくりするほどお安い「ハトのエサ」(1キロ280円)を混ぜるわけですな。
割合は半々〜2:3てとこでしょうか。
ハトのエサは、コーン・麻の実・そばの実・大麦小麦などなど
全部粒のままで入っているので、そのままではやれません。
最初は電動コーヒーミルを買ってきたのですが、ここで大問題発生。
コーヒー豆単品を挽く用に出来ているため
堅さにバラつきのあるハトのエサを投入したところ
    
ブイ〜〜〜〜〜〜〜ン
    
コーンが挽けない。
    
ブイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
    
コーンがまだ挽けない。
    
ブイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
     
やっとコーンが挽けた頃には、その他の実のみなさんはパウダー状におなりでした。
    
「こりゃ、あかん。」
   
かくして電動コーヒーミルは、買ったその日に相棒のエスプレッソコーヒー用に
おさがりとなりました。(もちろん中はよく拭いて)
    
で、現在は手挽きのコーヒーミルを使用しております。
サイズが小さくて、一度に大さじ2杯くらいしか入らないので
何度もゴーリゴーリ、けっこう手間がかかりますが
これを面倒がってるようでは
「う組の人」は名乗れまへんワ。
けっこう精神集中にもなるしね。
主食には、ボレー粉と「バードグラベル」という食用砂を混ぜています。
ま、「ごはんにふりかけ」って感覚でしょうか。
体の小さいキョロとシロは大粒のエサが苦手なようなので
ボレー粉もミルで挽いています。
細かくなりすぎたボレー粉は、ザルで漉して花壇に蒔いたら
あ〜ら、骨粉肥料に早変わり〜
     
   
ウズラのおかず
カットルボーン
イカの甲羅。
これのおかげでクチバシが程良く丸くなって、つつかれてもへーき。
しかし、卵を生むせいか、チヨとヒヨは
「あんたら前世はキツツキかぁっ
と思わずツッコミを入れてしまうほど、一日中つついてます。
ボレー粉をエサに混ぜる以前は2羽で2日に1本たいらげてました。
   
野菜
小松菜(がメイン)とキャベツです。
これがまたチヨとヒヨは
「あんたら前世はベジタリアンかぁっ
とツッコミを入れてしまうほど・・・
(小松菜自家栽培計画は庭の虫々軍団のためあえなく頓挫。)
メスはよく食べますが、オスのウズラはくちばしにくわえて
「クルルルルル〜」・・・・って、
アンタ、甘鳴きして女の子誘うとる場合とちゃうでぇ〜っ!!
なんでオスは野菜嫌いなんだ〜!
というか、卵を生むメスにとっては、これ大切な栄養素なんでしょうねえ。
小松菜農協のCMに使いたくなっちゃうほどバホバホよく食べます。
     
豆腐
これまたチヨとヒヨは
「あんたら前世は・・・・」状態。
(この2羽、ただの食欲魔人と見た)
キョロとシロもよく食べますが、問題はライゾーとチエゾー。
ただの「踏み台」にしか思っていない様子。
で、「吉四六さん昔話」の「どじょう豆腐」にならって、キョーフの
「ワーム豆腐」
なぞを作ってみました。
見た目はワームの針供養ですわ。(作る方は供養どころか大殺生ですけど〜。)
最初はワームだけひっこぬいて食べていましたが、最近やっと
なんとか豆腐も食べてくれるようになりました。
ああ、好き嫌いの多い子供を育てるお母さんの気持ちがしのばれるわ。
    
ワーム
ウズラの人格、いやさ鳥格を変貌させるアクマの食べ物。
気配がしただけでケージの中では「天国と地獄」がチャンチャカ鳴って
すでに大運動会状態です。
生き餌は苦手な方もいらっしゃるようですが
苦労冠者どんもわたしも、これを指でつまむのはぜ〜んぜん平気です。
ラウディブッシュの粉クズをちょいとオガクズに混ぜてみたら
「おぉっ」ってほど元気にお太りあそばしました。
それはいいけど、だからってさなぎになんないでくれ〜。
(しかも冷蔵庫の野菜室の中で・・・・)
     
刻み煮干し
魚粉がダメなら(あたりまえだ、ありゃ園芸肥料)自分で作ってみよ〜!
幸い我が家は毎日のみそ汁のだしが煮干しと昆布。
というわけで、新鮮な煮干しの頭とワタを取って
身の部分をキッチンばさみでチョキチョキチはぁョキチョキ。
う〜んと細かく刻んでみました。
さすがに6羽分だと指が疲れて(1羽あたりひとつまみの量でも)
毎日はちょっと無理・・・・だな〜。
しかし、みんなよく食べること、立派な卵を生んでくれましたともさ。
      
         
さて、この「お台所」はいろいろなウズラーのみなさまのサイトによる情報、
及び下記参考文献をもとに、自分で我が家の6羽に食べさせてみてお献立を作っております。
ウズラーのみなさま、ありがとうございます。
「ウチはこんなメニューですよ〜」というご意見・ご感想などありましたら
苦労冠者どんのところへじゃんじゃんメールして下さいね。

    

   
ちょっとオマケ
さて、わたしは凝り性です。
というか、イラストレーター兼漫画家という書きもの商売ゆえ、興味を持ったことは
自分が納得いくとまでとことん調べるという職業病持ちです。
    
で・す・か・ら。
   
それはもう。
ネットのウズラ愛好家の各サイト、養鶉(ようじゅん)農家・農協
ウズラ料理専門店のサイト、養鶉・養鶏の専門書から農業高校の教科書まで。
   
中でもおもしろかったのは、ラウディブッシュを輸入している会社
「有限会社ペットケアニューフーズ」の電話に出てくれたお姉さんでしたね。
ミルを使わずに袋ごと車のタイヤで轢いて・・・いや挽いて、いる人の話とか。
「ラウディブッシュ、なかなかおいしいですね。」
(ちょっと塩気が足りないけど、香ばしくてオツな味がします。)
「ええ! 私ども社員も商品はちゃんと全員で食べておりますから〜。」
ええ会社や〜「ペットケアニューフーズ」
ウズラについても詳しくて、いろいろな質問に丁寧に答えて下さいました。
ありがとうございました。
   
さて、これをご覧の皆様の中で、実際にウズラをペットとして飼って
しかもネットで様々な情報交換をしている、いわゆる「ウズラー」以外の方々は
ひとつ疑問を持たれると思います。
「市販のニワトリ用エサじゃダメなの?」
「もっと細挽きのヒヨコ・ウズラ用ってのも売ってるじゃない。」
   
ダメなんです。
   
あれ、ペット用じゃなくて「家禽用」なんですね。
沢山の羽数を、しかも卵を生ませるだけ生ませて1年ほどたったら
「廃鳥」(食肉)にしちゃう飼い方をするためのエサです。
極端に言えば、「太く・短く・生かしておく」ためのもので
栄養のバランスもそれ用に配合されています。
「エサ」ではあっても、狭義の意味での「ペットフード」ではないのです。
    
含まれている魚粉・大豆かすは足がはやいです。
酸化した脂肪分が体に悪いのは、人間もウズラもおんなじです。
専門の養鶉(ようじゅん)農家ですら「傷むから半月分以上は買い置きしない」エサを
数羽しか飼っていない個人が、よくて1キロ、普通は2キロ入り袋で買う。
堂々と5キロ袋で売っているペットショップもあります。
わたしも最初のチヨを買ったペットショップの女主人
「ニワトリのエサで大丈夫よー。 あ、ウチ小袋ないからこれね。」
と、大袋入り飼料をつかまされました〜。
家に帰って開けてみたら、すでに油分がいっちゃいそうでしたとさ。
トホホ・・・
1日25グラム前後しかエサを食べないウズラに2キロ入りエサ袋は
いくらなんでも多すぎです。
   

ラウディブッシュの、それもなんで標準タイプじゃなくて
「繁殖用栄養強化:ブリーダータイプ」がいいかと申しますと。
すばり「高タンパク・低脂肪」だからです。
ニワトリは体重2〜3キロで生む卵は5〜60グラム。
ウズラは体重130グラム前後で生む卵は10グラム位。
自分の体重の1割近い重さの卵を生むんですね。
しかもこの鳥、どうもエサの養分の吸収率が悪いらしい。
(80〜85%程度)
ですから、余談ですがウズラのフンは鶏フンよりもいい肥料になります。
それどころか、金魚・鯉・豚・牛の飼料にすらなるそうな。
庭にコンポストがある方は、ケージの中に敷き草を敷いて飼って
フン掃除の時に、ゴミに出さずに堆肥にしてみてください。
リン成分の効いた、花・果樹・実もの野菜向きのいい肥料が出来ますよ〜。
    

ちょっとオマケ2 本の紹介

「ウズラ」
(設楽与一郎 著・農山漁村文化協会・700円)
1966年初版、79年改訂版だから内容は古い〜。
でもウズラの科学的データと日本の養鶉の実状が分かっておもしろいです。
著者は「株式会社日本うずら」の社長さん。
        
「日本ウズラの環境・飼料と生産」
(櫻井齋 著・養賢堂・3500円)
専門的すぎて歯が立たない〜! でも巻末の「日本の養鶉の歴史」は嬉しいの。
   
「大江戸鳥暦・川柳でバードウォッチング」
(松田道生 著・河出書房新社・2000円)
「鶉(うずら)鳴く」は「ふるさと」の枕詞だったんですね。
おかしいのは「もぐらが変じてウズラになる」という言い伝えがあったそうで
「化したての鶉 鷹より猫に怖じ」
なんじゃそりゃ。
   
「英国式 田舎のつくり方」
(ポール・ハイニー 著・辰巳出版・2600円)
「農園で暮らす」とはこーゆーものかーと目からウロコの楽しい1冊。
全編カラーで、写真を見てるだけでも楽しくて、おすすめです。
イギリスでも飼われているんですね、ウズラ(ちょっとしか載っていないけど)。
これに載っている「三角型簡易ニワトリ小屋」は
「昼間は庭で」ウズラを飼いたい人にはいいかも。
小麦、野菜、果樹の栽培、ワイン、リンゴ酒の作り方とか
牛、豚、羊、ヤギの飼い方、自家製チーズの作り方とか
でっかいアヒル池の堀り方とか、
ラマダチョウの飼い方とか・・・・
(ホントに飼うんか、イギリス人〜!?
   
「図解だれでもできる自然卵養鶏」
(渡辺省悟 著・農文協・1530円)
「それじゃ養鶉じゃなくて養鶏はどうなってるの?」という興味から読んだ一冊。
しかし、平飼い養鶏だけでなく、ウズラのことを考える上でも
とても勉強になりました。
たとえば、ヒナの時から濃厚飼料だけを与えると筋胃が未発達で
繊維質をきちんと消化できない軟弱な成鳥になるとか・・・・。
ウチのチヨとヒヨは、胃筋発達し過ぎ〜。
というか、もはや「全身胃筋」鳥。
     
「農業の基礎」
(鈴木芳夫・他 著・農文協・1700円)
これはたぶん農業高校や農業大学の1年生向け入門テキスト。
イジメだナイフだ金属バットだぁーと騒いどる前に、これやっとけや、教育。
「穀物も野菜も家畜も花も、人の手でいろんな命を育てること」
「その育てた命をいただいて、人は生きていくということ」位は
(長い〜人生の中で)1年ぐらいかけて、体でじっくり覚えたほうがいいよ。
一生使わん「英文字と数字と記号のゴチャゴチャ」を延々丸暗記させるよりも。
教育とは
「脳耕民族」を育てることなのじゃ〜。
    
  農機具の使い方、土の耕し方、種もみの育て方、野菜、果物
花卉栽培にフラワーアレジメントから畜産(ここではニワトリ中心)
さらに地球規模の農業問題まで、これ1冊で楽し〜く学べます。
    
    

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