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- お・せ・ん・べ・や・け・た・か・な
◆企画‥‥「サクラ大戦 1」アニメーション・オリジナル・シナリオ :タイム20分程度
- 〈キャスト〉
高村 椿‥‥帝劇売店及び帝撃風組メンバー(「1」の11月の話なので12月生でまだ16才)
マリア・タチバナ‥‥言わずと知れた、花組の副隊長にして帝劇全体の「学級委員」役?
高村醤造‥‥「浅草・高村せんべい店」店主。 椿の父。 生粋の江戸っ子。
高村スミ‥‥椿の母。 江戸っ子にしてはのんびり屋で、どこか吉田日出子に似ている。
高村 米‥‥椿の祖母。 「ちゅらさん」の元気なおばぁ役・平良とみさんのイメージ。
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シーン1 帝国劇場ロビー、昼間 休演日らしく、ガランとしている
ロング(引き構図)、カメラ右から左にパン(横首振り)する。
売店近くで止まる、次第にズームアップ、高村椿、ひとりロビーの壁際、切れかけたランプを
- 替えるためランプシェードを外そうとして脚立に立っている。
- 椿(独白) よいしょっと‥‥(脚立をセット、換えのランプを片手に)
嬉しいなー、明日はマリアさん主役の「第七天国」初日!!(トントンと身軽に登る)
- お、おっといけない、私は「帝劇のスタッフ」なんだから、えこひいきは禁物、禁物‥‥
メンバーの皆さんは、忙しい本公演と極秘指令「華撃団」の任務をこなしつつのお稽古で。
- ‥‥‥‥でも‥‥嬉しいなっと!
- やっぱ‥‥やっぱマリアさん一番好き、あたし!
あのきれいなブロンド、緑色の瞳、白い肌、あああ、それだけじゃないわ。
- 花組をまとめる副隊長としてのりりしさときたら、ほんとにもう‥‥
それにあの演技力! さすが男役の華よね〜♪
- なんて麗しのシコオ役‥‥(いきなりなりきって)
「ああ、ディアヌ、愛しのきみ、ぼくはもう二度ときみを離しはしない‥‥」
(外したガラスのランプシェードをうっとり抱きしめる)
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- そこへ通りかかったマリア(カメラ、椿側からマリアをロングで)
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- マリア 椿‥‥?
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- 椿 きゃぁ?、あっあああああっ〜!!(ここでカメラ寄り)
ふりむきざま、バランスを崩し、脚立から落ちる。 マリア、どさっとキャッチ。
床に落ちたランプシェード、パリーンッと割れる
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マリア (椿を抱きかかえたまま)大丈夫、椿?
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- 椿 (アップ ハッとマリアの夏服の黒白ストライプに気がつき)
- マ、マリア‥さん?
(アップ 抱かれた姿勢のまま硬直し目線を上げつつ、どんどん赤面してゆく。
と、赤面一瞬止まり、次の瞬間ザァッと真っ青になる)
- キャアアアアアアアアアアッッ!!!
マリア え? あ。
自分の頬が割れたランプシェードで、すっと細く一条切れているのに気づく
椿 マ、マ、マ、マ、マリアさん、血、血、血、血がっ〜〜〜〜〜〜!!!!!!
マリア スーツの内ポケットからコンパクトを取り出し自分の顔を見ながらあっさりと
ガラスが飛び散ったときかすったのね。
なんてことないわよ、こんなの2〜3日ですぐ消えるわ。
椿 で、でも明日の夜は「第七天国」の初日‥‥っ!
マリア ドーランで隠すから平気よ、それより椿、あなたこそ怪我はない?
大丈夫なの? 顔色が真っ青じゃないの。
椿 (アップ)マリアさん‥‥
- シーン2 翌日、晴れている
帝都俯瞰→地上ややローアングルで浅草町並みから椿の家「高村せんべい店」へズームアップ。
正午頃。 店舗兼住宅(2階建て) 1階はおおわらわ。
- カメラ、まず「浅草・高村せんべい店」の看板アップから入り、建物の中に入っていく。
店先で炭火で煎餅を焼いている父醤造、せわしなく火箸で網の上の煎餅をひっくり返しては
- 刷毛でしょうゆを塗る、そのたびにジュウウと煙が上がる。 網の上には荒く編んだ四角い
平らなざるが吊してあり、焼く前の白い煎餅を熱気で乾燥している。
そのまま店舗兼作業場からカメラ奥へ。
お茶の間、昼餉の支度らしく、椿の祖母ヨネ、丸い大きなちゃぶ台に茶碗など並べて行く。
さらに奥、台所、椿の母スミが精進揚げを揚げている。 さつまいも、はす、ごぼうなど、
- 切って下ごしらえしてある秋野菜各種アップ。 カメラ、醤造に戻る。
- 醤造 (カメラ醤造バスト位置よりアオリ。 醤造↑盆ざる↑天井の構図、二階に向かってどなる)
椿ーっ! いつまで布団引っかぶってやんでぇっ!
ヨネ 「風邪」なんていって、大切な帝劇のお勤め休んで!
どうせ鼻っ風邪なんだろ、降りといで!
と、ちゃぶ台にぬか漬けの鉢をドンと置く。
- スミ お昼はお前の好物の精進揚げだよー。 降りてきて、ひとくちでも食べなさいよぅ。
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- シーン3 2階、椿の部屋 質素だが16才の少女らしく、壁にマリアのブロマイドやポスター。
真ん中に布団、中の椿が頭からかぶって座っているので丸まっている。
枕元に硯箱、椿、辞表を書いている。
椿 (書面:筆先アップゆっくり書く「この度、一身上の都合により」‥‥筆止まる)
(椿アップ)くっとこらえていた涙が、思わず紙上にパタパタ落ちる。 滲む文字。
書き損じの辞表をクシャクシャと丸める椿、再び書き始めるが、何度書き直しても失敗。
- 筆を置く。
‥‥うっく‥‥ひっく‥‥辞めたくないよぅ‥‥
しかしまた筆を取り直し、書き始める。
‥‥ダメ、やっぱりあたしスタッフ失格だわ。‥‥
トップスターのマリアさんの顔に怪我をさせちゃうなんてもう帝劇にいられないよぅ‥‥
しゃくり上げながら辞表を書こうとしている椿は、やはり16才の少女である。
帝劇の売り子でも、風組のメンバーでも。
- 醤造 (階下より声)椿ー、お客さんだぞー!
椿 ‥‥‥え?
浴衣寝間着に半纏を肩羽織して階段を下りる椿、店先にマリアが立っている
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マリア 椿。(頬に小さな絆創膏)
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椿 マ、マ、マリアさん!?
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マリア 風邪だって聞いたけど、おかげんいかが?
これ‥‥少しだけど(と、洋菓子らしい小さな包みを差しだし)お見舞い。
椿 ‥‥あ、あ、あの‥
醤造 なにぼけ〜っとしてるんでい、あがってもらえ、あがって!
ヨネ すみませんねぇ、気だては悪かないんですけど、気の利かない子で。
- スミ (お勝手から)よろしかったら、時分時(じぶんどき:食事時)ですから、ひとかたけ
(一食)召し上がってきませんかー? ウチ今日のお昼精進揚げなんですけどー。
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- マリア まあ! 私精進揚げ大好きなんです! じゃ、お言葉に甘えておじゃましますね。
(と、土間(どま)店の上がりかまちからお茶の間へ。)
- シーン4 高村家お茶の間。 ちゃぶ台を囲んで醤造、ヨネ、椿、マリア。
スミはお勝手で追加の精進揚げをジュージュー揚げている。
マリア、椿のとなりに正座しておいしそうにごはんを食べている。
椿 (内心)うわー、うわー、夢見てるみたい!
あのマリアさんがウチのちゃぶ台で精進揚げ食べてるなんて!!
マリア あら、れんこん。 わたしこれ大好き。(と、パクパク食べる)
醤造 遠慮なくジャンジャン食ってくださいね、まだいくらでも揚がりますから。
マリア でも、私ひとり飛び入りで‥‥
スミ (お勝手から)大丈夫、ウチはお昼、沢山作るんですよー。
- おとうさん朝から火の前座って暑い仕事でしょ、売れるのもおやつ時でこれから
お客さん混みますからねえ、昼にしっかりおなかごしらえするんです。
ひとりやふたり増えたって、精進揚げなら大丈夫。 椿ー、ごぼうの掻き揚げ
- 揚がったからお運びしてー。
椿 はーい。(席を立つ、と、その隙に)
ヨネ (マリアの前にヌッと大アップ)ぬか漬けじゃ。
マリア は、はあ?(とまどう)
ヨネ あんたロシアの人だそうじゃが、日本のぬか漬け食べなさるかね。
(ぬか漬けの大鉢を手ににじり寄る)
マリア は、はい、大好きです。(やや気圧されつつ)
ヨネ (大アップ・ニコオ〜ッと満面の笑み)
カメラ、お勝手→お茶の間へパン。 センターに椿、その奥に鶴亀の日めくりの柱。
椿 (お勝手から、のれんを左手で払い、掻き揚げてんこ盛りのお皿を持って来つつ)
- おばあちゃん! またもう!!
- ヨネ なにせ江戸時代から続いたぬか床じゃ、維新にも、先日の帝都崩壊にも負けなかった
- 我が家の家宝なんじゃ。 創業寛永元年「高村せんべい店」は、このぬか漬けがある
- 限り永遠に不滅ですっ!!(と右手にぬか漬けの鉢を掲げ持ち茶の間に仁王立ち)
マリア ハラショー!(ヨネの気迫に思わず正座したまま見上げて拍手)
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椿 おばあちゃん、ぬか床自慢もいいかげんにしてよね。 恥ずかしいったらもう〜!
マリア 素晴らしいことじゃない、椿。(と、皿を受け取りちゃぶ台へ。
ヨネもひと演説終えて、よっこいしょと席へ戻る。 椿、マリアの隣に座る。)
スミ (奥から出てくる)はーい、これが最後の三つ葉と白魚の掻き揚げ。
(バットからちゃぶ台中央の大皿に移しつつ)
白魚、初物なんですよ、たくさん召し上がってくださいねー。
マリア (ニッコリ笑って)ハイ、頂きます。
スミ ごめんなさいねー、ウチのおばあちゃんたら、ぬか漬けのことになると人が変っ
ちゃってー。
醤造 ったく、このぬか漬けの御神力のせいで、いまだくたばりやがらねえ。
(と、茄子を一切れほおばる)
ヨネ 何をお言いだい、八代目看板娘に向かって!
椿 あーもう、いいかげんにしてよっ! マリアさんの前で!!
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- マリア (クスクス笑いつつ)いいのよ椿。 じゃ、孫のあなたは十代目?
椿 あたしは‥‥はい‥‥「十代目看板娘」に‥‥なります。
(マリアの頬の絆創膏を上目でそっと見、うつむく)
マリア 椿‥‥?
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- 椿 (うつむいたまま)あたし帝劇‥‥辞めます。
- マリア なぜ?(切り出されたマリアは冷静、家族の方が驚いて箸が止まる)
椿 ‥‥トップスターの顔に不注意で怪我させるなんて!
こんなとんでもないことやらかして‥‥スタッフなんて私‥‥務まりません。
今、上で辞表書きあげて来ますから、米田支配人かあやめさんに渡してください。
(立ち上がろうとする)
マリア 椿っ‥‥!(椿の手首をつかむ)お座りなさいな。
椿 (中腰のまま、泣きそうな瞳で、正座しているマリアを見下ろす。
突然のことで硬直する家族の顔)‥‥‥(椿、力抜け、ストンと座る)
マリア 食べましょう、せっかくの精進揚げがさめてしまうわ。
(椿、放心したように箸と茶碗を手に、言われるまま食べ始める。 家族も食べ始める。)
- マリア ねえ、椿(自分も箸を使いながら)私ね、
「もしかしたら」
って、そんな気してたの、昨日の今日であなたが突然風邪でおやすみするって聞いて。
(椿、マリアを見上げるアップ)
責任感の強い椿だから‥‥。
でもね、言ったとおり怪我なんてたいしたことないわ、この絆創膏も気休め
みたいなものよ。(と、ぺりぺりと剥がす。 うっすら薄い筋が1本だけ)
ね、大丈夫、大したことないって言ったでしょう?
ヨネ (マリアの顔をのぞきこみ)あーこりゃ大したことないよ、あしたにゃ消えるね。
醤造 おっかあっ! すいやせん、そんな事があったなんて露知らず‥‥
マリア ホントにいいんですよ、さあ、さめないうちに。
ちゃぶ台を囲む高村家の人々、カメラちゃぶ台の中央に仕掛けて一周する
スミ マリアさんおかわりどうぞ。
マリア すみません、軽く一膳(茶碗を差しだし、受け取る。 三つ葉と白魚の精進揚げを
食べている椿の方をやさしいまなざしで見つめる)
ねえ、あの時私がもっとひどい怪我をしていたとしても、私はやっぱり椿に帝劇を
辞めてほしくないわ。
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- 椿 (精進揚げを口にくわえたまま、えっ?という表情)‥‥?
マリア 椿にしか出来ないことが、沢山、沢山あるから。
今夜が「第七天国」の初日でしょ、もう劇場中大騒ぎ、てんてこ舞いなのよ。
乙女組からの助っ人じゃ、売店だってさばききれないの。 新作のブロマイドに、
ポスターに。 椿じゃないと、だめなのよ。
椿 (精進揚げをくわえたまま、マリアを見つめる瞳が、次第に涙目になってくる)
- マリア 椿じゃないとダメなこと沢山あるの。
椿は帝劇の大切なメンバーなの、わたしたちの仲間なのよ。
あなたがいないと、さびしいわ、私。
椿 (椿、感極まって精進揚げをくわえたままポロポロ涙を流す。 モノローグ)
へんね、へんね、あたし嬉しいのに何で涙が出てくるのかしら。
醤造 (客人の前で泣きじゃくる娘にテレて赤面し、ちゃぶ台から布を持って立ち上がろうと
する)あー、もう、泣くか食うかどちかにしやがれっ。
スミ ちょいとーっ おまいさん、それ台拭きだよー!
マリア、夏服のポケットから白いハンカチを取り出し、優しく椿の涙をふいてあげる。
椿 (モノローグ)
へんね、へんね、何でなの。
精進揚げはおいしい、マリアさんは優しい、
あたしは嬉しい、なのに何で涙が出るのかしら。
(泣きながら、精進揚げをもぎゅもぎゅ噛みしめつつ)
- あたし一生、精進揚げ大好き、マリアさん大好き、
帝劇大好き、おせんべ大好き、大好きよ。
シーン5 「高村せんべい店」店先
醤造 すみませんねえ、ウチのバカッタレ娘のせいで、お忙しい初日に来てもらっちまって。
(と、横に立っている椿のアタマをコッツンする。 エヘと首をすくめる椿)
マリア いいんですよ、椿さんが心配なくなって、ホントによかった。 元気になってくれて!
椿 お先に帝劇に戻ってください、マリアさん。
私も身支度整えたらすぐ行きますから!
新製品が多くて、今回は大変なんですよ。 まず新作ブロマイドにポスター、先着千名
限定「第七天国特製缶入りラング・ド・シャ・クッキー」!
それと「特別ゴールド会員限定『米田支配人シャワーシーン・ブロマイド』!!」
- マリア えぇっ?
- 椿 あ、いえ、あのぅ、お好みなら一枚お廻ししますけど‥‥。
マリア あ、いや、その、それは‥‥お好み、というか‥‥(赤面と青面と混じり合った複雑な顔色)
- スミと米、奥から小走りに出てくる
スミ ああよかった、おまいさん、間に合ったー、ほらーこれ。
(と、紙包みを醤造に手渡す。 幅15センチ、20センチ四方ほど。
十文字にひもを掛け、寿司折りのようにぶら下げるように輪で結んである)
ヨネ 名代の「高村せんべい」を「おみや」(当時の言葉で「お土産」のこと)に忘れるなんざ、
あきれた九代目だよっ。
醤造 おおっと、いけねえいけねえ、マリアさん、これ、商売もんですけど、どうぞ。
マリア そんな、いけませんわ、大事な商品を‥‥
醤造 ウチが胸を張って持ってお持たせ出来るのは、このせんべいと、娘くらいなもんでさぁね。
- 椿 おとっつあん‥‥
マリア 椿、私先に行くわね。 身支度できたら帝劇、来てよね、待ってるわ。
椿 はいっ! 着替えてすぐに飛んでいきます。 きっと途中で追いついちゃいますよ!!
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- マリア それは頼もしいわね。 じゃあね、お先に行くわね。
(醤造たちに軽く会釈して、歩き出す。 椿、無邪気に手を振る。
- 一度振り向いて、にっこり笑い会釈するマリアと高村家の人々。)
- 昼餉明けの下街、路上に数人の幼い子供たち。 「けんけんぱ」など、思い思い
に遊んでいる。
みんな「あぶちゃん」(袖無し白の長いエプロン遊び着、和服の汚れを防ぐスモッグの
ようなもの。 「おっぱいがいっぱい」1ページ目参照)を着ている。
その中をセンター・パースペクテイヴ(消失点)に向かってぷらぷらおせんべの紙包み
- をぶら下げて、ゆっくり歩いていくマリア
幼い女の子の声で、ゆっくり: お・せ・ん・べ・や・け・た・か・な
マリア、歩いていく。 姿が遠ざかると同時に、次第に画面、白地に柿色のパステル調
モノクロ描線になってゆく。 フェードアウト。
-END-
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