私達には、とってもお気に入りのフレブルの本がありました。
Nちゃんと言う子の写真集で、おしゃれな写真付日記のようになっています。
写真集はNちゃんが子犬の頃のもので、どの写真を見てもとってもかわいいのです。

ある日、そのNちゃんのHPを見てみると、
新宿のお店で、写真展開催のお知らせがのっていました。
しかも、週末には、Nちゃんがお店に登場する予定なのです!
これは、バルを連れて行くしかないっ!と、ワクワクして新宿へ出かけました。
お店に着くと、まだNちゃんは到着していなかったので、
バルをバッグに入れたまま、店内をウロウロしていました。
店員さんも「もうすぐ来ると思いますよ〜」と声をかけてくれたりして、
私達はNちゃんとのご対面にかなりルンルンしていました。
そして、ふとお店の前を見ると、小柄なフレンチのNちゃんがっ!
2階にいた私達はいそいそと階段を降り、Nちゃんのもとへ向かったのです。

一緒にいたNちゃんのパパに挨拶をし、
バッグに入っていたバルを地面に下ろそうとした時です。
私のすぐ近くにいたNちゃんが、いきなりバルをガブリッ!
まだ犬同士の挨拶を交わす前の一瞬の出来事でした。
バルは短く「キャンッ!」と鳴き、私達はそのまま抱き上げました。
顔を見ると、鼻の下から血が出ていて、バルはしきりにペロペロと血を舐めています。
Nちゃんの方は、抱いているバルをじーっと見つめ、震えています。
少しすると、Nちゃんのママが店内から出てきて、その事を知り、こう言いました。
「またやっちゃったの〜?!」
またって・・・・・どうもNちゃんはワンコ慣れしていないようで、常習犯のようです・・・

Nちゃんのパパも謝っているし、責める事もできずに、しばらく話をして、
「大丈夫です」と言いながら、私達はその場を後にしました。
が、その場を数歩離れた途端に、くやしいのと、悲しいのとで、涙があふれてしまいました。
Nちゃんに会いに行こうなんて思わなければ、バルはこんな目に会わなかったのに・・・
バルに申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいました。

本当は一緒に写真でも撮らせてもらって、仲良くできたらなぁなんて思っていたのに、
散々な1日になってしまいました。
結局、その日はすぐに引き返して、病院へ直行しました。
幸い傷は浅く、少し時間はかかりましたが、ちゃんとキレイに治ったので良かったです。

                             

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9.バルバの悲劇