オレンジキュラソーの王様 グラン・マニエ

 

 

今回は、食後酒として飲まれているほか、製菓用として特に知られている

オレンジキュラソーの代表銘柄、グラン・マニエを紹介したいと思います。

 

       

キュラソーとは、オレンジの果皮で風味づけをしたリキュールです。

17世紀、南米ベネズエラ沖の旧オランダ領、キュラソー島のビター・オレンジの

果皮をオランダ人が母国に持ちかえり、スピリッツと共に蒸留、甘みを加えて作ったもの

に島の名前をつけて発表したのが始まりといわれています。

(現在はキュラソー島にはオレンジ畑はなく、世界各地のオレンジが使用されています)

 

このキュラソーの製法の特徴は、オレンジの果皮を薄くそいだものを使うところにあります。

果汁や果肉まで利用したものは例外的といえるでしょう。

また、キュラソーの製法自体も大きく分けて2つあり、

無色の果皮エキス、アルコール、シロップで構成される無色の「ホワイトキュラソー」と、

オレンジ果皮とブランデー(主原料としたものと添加したものがあります)を使い、

樽熟成させた琥珀色の「オレンジキュラソー」になります。

ホワイトキュラソーの代表銘柄は「コアントロー」、そして

オレンジキュラソーの代表銘柄はこの「グラン・マニエ」です。

ちなみに、カクテルなどでよく用いられるブルーキュラソーやレッドキュラソー

は、ホワイトキュラソーに着色したものです。

 

※ 写真はミニボトルです。

 

グラン・マニエの製造元であるフランスのマニエ・ラポストール社は、国会議員として

活躍していたピエール・ラポストルが、ルイ16世から長年の国政寄与への功績を認められ、

開業認可を与えられたのが始まりです。その創立は古く、1698年3月のことでした。

その後、時を下って1827年パリ郊外にある”ノーブル・ル・シャトー”に、子孫である

ジャン・バプティスト・ラポストールが独立の醸造所であるラポストール蒸留所を設立し、

ここからグラン・マニエの歴史が始まりました。その後も、ジャンの息子の

ユージン・ラポストール、のちにユージンの娘婿となったルイ・アレキサンダー・マニエと、

3代に渡って研究が続けられました。そしてついに1880年、

ルイ・アレキサンダー・ラポストール(マニエ)がコニャック地方から持ち帰った

ブランデーをベースとし、グラン・マニエを完成させました。1884年にはニースの

国際見本市で最高栄誉賞を受賞し、国際的な銘酒としての地位をも獲得したのです。

 

現在でもグラン・マニエはコニャックをベースにし、ハイチ産のビターオレンジ

を使い、樫の樽で熟成してから出荷されています。

他のオレンジキュラソーに比べてもオレンジの風味、香りともに

上品で豊かであり、とても飲みやすくなっています。

価格は定価で3130円となっています。ディスカウントショップでは

2000円代後半で売られていますが、原酒にコニャックを使用している分、

他のオレンジキュラソーより値段は若干高めです。

 

 

ミニボトルを製菓用として買ったもののそのままとってあるという方

も多いのではないかと思いますが、お菓子だけではもったいない

歴史あるエレガントなリキュールです。

ディジェスティフ(食後酒)あるいはナイトキャップ(寝酒)として、

ストレート、ロック、あるいはトニックウォーターやジンジャーエール割りなどで

是非一度、お試しになってみてください。

 

 

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