英国伝統の秘酒・ドランブイ

 

 

英国ではスコッチウイスキーをベースにしたリキュールが製造、販売されています。

今回は王家秘伝の酒として名高い、英国産のリキュール、ドランブイを紹介したいと思います。

 

 

       

ドランブイはスコッチウイスキーをベースにしたリキュールで、

15年以上熟成したハイランドモルトおよび40種類のスコッチを中心に

ハーブ・蜂蜜・香草類を配合した味わい深い、通好みのお酒です。

最初にも書きましたがこのドランブイはもともと英国の王家で

代々受け継がれてきた秘酒でした。

 

この王家の秘酒が一般に市販されるようになったことについては、

一つの歴史的なエピソードがあります。

1745年、英国で王位継承のための戦いが勃発しました。「ポニープリンスチャーリー」の

ニックネームを持つチャールズ・エドワード王子は兵を挙げ、

エジンバラ・ダービーという所まで進撃した後、戦いに破れました。

この時、敗れたチャールズ王子を助けたのが地元の豪族、マッキノン家でした。

当時、チャールズ王子には30000ポンドもの賞金が懸けられていた

にもかかわらず、マッキノン家はチャールズ王子への忠誠を守りぬき、

チャールズ王子をスコットランド北西にあるスカイ島からフランスへ

亡命させることに成功させました。

 

チャールズ王子はマッキノン家への感謝のしるしとして、王家伝統のドランブイ

製法を授けました。これが、ドランブイの歴史の始まりです。

とはいえ、授かった秘酒をすぐに商品化しては王子に失礼と考えたマッキノン家の

人々は、これを一族の間だけで伝えていくことになりました。

 

 

 

時は流れて約200年後の1906年、マッキノン家の子孫がこの伝来の製法をもとに

ドランブイを復活させ、エジンバラ市で企業化すると共に販売を開始しました。

ここにおいてドランブイがようやく日の目を見るようになり、現在に至っています。

一般市販されるようになった今でも、そのラベルには

「チャールズエドワード王子のリキュール」の文字が明記されています。

 

このドランブイの意味は、ゲール語で「心を満たす飲み物」です。

味はスコッチウイスキーに甘さと複雑な香味が加わったというイメージになっています。

飲み方としては、食後酒としてストレートで、またジンジャーエールやソーダなどで

割っても、お湯で割ってホットカクテルにしても美味しくいただけます。

また、このリキュールを使ったカクテルとしては、「ラスティ・ネイル」が有名です。

 

価格は定価で4000円程度ですが、ディスカウントショップなどでは

もう少し安い値段で入手できると思います。

 

             

映画“カサブランカ”で知られる、ハンフリー・ボガードは

マティーニと共に、このドランブイフリークで有名で、彼の行き付けのバーでは

ドランブイの減り具合で旅に出ているかいないかを判断したという

逸話が残っています。

日本ではリキュールを飲まれる男性は少ないですが

今晩あたりボギーをきどってストレートで、ナイトキャップにいかがですか?

 

       

 

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