東洋の神秘・ライチリキュール SOHO(邦名DITA) & パライソ
今回は、発売されてからの歴史が浅いものの、既に世界でトップランクの
人気を呼んでいるライチのリキュール、SOHOを取り上げてみたいと思います。
このSOHOというのはフランスを始めとする外国で販売されている
商品名で、日本での商品名はDITAになります。
※2000/9/4 同じくフランス製のライチリキュール、パライソを追加いたしました。
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フランスの巨大酒類企業、ペルノ・リカールグループが現代人の嗜好に
合った新しいフルーツ・リキュールを開発するにあたり、
アメリカ、アジア、ヨーロッパの各地の子会社から情報を集めました。
その情報収集の結果、ライチに的を絞ることになり、
SOHO(DITA)が誕生しました。
ライチは漢字で茘枝と書く、楊貴妃が好んだことでも有名な中国南部原産の
果実で、固い紅褐色の皮をむくと白色半透明のゼリー状の果肉が現れます。
甘い果汁と上品な芳香、優雅な味わいが特徴です。日本でも近年、
中華料理のデザートとしてすっかりおなじみの存在になりました。
1980年代後半に発売されたSOHO(DITA)は、東洋をイメージして作った
エキゾチックな風味を持つリキュールとしてフランスで発売直後から
人気を獲得しました。日本にも1990年代に入ってから輸入されるようになりました。
ちなみに、フランスなどの外国での商品名「SOHO」の商標が日本では
既に他者によって登録されていて使えないため、やむを得ず
「DITA」の商品名で販売されています。
商品名は違いますが、中身は全く同じものになっています。

フランス本国版の「SOHO」です。ラベル表記も全てフランス語です。
「SOHO」の名前の由来はアメリカの「SOHO」のような所で
皆に飲まれるようになってほしいということから付けられたようです。
また、邦名「DITA」の名前の由来に関してですが、単語自体には意味は
特になく、親しみやすい語感を考慮した上での造語だそうです。
SOHO(DITA)の製法に関してですが、ライチの実からデリケートな香り
の成分を分離し、アルコールに溶かしこみます。その後、他のフルーツフレーバー
の風味成分やシロップなどを加えて味のバランスを取って作ります。
アルコール度数、甘みともにリキュールとしては控えめになっています。
味に関してもライチの香り成分は多く感じられるものの、甘みがライトですので、
ジュースやソーダ、シャンパンなどで割る場合は量を多めにいれた方が良いでしょう。
値段は定価で3440円、人気リキュールのため、ディスカウントショップ
においても大幅な値引きがされている所はあまり見かけません。
2000円台後半で売られていたら安い方だと思います。
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※2000/9/4 追記
以前、DITAとパライソの味の違いについて・・・というご質問をいただきましたので、
パライソを入手し、味を比較してみる事にしました。
10年前には日本では1種類しか輸入されていなかったライチリキュール
ですが、現在では人気もあり、数種類が販売されています。
(10年前に輸入されていたギファール社のライチリキュールは、今はもう輸入されていないようです。
「世界初のライチリキュール」というふれこみでしたが、パッションフルーツも補助原料として
使われているため、純粋なライチリキュールとはいえなかったかもしれません)

その中でも比較的入手しやすい、パライソ(輸入元:サントリー)を追加で
ご紹介させていただきます。スペイン語で「楽園」という意味を持つこの
リキュールは、中国南部で生産されたライチを原料に、フランス南西部の
ジュール・プレマン社が製造しています。定価は3200円ですが、
ディスカウントショップなどでは1700〜2000円程度で買えることが多いです。
そして、ポイントとなる味ですが、SOHO(DITA)の方が上品な香りを持ち、
全体的にあっさり、後味もすっきりしていて甘さ控えめなのに対し、
パライソは甘さ・香りとも強めで複雑な味を持っているため
全体的に主張が強く、エキゾチックな感じがします。
どちらが好みか?と聞かれた場合はSTOLAS的には(あくまでも
個人的好みですが(^^;))なじみのあるSOHO(DITA)という答えになりますが、
ロングカクテルにする場合は、パライソを使用したほうが良いかもしれません。
SOHO(DITA)ですとソーダやジュースでライチの風味が消えやすいですので・・・。
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SOHO(DITA)、パライソともに発売されてからの歴史が浅いため、
スタンダードなカクテルのレシピはまだ少ないですが、
別ページ(↓)にて、ご紹介させていただいております。