一昨年の3月 小金井公園にて店主Stolas撮影

 

春の夢覚めてあしたもこの夢を

 

2004年3月14日は俳人 鈴木真砂女さんの一周忌でした。

 

営んでいらした料理屋さんがお休みの日曜日でも

朝からお化粧をなさるのはもちろん寝化粧やペティキュアなども、

女性のたしなみとして90歳を過ぎてもなさっていらした真砂女さんは

私の憧れの女性の一人です。

(ものぐさな私は真砂女さんのようにはなれそうもありませんが(^^ゞ)

 

タイトルにさせて頂いた句を作られた91歳の時に

「人間恋の一つや二つすると、年とって退屈しなくていい。

今年も 〈春の夢 覚めてあしたも この夢を〉 という句を作りました。

彼が死んで二十年少しになりますけど、

いまでも一日一、二回は思い出すし、夢もみる。」と

真砂女さんは語っていらしたそうです。

 

そんな憧れの真砂女さんの句を題材にさせて頂き

おこがましくもレシピを考えてみました。

「私のイメージはそんなのじゃないわよ」と

天国の真砂女さんにやんわり叱られてしまうでしょうか(笑)

 

味わいのある沁みる句をたくさん残していらっしゃいますが

私はこの作品が一番好きです。

 

今生の 今が倖せ 衣被

 

次から次へと色々な事が起こる世の中ですが

自分の小さな幸せをきちんと見つけて

毎日を心静に過ごせたら・・・と願っています。

 

2004.3

 

“花の雨 鱈子ひと腹 かろく焼き”

「たらこサンドウィッチ」

(材料)

生食用たらこ、バター、きゅうり、

パン(全粒粉などの味がしっかりしたパンがお奨めです)

 

(作り方)

たらこは皮から外しておきます。

パン2枚にバターを塗り片方はたらこを塗り

片方にはきゅうりのスライスを乗せて2枚を合わせて出来上がり♪

 

句のイメージから離れており、更にあまりにも簡単なレシピで

申し訳ございません。でも美味しいんですよ!

サンドウィッチ用に販売されているパンでも良いのですが・・・

全粒粉のような味があるパンのほうがたらこの魚介臭を

気にならなくしてくれるので美味しいと思います。

 

句では「かろく焼き」とあるのですが・・・

生食用たらこは基本的には生で頂くのが好きなのでそのまま利用してしまいました(^^ゞ

日本酒のあてでしたら軽くあぶってそのまま頂くたらこも良いですね。

 

“鮟鱇の 肝一樽や 春の雪”

「鮟肝の生ハム巻き」

(材料)

鮟鱇(アンコウ)の肝、生ハム、あさつき(芽葱)、日本酒、

EXV.オリーブオイル、バルサミコ、岩塩、胡椒

 

(作り方)

肝はさっと冷水で洗い、筋などを取り除いてから

塩をして2時間ほど置きます。2時間ほど経ちましたら塩をさっと冷水で洗い落とし

酒をふって、ラップかホイルで巻き15分程蒸し器で蒸し冷まします。

肝とあさつきを生ハムで巻き、お皿に並べ

EXV.オリーブオイル、岩塩、胡椒、バルサミコを

それぞれ適量ふり出来上がり♪

 

写真はあさつきですが本当は芽葱にしたかったんです!

更に生ハムではなく河豚か平目のお刺身で巻いてポン酢で頂きたかったのですが

残念ながら揃いませんでしたので、急遽このレシピにいたしました(笑)

しつこそうにお感じになられるかもしれませんが、意外に美味しいんです!

いつもポン酢では・・・と思っていらっしゃる方に是非お試し頂きたいです。

 

“とろろ摺る 淡雪よりも 白く摺る”

「穴子のとろろとんぶり添え」

(材料)

穴子、長芋、とんぶり、あさつき、

たまり醤油、本物の味醂、日本酒

 

(作り方)

穴子は蒲焼として販売されているものを酒適量と

付属のタレを入れた小鍋で温めるか

又は焼き穴子を出し汁とたまり醤油、味醂、日本酒を合わせた煮汁

(お魚を煮るくらいの加減で)で煮て味を含ませます。

温めておいたお皿に穴子を盛り、とろろととんぶりを乗せて

あさつきを飾り出来上がり♪

 

お好みで山葵を添えてください。

鰻でも良いのですが・・・今の季節には

鰻よりもさっぱりした穴子で是非召し上がって頂きたいと思います。

 

 

 

真砂女さんはきっと夢に見た彼と天国で再会し

幸せに暮らしていらっしゃるのではないでしょうか。。。

 

もうすぐ桜の花が見ごろですね。。。

恋をしていなくても美しい桜を見て真砂女さんのような気持ちに

なっていたいですね(笑)

 

春の夢覚めてあしたもこの夢を

 

料理屋さん「卯波」は現在真砂女さんのお孫さんが営まれています。

是非一度お伺いしてみたいです。

 

今回取り上げさせて頂いた句は

「花神コレクション 俳句8 鈴木真砂女」に

収録されていたそうです。

絶版になってしまったそうで残念ながら私は読んでおりません。

「かわうそ亭」様が読書日記(2002年9月)の中でご紹介くださっていて

拝見する事が出来ました。

ご主人様に感謝!

 

 

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