ホワイトキュラソーの女王 コアントロー
今回は、前回ご紹介しましたオレンジキュラソーのグラン・マニエに続き、
ホワイトキュラソーといったらまずこの銘柄という名酒、
コアントローを紹介したいと思います。
コアントローはホワイトキュラソーの銘柄の中の一つです。
キュラソーについての説明はグラン・マニエの所で詳しく致しましたが、
ホワイトキュラソーは無色のオレンジ果皮エキスとアルコール、シロップを配合して作られます。
製菓用、カクテル用と、様々な用途で使われるリキュールだけあり、日本にもたくさんの
ホワイトキュラソーが輸入されています。これらのほとんどは「TRIPLE SEC - トリプル・セック」
という商品名になっています。このトリプル・セックはフランス語で3倍辛いという意味ですが、
これはもともとコアントローが最初につけた宣伝文句でした。昔のホワイトキュラソーは
甘みが強かったらしいのですが、コアントローはこの甘さを抑え、甘さ控えめの意味を
込めてラベルにトリプル・セックと記して販売したのです。
やがて「コアントロー社のトリプル・セック」が評判を呼ぶようになると、他社も真似をして
甘さ控えめのホワイトキュラソーを「トリプル・セック」の商品名で売り出すようになりました。
コアントロー社は真似をされるようになってからは自社製品からトリプル・セック
の表記を外し、単にコアントローの名前で販売するようになり、現在に至っています。
なお、現在のコアントローとトリプルセックの甘さに関してはそれほどの差はありません。
※ 写真はハーフボトルです。
コアントロー社はフランス・ロワール地方アンジェ市の製菓職人、
アドロフとエドワールのコアントロー兄弟が1849年に創業しました。
ホワイトキュラソー「コアントロー」はエドワールの息子が作り出したものです。
コアントローはハイチのビター・オレンジ「ピガラート」種、ブラジルの
スイート・オレンジ「ペラ」種の2種の果皮エキスと中性スピリッツをもとに
コアントロー用に特注で開発された赤銅蒸留器で蒸留します。
これに中性スピリッツ、シロップ、さらに隠し味としての柑橘系果皮やスパイス類
を配合、濾過して造られます。オレンジの芳香や適度な甘み、
ほのかで複雑な香味など、絶妙の仕上がりとなっています。
このコアントローの定価は2628円(フルボトル)となっていますが、
ディスカウントショップなどではもっと安く(1500円程度)買う事が出来ます。
有名銘柄ですので、デパート・ディスカウントショップでも売っていないと
いうことはまずないでしょう。
コアントローもグラン・マニエなどと同じく製菓用として購入し、家にあるという方も
多いのではないかと思いますが、是非一度ディジェスティフ(食後酒)、
ナイトキャップ(寝酒)として、ロックや炭酸飲料、ジュース割りなど
でお試しになってみてください。特にロックとして飲むと透明だったコアントローが
朝もやがわきあがるような乳白色に変わっていき、視覚的にも楽しめると思います。
ちなみに、コアントローは強壮剤、健胃剤としての効能があるとも言われており、
食後酒としてピッタリですが、くれぐれにも飲みすぎにはご注意を。
コアントローには夜のリキュール、妖しの酒、くどき酒のイメージもありますので・・・
いわば大人のリキュールということですね( ̄ー ̄)